近頃になって、ようやく『フットルース』を観た。
1980年代のダンス映画と言えば、必ずといっていいほど出てくるのが、
ケビン・ベーコンがハリウッド・スターの仲間入りとなる契機となった、
1984年公開の『フットルース』だ。
『サタデーナイトフィーバー』もあるな、と思っていたが、
あの映画は70年代の映画なので、対象から外れてしまう。すまん、トラボルタ。
『フットルース』は当時、ケニー・ロギンスらが参加したサウンドトラックが売れに売れて、
映画を観に行かなかった俺様でも、知っている曲が何曲もある、という状況になり、
とにかく気になって仕方がなかった。
で、ようやく観てみたわけだけれども、
ケビン・ベーコンがイケメンであるかどうかという議論は置いておいて、
映画としては、青春映画らしく、スカッとしたストーリーで、
観終わった後、なんとも言えない清々しい気持ちになった。
ザクっと紹介すると、シカゴからアメリカのド田舎に転向した、
ロックとダンスが大好きな高校生レンが、
とある出来事のせいでロックもダンスも禁止されている町のルールを変えていこうと、
反対派のリーダーである牧師の娘アリエルたちと、とにかく頑張っていく映画だ。
この映画のいいところは、自由を求めて行動する高校生たちが、
むやみに暴走するだけではなくて、大人たちに対してしっかりと言葉で主張するシーンだ。
映画の中盤、町議会に出席したレンは、たどたどしいながらも、
自分たちが求めているものが何か、町の雰囲気をおかしくしているのは何かを、
牧師たちに必死に訴えかける。
その言葉が、頑なだった町の大人たちの気持ちをきっかけになり、
エンディングのダンスシーンへと繋がっていくのである。
この、全編を通じて描かれる、若者と大人の相互理解が、『フットルース』の醍醐味なのだろう。