ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

マリス・リエパ生誕70年記念ガラ-1-

2006年11月04日 | Weblog

Up出来ていない中で真っ先にお知らせすべきなのは通常の演目と違うガラでしょう。掲題ガラは10月31日クレムリン大会宮殿で開催されたものです。21列までは招待客だけで22列目から一般販売だったのですが22列目の中央通路の横の席 定価1500RUBのチケットを4000RUB払ったのですがやはりこの種生誕70・80・90年と言ったガラはそれだけのプレミアムを払う価値のある物というのが前回のガリーナのガラなどを見た実感です。今回のガラもボリショイの通常ルートでは売っていなかったので気がつくのが遅くなってしまいましたが定価の1500RUBなら更に格安。

クレムリン大会宮殿は以前にもUPしましたが音響がひどいのですが今回は色々な出し物がある為がオケボックスは撤去され仮設の席があり音楽はすべて録音をスピーカーから流すという趣向でした。音響的にはこの方が中途半端にオケにマイクを付けてやるよりましという感じでした。舞台後ろにボリショイ劇場をかたどった物、そのスパルタクスを思わせる柱の間にスクリーンが入りバレエに合わせてバックが変わるという趣向でした。

入場前のSecurityが厳しいこともあり開演は7時のはずが殆ど8時直前で終演は11時半近くというガラで最後は電車の都合か一部帰るお客もいましたが様々の演目で楽しむことが出来ました。

マリス・リエパのことは今回のガラまで全く知りませんでしたが先日見たスパルタクスのクラッスス役が当たり役で当日のパンフの表紙もこのように彼のスラッスス姿が飾っています。長男のAndris及び長女のイルゼの発起によるバレエを志す子供達をサポートしたり新しい演目を支援したりするMaris Liepa Charitable FoundationのHPにマリス・リエパのことが詳しく載っています。尚このHPが表示されない時は文字のエンコードをキリル文字に切り替えてみてください。

抜粋しますと1936年7月27日 ラトビアのリガ生まれ(ということは10月31日は誕生日ではなく今年で生誕70年ということですね) モスクワでバレエを勉強した後 リガに戻ることを余儀なくされ(という家族の整理でしょう)ラトビア国立オペラ座でスタート。因みにこのラトビア国立オペラ座には日本のWord Cupチームの親善試合の応援に行ったときに行って以前ブログにUPしていますが中々のLevelでした。

その後モスクワでダンチェンコ劇場(ロシア語のHP御参考。因みに以前杮落しガラのことをブログにUPしましたが明日は正式な再開初日のシンデレラなので見に行きます。ボリショイのシンデレラとの違いが楽しみです)で踊り60年よりボリショイで踊り始め62年にMargarita Zhigunovaとの間にAndrisとイルゼが生まれるが直後にボリショイのプリマのNina Semizorovaと再婚。その後60年代末にグレゴロービッチにクラッススの役を与えられ大当たりを取る。その後グレゴロービッチと不仲となり干されて77年がボリショイの最後の舞台。その後映画でもクラッススを演じたりするが52歳で没。

ロシア語の先生によると彼の性格とクラッススの役が余りにぴったりと一致したのでその後舞台を離れても自分がクラッススの様に偉いと勘違いして態度が尊大となりグレゴロービッチと衝突した、舞台の練習に参加せず本番だけ出るとか全く規律を守らなくなって干されたということ晩年は生活が荒れてアル中で最後は自殺だったとも。正にこのクラッススの役のお陰で人生が変わってしまったダンサーのようです。 

今晩はここまでで力つきました。。肝心のガラの様子はこの3連休(日本は金曜が休みでしたがロシアは月曜が休みです)中にUpします。。。

 



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4 コメント

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美男はつらいよ!? (Nana)
2006-11-04 15:55:09
ソ連を代表する美男ダンサー、マリウス・リエパについて、知らない話がわかって興味深かったです。日本で聞いてた話では、マリウスはハンサムで当時の国家元首(ブレジネフ書記長だったか)の娘さんにまで恋されてしまったとか。きっとソ連の女の子の憧れの存在だったのかな~と思ってました。優れた芸術性も兼ね備えていたと聞いてます。中央集権の強大な国家のソ連で、バレエダンサーは地位も高くボリショイダンサーの尊敬心も高かった国で、そういう人なら、やっぱりどうしようもなくちやほやされたとか、或いは役柄に没入しやすいとか?同情できる点の一つもあったのかなと考えながら拝見しました。それにしてもクラッスス役で成功後のマリウスの様子がまるでクラッススそのものなのには驚きです。(尊大、傲岸で、アルコールを煽り・・・実生活もクラッスス!)
日本では全く逆のことも言われていて、「リエパを干したグリゴローヴィチは酷い」みたいな・・・。でも真相はこういうことだったなら、成功したダンサーの身の律し方の示唆に富んだ話ですね。

さてマリウス・リエパの話に戻すと、その子たちアンドリス、イルゼによる、この企画、内容は良いものらしいと聞いてます。、マリウスの悲劇的な最後とは対照的に、今の観客を楽しませているでしょうから、upされたら乞うご期待!

ですが、ブログ更新精力的なので、管理人さんにはご自愛の上、好きなことをお好きな時期に打ってくださいまし。
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早速ども (管理人)
2006-11-04 17:25:59
Nanaさん
何時もながら色々アドバイスありがとうございます。体までお気遣い恐縮。今朝はコーラスの練習前に一幕までUPしました。これからコーラス2つのはしご、その後テニス、再度にダンチェンコの正式再オープン初日との日程なので2幕のUPは多分今日は無理でしょう。
ロシア語の先生は報道に基づいての話でしょうから当時の体制寄り(今もそうですが)の報道でリエパのことが実体より悪く伝えられたのかも知れませんね。グリゴロ-ビッチ皇帝に楯突いたので干されただけで皇帝が可也横暴だったのは有名なので正当な対応だったのかも知れません。尚MARISとの英語表記なのですが日本語読みはマリウスで定着しているのでしょうか。であればタイトルから変更します。。
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マリス (Nana)
2006-11-04 20:15:29
日本語でも「マリス」表記もあるのでお気になさらないでください。ロシア語の先生やそちらで判る表記が正しいと思います。皇帝グリゴローヴィチはボリショイ時代は笑えるエピソードが色々あるそうですが(面白すぎてここにはとても書けない)何事もバランス感覚は必要で、日本ではソ連崩壊後、ロシア関係への報道はもう、ほんっとにてきと~てきと~で、ロシアに興味ない人たちがロシアを悪く言うためにだけ言ってる様な話もあったし、グリゴローヴィチも、一方的に悪く言われすぎた所があり、軌道修正は必要だと思います。「スパルタクス」のビデオ、DVDで見られるM.リエパを私自身が凄いかっこいいとか思うわけではないのですが(素晴らしいクラッススとは思いますが。キーロフのK.ザクリンスキーの方が万国受けするハンサムに見えるけど。)ソ連バレエ界きっての美男ダンサーと聞いたし、人気も高く観客の惚れた欲目もあって、グリゴロが非難されたのでしょう。ワシリエフが「私は美しい顔を持たず、舞台で長く美しい線を見せることも出来ない」と発言して、そのコンプレックスに驚いたのですが、(私から見たらかっこよく見えた)ワシリエフがコンプレックスを抱いた美男は時代からしてマリスとか?美男は得なのか損なのか。では。
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了解です (管理人)
2006-11-05 06:37:24
Nanaさん
了解です。
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