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ミセスローゼンの道後日記

老人のチエロ弾く背中藤の花


バッハ無伴奏チェロ組曲三番プレリュードのクライマックス。「ペダルポイント(持続低音)のGが永遠に続く上り坂のように感じられる左手の大きなストレッチ和音群は拷問である。」と、ロストロポヴィッチが言ったそうだ。かの巨大な手の持ち主にしてさえそうなのか。ナサニエル・ローゼンが手指と首と背と伸び縮みして喘ぎつつ汗だくになって弾くそのパートは、クライマックスの見ものだと思っていた。あれはパフォーマンスじゃなくて、本当に坂を登っていたのか。そうなのか。その坂を登らずして弾く三番プレリュードや、同じく汗みどろになって教会を建てる煉瓦を積まずして弾く四番プレリュードは、真のバッハではないのかもしれない。試練を乗り越えた達成こそが真のバッハ。ピアノも同じかも。私見だが。


















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