Nさんから再びこうもりの寄稿を頂きました。今日ご覧になったものです。
主役のお2人は初演時からのキャストで大人の男女の洗練された味わいがあり、
流石と思わせるペアでしたとのこと。
明日の最終日もご覧になるようです。
新国立劇場バレエ団『ローラン・プティのこうもり』
2012年2月11日(土)
ベラ:湯川麻美子
ヨハン:山本隆之
ウルリック:福田圭吾
メイド:楠元郁子
グランカフェのギャルソン:輪島拓也 江本拓 奥村康祐
フレンチカンカンの踊り子:厚木三杏 西川貴子 堀口純
チャルダシュ:芳賀望
川村真樹 さいとう美帆 寺田亜沙子
丸尾孝子 米沢唯 細田千晶
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湯川さんのベラは生き生きとした美しさがあり、
メリハリの効いた表現、踊りが素晴らしかった。
ウルリックの助言で変身した後は
強くしなやかに麗しいばかりの女性となり、
余裕の表情で男性達を誘惑する姿も美しい。
色っぽさが十分にあり、尚且つ品位を失わず駆け引きをする
まさに大人の女性であった。
豊かな感情が身体全体に行き渡り、
ただ綺麗なだけではなく内面から輝くヒロインであった。
2幕で疲れ果てて帰宅したヨハンを優しく迎え、
スリッパを履かせて膝に甘え寄る姿もまた可愛らしい。
山本さんのヨハンは大人の男性の色気があり、
当たり役であると改めて感じさせた。
グランカフェで瞬く間に女性陣を虜にしてしまうことに
大いに納得である。
1幕での新聞に目を通す姿や不機嫌でそっけない態度、
メイドの身体に触れる姿までもが絵になる。
浮遊するときはいたく楽しそうな表情で
観ているこちらまでがわくわくとさせられた。
また、こうもりに変身する前の感情を抑えた渋く貫禄のある姿、
ベラが去って1人となり夜遊び前の心浮き立っているときの明るさ、
謎の美女を我が物にしようと縦横無尽に奮闘する姿など
それぞれの場面ごとの変化が鮮やかで、
奥深さのある人物像を造形していて見事であった。
お2人はこの作品の劇場初演時から踊っていて、
プティから直接指導を受けた経験をお持ちである。
ちょっとした仕草や表情の付け方に至るまで
洗練された味わいがあり、流石と思わせた。
福田さんの、七三分けで知識人のような風貌をした小洒落たウルリックも良かった。
滑らかで流れるような美しい踊りと茶目っ気が上手く溶け合い、
大いに堪能させてくれた。
再演のときにも抜擢されるよう願いたい。
さて、いよいよ明日は楽日、
小野絢子さんと菅野英男さんの初役ペアが登場する。
どんな夫婦になるか、楽しみである。
何時も新国立劇場バレエ団の演目の詳しい感想をありがとうざいます。大変参考になります。
最終日の感想も楽しみにしております。
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遅くなってしまいましたが、
近日に最終日分の感想をお送りいたしますので
是非またお立ち寄りください。