ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ボルト-バレエー

2005年12月26日 | Weblog

岩田さんが後半は出ずっぱりとなり話の中心を演じるボルトを見ました。このバレエは1937年のソ連時代に初演されたようですが直ぐ上演禁止となり今年2月25日に新たな演出で初演されたものです。

カーテンコールの動画 (及び)ご覧になると判る様に岩田さんは花束を貰い舞台ほぼ中央で挨拶されています。 

ボルトという題名はこのバレエの中で工場の動きを止める為に岩田さん演じるIvanshaが工場の歯車にボルトを噛ませることから来ています。

そもそもこのバレエは始まる前から最近の演出らしく通常の緞帳でなく白い幕にBOLTという赤い文字が映ったものでその字がだんだん大きくなって幕が上がるとそこには巨大なロボットが何台も並んでいると言う大掛かりな舞台装置です。巨大なロボットは溶接工を巨大にした形をしており土台から動く仕掛けになっています。

この舞台から始まる第一幕はバレエだというのに最初にメガホンを持った工場の指導者らしき人が舞台一杯に体操服姿でならんだ工場作業員にラジオ体操のような号令をかけるという型破りな始まり方でこれはオペラかミュージカルかと錯覚しました。この体操の時からNastya(Anastashia Yatsenko)に振られて心ここにあらずで体操も廻りの人にあわせられないダメ行員Denis(Denis Savan)が)が職務怠慢で同僚の優等生Yan(Yan Godovsky)に上司に通報され首となるのがScene 1.

Scene2では首になったDenisが酒場で暴れたり酒場の女主人に誘惑されたりYanを殴ったりという場面です。そしてここで岩田さん演じるIvashka(家無し子という設定です)が登場して酒場のお客のハンドバックを盗んでみんなに捕まるすんでのことろでDenisに助けられその恩からDenisと仲良くなります。因みにIVASHKAは子供の岩田さんを愛称で呼んでいるもので岩ちゃんといったところでしょうか。ここまでが1幕目

2幕は2人が工場に忍び込みDenisの指示でIvashkaがボルトを機械にはさんでストップさせショートさせます。不審な影に気が付いたYanが現場に駆けつけた時は既に遅く機械を再度稼動させようと手を尽くしているところを工場のガードに発見され犯人に間違われて連行されそうになります。ここでIvashkaがDenisがやったと告白しDenisのみが連行されIvashkaはDenisを救ったということでお咎め無し。その後なぜかDenis,Ivashka,Nasthyaが3人で仲良くなり3人の踊りを繰り広げます。

最後は工場の従業員だけでなく赤軍と思しきの人も交えたバレエでIwashkaはみんなの仲間に入れてもらって幸せそうなところで幕となります。

因みにパンフレットの役名と当日のチラシで名前が違う役が多くそれぞれの役者の本名の愛称をそのままバレエの役としているようです。

例えばヒロインはパンフではマリヤですがチラシでは演じるAnastashyaの愛称のNastyaとなっています。と言うことはパンフもチラシもIvashkaとなっているので初演から岩田さんがこの役を演じられているのでは。

斬新な舞台でクラッシクバレエとは違う趣でしたが舞台は好評でしたし結構楽しめました。

カーテンコールの動画で岩田さんの右横がヒロイン役のAtastashya Yatsenko,その横の背の高い帽子の人がDenis Savin,その右がYan Godovskyです。

 

 

 

 

 

 

 



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3 コメント

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現代バレエ (PUMPKIN)
2005-12-26 14:20:59
昔ニューヨークで「Carnation」というすごい前衛的な現代バレエを観ました。会場内のあちこちから、ごく普通の背広姿のダンサーたちが、なぜか学校の教室にあるような椅子を持ってあっちからトコトコ、こっちからフラフラ集まってくるという…ジャンプがほとんどない上に寸劇がいくつもランダムに演じられるという、なんとも奇妙な舞台でしたが、観ているうちにその不思議な世界に引き込まれ、かなり楽しかったです。Boltはこれに比べると政治風刺的な筋立てのようですが現代のロシアだからこそ復活したものなのでしょう。いろんな演目を楽しめていいですね。
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早速のコメントありがとうございます (筆者)
2005-12-26 18:13:06
そうですね。今だからこそ復活出来る演目がたくさんありますね。BOLTを現代バレエという観点から見るとそれ程 過激な前衛ではありませんからやはりBOLSHOI劇場という枠の中での様々な試みという整理でしょうか。未だブログへのUPが遅れているのですがこれも今年初演のオペラのローゼンタールの息子達は初演の観客が途中で怒り出して退席するという事態が起きた様でやはりボリショイは保守的なお客が多いのかとも思います。このオペラは兎も角音楽そのものが前衛というか不協和音の連続で聞いていて不安な気持ちになるという分野の音楽なのでこの音楽そのもので拒否反応を持つ人が多いかと思います。
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保守的 (PUMPKIN)
2005-12-30 21:58:58
ロシアは保守的というか伝統を守るという気風が強いのかもしれませんね。逆にフランスやイギリスといった私たちから見たら伝統文化の伝道のような国で前衛的なものが流行るのかも。
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