先日、アバのベストアルバム『ABBA GOLD』を図書館から借りてきた。特にファンではなかったが、アバは私の青春時代に人気のあったグルーブであり、街角ではよくアバの歌が流れていた。今年7月26日のNHK総合『SONGS』でもアバ特集があり、懐かしさもあって見た。そのためアバの歌がさらに聞きたくなり、ベストアルバムを借りたのだ。
アルバムの解説でメンバーの1人フリーダ・リングスタッドことアンニ=フリッド・リングスタッドについて、「ノルウェー人だが、幼い頃にスウェーデンに移住していた」と記載されている。しかし、wikiには彼女はレーベンスボルン(生命の泉の意)計画で生まれた子供だったことが載っており、父親はナチス党員のドイツ軍人なのだ。フリーダが「生命の泉」計画によって誕生したことを私はネットで知った。
レーベンスボルンについては以前から聞いていたし、ドイツ民族の人口増加と「純血性」の確保を目指した計画であることも判っていた。90年代末のNHKだったかレーベンスボルンの特集番組があり、ここでは主にポーランドの子供達を取り上げていた。ノルウェーとは異なり金髪碧眼の子供たちがポーランドから誘拐されている。ポーランドではおよそ5万人から20万人の子供が誘拐されたと見られ、彼らの多くは実の家族の元に帰ることはなかったという。
ナチスが劣等民族と見なしていたスラヴ民族ポーランド人の子供を、金髪碧眼というだけで大量に誘拐していたのは不可解だが、これもアーリア人至上主義ゆえか。ただし、同じ占領地でもノルウェーは事情が違っていた。ノルウェーのレーベンスボルン計画について、wikiから引用したい。
―「生命の泉」計画は主としてドイツ国内で実施された。しかしヒトラーは「金髪」「碧眼」「長身」といった身体的特徴を持つ「北方人種」を「より純粋な」アーリア人と考え、ドイツ人のアーリア化を促進する目的で、ドイツ人ナチ党員男性に対してノルウェー女性との性交渉を積極的に奨励した(他のナチスドイツ占領地域では、このような行為は禁じられた)。このため、ノルウェーでは Lebensborn の用語が、ノルウェー人の母親とドイツ人の父親の間に生まれた子供について記述する場合に使用される。
1940年から1945年までの間にレーベンスボルン計画によってノルウェー国内10カ所に設けられた産院で出生した子供は約8,000人、施設外の約4,000人も含め約12,000人の子供が駐留ドイツ兵とノルウェー人女性との間に生まれたとされる…
1945年11月15日、アバのフリーダはノルウェーのバランゲンで誕生している。5年間の占領期間だけでドイツ兵とノルウェー女性との間に約12,000人の子供が生まれたのが事実ならば、すごい数である。他にドイツ兵との間の子供についてはフランスで約8万人、オランダでも1万人以上との推定がある(wiki)ようだが、確認や根拠は不能・不明である。
ナチスがノルウェー女性との性交渉を積極的に奨励したとあるが、必ずしも無理強いばかりとは限らないようだ。両性の同意に基づく、つまり“和姦”もあったことが、次のwikiの解説からも伺える。
―ドイツ降伏後に当時のノルウェー政府が「対敵協力者」の処分を行い、ノルウェー人女性約14,000人を逮捕、そのうち約5,000人が18ヶ月間強制収容所に入れられた。特にドイツ兵と結婚した女性についてはノルウェー国籍を剥奪された。出生した子供については恣意的な『知能鑑定』が行われ「子供たちの半数が知的障害の可能性が高い」と断定した。
ドイツ兵と結婚した女性に対しノルウェー国籍を剥奪されたとあるが、彼女たちは国籍剥奪後、何処に住んだのだろう?フリーダ母子が隣国スウェーデンに移住した背景もこれだけで理解できるが、全員が他国に移住したとは思えない。またドイツとノルウェーの混血児たちはどうなったのだろう。半数が知的障害の可能性が高い、と断定された『知能鑑定』も疑わしく、身元が分かれば子供たちはさぞ肩身が狭かったはず。日本では何かと人権や福祉、男女平等で讃えられるノルウェーの知られざる一面を初めて知った。
その二に続く
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で、アーリア人なんですが、ヒトラーがこだわってた金髪&碧眼って、全然アーリア人のイメージわかないんですが、あの時代の研究ではそういうことになってたんですか?アーリア人からはイラン人とかインド人しか思い浮かびません。不勉強ですみません。
アバは中学時代にリアルタイムで聴いてましたが、そういった暗い影があったんですねえ。ブリーダはその後フィル・コリンズのプロデュースでソロをだしてましたが、今も活動してるのかしら。
アルメニアのことを調べていて、なぜ貴方はこちらにたどり着いたのですか?アルメニア人虐殺事件のことは2011年2月に記事にしていますが、無関係な記事にコメント。
>>ヒトラーがこだわってた金髪&碧眼って、全然アーリア人のイメージわかないんですが、あの時代の研究ではそういうことになってたんですか?アーリア人からはイラン人とかインド人しか思い浮かびません。
あなた、ナチスに興味がなくともヒトラーがいうところの“アーリア人”とは、金髪碧眼の北方型を純血種として尊んでいたのは有名ですよ。歴史に不勉強ばかりか、記事も満足に読んでいない。そんなあなたが、アーリア人からはイラン人やインド人しか思い浮かばないのはヘン。こんな歴史観は余程のインド・イランオタクでもない限り考えられない。どうせ拙ブログからでも得た知識でしょ。
「たどり着きました」「元々は~」「そこから○○に興味を持っています」「不勉強ですみません」…
毎度、変わりばえしない表現ですね。試に yuccalina で検索したら、同HNのアラフィー主婦ブロガーがいましたが、同人物とは思えない。