室賀ジャズギター研究室

実技・理論の総合レッスン

個人レッスンのジャズギター教室

ALL THE THINGS YOU ARE

2006年07月29日 | スタンダードリスト
今日は
‘ALL THE THINGS YOU ARE’
特集。
レッスンでは色々、事細かに演っていく
わけだけど、ここでは参考音源を
いくつか挙げときます。

写真上段、左から
☆CHARLIE PARKER ON DIAL

曲名が‘BIRD OF PARADAISE’という曲が
ALL THE THINGSです。
きっと製作サイドが著作料を払いたくなかったか何かか?
3曲程、同名で異なるテイクがあります。
(※もっとアルタネイトテイクがあるみたいです。
たくさん聴きたい方は最近のエディションをどうぞ。)
テイクAでは、しっかり原曲のテーマのメロも吹いています。
スタンダードのテーマはどのように演るのか、最高の手本
という感じです。ジャズを演っていくに当たってインプロ
のみではなく、テーマ、メロについて熟考する習慣をつける
のは大変重要です。逆にインプロに対しても
大きな影響、良い効果を期待できます。
ギターではないけど、研究中、攻略中の方々には非常に
参考にしやすいと思います。美しい演奏です。
そりゃ~‘泣く子もラリる’パーカーですから。

ちなみにTHE JAZZ MESSENGERS等で聴ける
‘PRINCE ALBERT’も
ALL THE THINGSのコントラファクトです。

☆STANDARDS/GRANT GREEN

テーマの取り方は、あくまでもグラントグリーンが弾くから
シブイわけで、中途半端にこの感じで演るとヤバイかも.....
インプロパートはバッチリ参考にして下さい。

☆THIS IS TAL FARLOW

☆HERE’S THAT RANEY DAY
/JIMMY RANEY

スタンダードの曲名をモジッたダジャレ系タイトル
※RANEY⇔ RAINY

写真2段目
☆JIM HALL’S THREE

これ以外に、以下でALL THE THINGSが聴けます。
オーバーダブ、3拍子で演っているバージョン等も
あります。(以前、ちょと触れたけど.....)

・LIVE AT VILLAGE WEST
/RON CARTER & JIM HALL
・LIVE AT TOWN HALL
・DEDICATIONS & INSPIRATIONS
・JIM HALL & PAT METHENY
・JIM HALL & BASSES

☆SECOND SET/TAL FARLOW

もしかしたら印象は粗めに感じるかもしれませんが
素晴らしい演奏です。

☆PAUL MOTIAN ON BROADWAY Vol.2 

ギターはビルフリーゼル。
ディソナンスなインターバル等、プリティーナイスに
コントロールされた演奏。(ナガシマか?!)

☆REAL BOOK STORIES
/MUTHSPIEL,JOHNSON,BLADE

ギターはウォルフガングムースピール
クロス・バーライン(小節線越え)フレージング等、
スリリング。

写真3段目
☆VIRTUOSO/JOE PASS

ご存知、無伴奏ソロ。

☆WISTERIA/JIMMY RANEY TRIO

トリオ作品だけど、ALL THE THINGSは
無伴奏ソロです。

☆QUESTION AND ANSWER
/PAT METHENY

☆FLAT OUT/JOHN SCOFIELD

その他、
GOOD PICKIN’S/HOWARD ROBERTS,
MAYBECK RECITAL HALL VOL.19
 /RICHIE BEIRACH【p】,
ロリンズ(ts)のビレッジバンガードとか.....
たくさん名演がありキリがありません。
ネット、CD屋さん等で探してみると良いと思います。
これだと思う演奏が見つかったらトランスクライブするなど
集中的に研究してみて下さい。

スーパー反復フレーズ

2006年07月26日 | Weblog
いまだに梅雨は明けないみたいだけど、
ジメ~というかネト~というか、
こりゃ~やってられン!というわけで
生徒さんの一人が営っているバーに
家内とおチャケを飲みに出かけた。
隣のお客さん(女性)のシモネタに
ウケまくっていたウチのカミさんを
控えめに白い目で見つつ、お店でかかっていた
グラントグリーンのスーパー反復フレーズに
耳を傾けていたら、むっちゃ酔いがまわった。
スーパー反復フレーズといえば
ウエスのノーブルース
(/SMOKIN’AT THE HALF NOTE)
でのダブルストップとかも印象的だけど、
なんといっても
ホーレスパーラン(ピアノ)の
ローダウン(/HEADIN’SOUTH)が強力だ。
あまりにも繰り返されるので、もう少しで
CD屋に
‘あの~音飛びするンスけど、このCD!!’
とかクレームを言いに行きそうになったくらいだ。
こうなったら、全編、自分のソロパートを同じフレーズの
反復で徹してやる!!!くらいのイキオイがないと
ホーレスパーランには到底カナワナイ。
ただ、聴衆が‘おお~気合い入ってるナ!’となるか
‘ん~モウロク入ってるナ!’となるか
危ないカケである。

ジムホール

2006年07月19日 | Weblog
ふと、ジムホールって今何歳なんだろう?と思い
調べたら1930年12月4日生まれというから
75歳だ。うーん納得のような、不思議なような.....
若い時から、‘てんやわんや’の‘獅子てんや師匠’
みたいなルックスだったから、じゃなくて大御所の風格が
あったから、あまり年月が経った感じがしないような.....
兎にも角にも、現代ジャズギターのウルトラの父、というより
ハクション大魔王なのである。
大魔王のライブには何度か足を運んだが、
しっかり拝聴させて頂かなくてはと思い、毎回
正座をして聴いていたというのは、もちろんウソだ。
20代の頃聴きに行ったライブでは、演奏後、バークリー
やニューイングランド音楽院の学生達などが我も我もと
行列を成して大魔王に質問攻めをしていた。
演奏後でお疲れのハズなのに、一人一人に丁寧に
アドバイスをしていた姿に感動した僕は、
思わず‘てんや師匠~!’と涙ながらに
叫んでしまったというのもやっぱりウソだ。
オチないギャグはいい加減止めるとして、
何が言いたかったかというと
ジムホールは宝のような人だという事である。
名盤を数知れず録音し、お年を召されても
少年のように成長し続け、
人間こうでなくてはと思っても、
とてもそーはいかないのである。
音源のみならず、アートファーマーやロリンズとの演奏
をはじめ、見逃し厳禁な映像がたくさんある。

ただ、少しアドバイスがあるのですが、あまり早い段階で
ジムホールの研究に手を染めると余計にワケがワカラなく
なる危険性ありです。
高校生の頃の自分がそうでした。ハイ(笑)
ある程度、基本を固めた後での着手をオススメします。

アヂ~!

2006年07月16日 | Weblog
グデ~と暑い昨今、
レッスンに来る生徒さん達もヘタリ気味で
やって来る。
譜面を書いていると五線紙が汗でヨレヨレになってくる。
理論を説明していても頭がボーっとして
途中で何を話しているか忘れちゃったりして(笑).....
クーラーを効かしている室内でもこうなのだから
室外で活動している人々は相当ツライだろう。
こんな気候の時は、あまり考えるような作業をせず、
ひたすら弾きまくるとイイかもしれない。
暑さで頭が爆発状態だから、普段思いつかないような
フレーズやアイディアが出てきそうだ。

個性

2006年07月13日 | Weblog
自身がどんな音楽を演りたいのか、
どんなギターを弾きたいのか、
簡単なようで難しい問いだと思う。

‘一人の聴き手’としてだけでは満足できず、
楽器を手にしたからには、その人が、
‘その人の中で鳴っている音’
を具体化したいという気持が、音楽を聴くのみの人
より強いはずだと思う。
よく‘心の音’に耳を傾けてみると
‘今までに聴いてきた音楽’以外にも
各人独特の音楽が流れているのではないかと思う。
それは必ずしも鮮明なわけではないかもしれないが、
自分の中で‘漠然と鳴っている独特の音’を
具現化していく力をつけていくことが、
音楽の理解を深めていく、楽器を練習する
という事かもしれない。

また、音楽、楽器と接していく過程で、優れた弾き手等を
模倣するのは重要且つ有効な手段だが、
単に憧れのギタリスト等とクリソツに弾きたいだけなら
‘聴き手’として音楽と関わるだけでも充分かもしれない、
しかし、楽器を手にする人は、それ以上の意識を
持っているか、
内在、潜伏させているかの何れかのように思える。

ただし、‘個性’というキーワードを安易に考えてしまうと
否定的な意味での‘クセ弾きをする人’になってしまうので
音楽、楽器と接していく上で必要な事を確実に習得していく
事と平行して、
‘自身の音’とはどんな音なのか、じっくり耳や心を澄ます
事が重要だと思われる。


な~んか、ちょっと説教クサイというか宗教ちっくな
ブログになってしまったが、
僕は特に宗教を持っていません(笑)というより、
意志のモト、特定の宗教に傾倒しないのですが、
特定の宗教、信者の方々を批判するつもりもありません。
宗教の名のモト、
人をオトシイレルような集団は除きますが.....

カブトムシ

2006年07月07日 | Weblog
北朝鮮ミサイル撃ちまくり。
まったく、何とも表現し難い。

もしも、ドロロンえん魔大王に
‘チミは、よりギターを追求するために
金正日か麻原彰晃どちらかの顔で生まれ変わらなければ
ならぬ!さあ!どっちがいい?’なんて聞かれたら
どちらも丁重にお断りして、
ハワイの森にカブトムシとして生まれ変わり、
樹液でもチュウチュウ吸って過ごすだろう。
‘うーん、この木はギターネックに向いてるナ!
いや、待てよ、ウクレレ用にしたほうがイイかも!’とか
言いながら。

べロンべロンと50センチ定規

2006年07月06日 | Weblog
ブラジルは既に敗退してしまって、残念だが、
ロナウジーニョはどの試合前の国歌斉唱のときも
歌を歌わず、決まって舌をべロンべロンさせていた
のはナゼなのか?
僕なりに勝手な推察をしてみた。
何人かの生徒さん等から得た情報によると、彼は、
幼い頃、貧しく、孤独で、いつも愛犬とサッカーボールで
戯れていたらしい。

(ここから推察)
彼の愛犬は、ロナウジーニョ少年がサッカーボールを
持ってくるとうれしそうに舌をべロンべロンさせた。
そしてロナウジーニョ少年が同じ様にベロンベロンさせる
のが彼らのゲームのキックオフの合図だったのである。
ロナウジーニョは、様々な思いが詰まった愛犬とのゲーム
を忘れないため、そして原点を忘れないため、
今でも国歌斉唱の際にベロンベロンさせるのだ.....。

ところで
僕は中学に入って間もなく強烈に電気ギターに興味を
もった。
どうしたら音がでるのか?ギターケーブルはやはり
家庭用コンセントに差し込むのか?
あの箱(ギターアンプ)もナイといけないのか?
様々な疑問、興味が僕の頭を占拠してしまった。
電気ギターを買ってくれと両親に頼みたいところだったが
ナカナカに厳格な両親だったため、言い出せずにいた。
しかし、イテモタッテモいられなくなり、ヘッドフォンを、
大音量にしたステレオにつなぎ、50センチ定規をネックに
見立ててエアーギターにふける毎日を過ごしていた。
ある日、例によってヘッドバンギングせんばかりに
エアーギターに没頭している最中、ふと背後に
気配を感じたので、ヘッドフォンを外して振り返ると
呆れ顔をした母親が立っていた。
不憫に思った母親は、電気ギターを買い与えてやるよう、
父親を説得してくれたのである。
こんなんが僕のギターとの出会いのきっかけだったので
ロナウジーニョを見習い、原点を忘れないため、
レッスンの前には50センチ定規を用意すると
イイかもしれない。
練習不足の生徒をオシオキするときにも便利そうだし(笑)

リラ~ックス!

2006年07月05日 | 練習・アドバイス
倍テンのフレーズ、速いパッセージ、
チェンジが激しいコードワーク、など
これはムズイなという場合、無意識に、知らないうちに
指、手、腕、肩、体全体に力が入っていまうことが多いものです。
しかし無駄のない迅速なフィンガリングが必要な場合、
力が入ると手の筋肉などが動きにくくなるので、
逆に力が抜けたリラックス状態で弾くことが
望ましいと思います。
タイム感、スイング感の側面から考察しても、
力んで良い結果に繋がることはあまりないと思います。
力みを防ぐために、定期的に、肩の力を抜く、
手をブラっとするなど
リラックス状態に戻す工夫をすることをお勧めします。

ELVIS!!

2006年07月03日 | Weblog
どっかの国の総理大臣がプリッツェル
大統領の横でワケのわからない
プレスリーメドレーを熱唱してるのを
テレビで見て、苦笑というより爆笑して
しまった。
ああいう人が総理大臣の国って.....
でも、なんか見覚えがある顔だな.....
えっ?ま、まさか.....
なんか、頭かゆっ!

写真は5曲収録シングル
グランプリ プレスリー/ELVIS PRESLEY
棚の奥からひっぱり出して撮影。
ちなみにウチの教室ではプレスリーの曲は演りません。
あしからず。(笑)


それから、‘星影のワルツなんだけど2拍子’の替え歌
みたいなネタを18番にしてコブシを振りながら歌う
某政治屋も感心してしまう。
ちょうどジムホールがALL THE THINGSを
たまに3拍子で演ってみたりする感じだろうか?(爆)
自民党のパーティーで実際に彼の伴奏をしたピアニスト
は、その時の様子を彼女自身のブログで書いていて
興味深く読まさせて頂いた。
ちなみにウチの教室では‘星影のワルツ’も演りません。
‘星影のステラ’なら演るけど.....。

レコード落とさずギャグ落とせ!

2006年07月02日 | Weblog
タルファーロウはテクニシャンだけど、
ありがちな‘どーだ、おまえ、
こんなに弾けっか?ガハハハ!!’
みたいなイヤラシさがない人だ。
‘いや~イイーフレーズ思いついちゃった~♪’的な
本質的に明るい音楽性を持った人なので、聴いていて
楽しくなってしまう。

写真のレコードを入手した時のことはよく覚えている。
今はヴァ-ヴレコーディングのCDボックス
(THE COMPLETE VERVE TAL FARLOW
SESSIONS/MOSAIC RECORDまたは
ユニバーサルクラシック )等で聴けると思うけど、
当時は入手が難しくて、やっと、あるアナログ屋さんで
見つけたときは、うれしかった。
検盤をさせてもらうとミント状態で、迷わず
‘これお願いします!’と購入を決めたんだけど
アナログ屋のおやっさんが、皿をジャケにしまうとき
‘あっ’と言う間に床に落としちゃったのである。
‘あ゛~~ミントだったのにー!’と思いつつ
‘ごめんね~千円負けとくからカンベンしてね’なんて
言葉をちょっと期待したんだけど
‘ダイジョブ、ダイジョブ’とか言いながら
‘はい、○○、○○○円ね♪’と表示のままの請求。
どーしても聴きたかったからクレームも言わずに
支払いつつ、うれしいような、納得いかないような
複雑な気持ちで帰路についた。
‘レコード落とすならギャグの1つでも落としてくれれば
いいのにーなー!!’とかブツブツ言いながら.....

THE GUITAR ARTISTRY OF TAL FARLOW
/TAL FARLOW