1日に続いて2日はシプリナ、ベロゴロフツェフ組のシンデレラを見ました。
シプリナとのTwo Shotは正にこの公演の後の写真です。
前日のザハロワ、フィーリン組と比べて決して引けをとらない出来でした。
特に一幕のシンデレラが普通の若い娘の場面の活発さ、可愛さはザハロワより年相応のシプリナの方が正にそのものという感じで見ているこちらの方も楽しくなる演技でした。
2幕のかぼちゃの車から出てくるお姫様は気品ではザハロワには適いませんがご覧のような美人のシプリナも美しさでは中々です。
3幕でそれまでと違って結った髪を解いた長い髪をなびかせた自然な感じの髪としたのは実はシプリナが初演前の舞台稽古で始めてザハロワ始めみんながまねたという話がボリショイ通からの話でした。又3幕の最後の方でカップルが舞台のふちのところで仲睦ましい場面を演じますがザハロワはフィーリンと舞台の縁のところで背中合わせに座ってその気持ちを演じ、シプリナは舞台からオケボックスにまで足を出して座りベロゴロフツェフが隣に座るということで仲睦まじさを演じるとこの辺りは振付とは別のお互いの表現の仕方が垣間見れて楽しめるところです。
ベロゴロフツェフはサインを貰った好青年ではありますがフィーリンと比べるのは一寸 酷か。南米公演の疲れが未だ残っていてサインを貰う際のシプリナとの会話ではシプリナから冗談で「あなたは私の周りをうろうろしていただけじゃない」と言われていたとのことでしたから。これはロシア語堪能のボリショイ通から説明してもらいました。
この主役以外の主要メンバーは殆ど同じでしたが継母は両日で違いました。
1日はボリショイのバレエの女王役で頻繁に出る美人で背が高いMariya Volodina,2日はYevgeniya Volochkova。Mariyaは美人が無理に喜劇役者を演じる無理がありこの役にやYevgeniyaの方があっているのでは。
Winter役の若手成長株のコバヒゼは両日注目して見ていましたが頑張り屋の彼女はキチンと役を両日こなしていました。
カテコ動画 1 (2人で)
2 (指揮者と)
3 (花束を受けて)
ベロゴロフツェフは・・・。この頃何かあるのかな?とちょっと前から気になってました。前の日記のバランシン「アゴン」のときも・・。数年前日本で「アゴン」を踊った時の方がいい踊りだったと思われるカテコの表情でした。
シプリナはポソホフの前作「マグリットマニア」でも出演しており、ポソホフの振り付けや設定キャラクターが、シプリナ向きということもあるかなと考えています。
大雑把にいうとポソホフはフィーリンと得意なパが近かったり、(足裁き技とか)体格も中肉中背で近いし、ポソホフ好みのダンサーってこともあるのかなと想像。「シンデレラ」の振付が割とフィーリン向きということも考えられるかと思ってます。(もちろんベロゴロフツェフが覇気のない踊りをみせたようなのは、写真みてもそんな感じですが。それが実力なのかは私にはちょっとわからない・・。単に南米公演疲れならいいのですが)
ポソホフはもちろん美人のザハロワをお好きでしょうし、「お姫様」のシンデレラのきれいさはピカ一ですが、振り付けそのものは、第一キャストにしたわりには、特にザハロワの良さをより引き出す振り付けというわけでもないように見受けます。(ちょっとPC画像で踊りみただけ)ザハロワの良さをよく引き出すことをやっていたのは、振付じゃないけど、ウヴァーロフのパートナーリング。ザハロワをどうやったらより引き立たせられ、より美しく素敵に見えるか、よく考え込まれた形でした。ああいうノリで、1本作品作ってくれる振付家がいたらいいな、と思うんですけど。贅沢でしょうね。
フィーリンは今はシンデレラの王子が一番かっこよく見えます。純クラのピークは少し前までだったと思います。円熟期にさしかかって、レパートリー残りそうなモダン演目持ってるのがいいですね。
シプリナは「かわいい」という第一印象の人だったのが、ボリショイの中でどんどん気の強い女性になっていきそうで・・。アラーシュ、フィーリンのパートナーリングは最高だったのですが、シプリナ、フィーリンペアは何も感じさせず・・・(笑)恋人役より、父親役ラジャの人と仲のよさそうな演技で・・ちょい将来が心配!?
ザハロワを良いなと思うのは、きっと素敵な恋をしたこと。明らかに踊りが変わっていて役の解釈の発言にも彼女の恋愛観が伺えます。
美人でも、いい恋がなければ、恋愛物語を新鮮には踊れませんから。(と独断偏見)
ちょっとベロゴロフツェフに同情モードしてみました。
来年、アメリカンバレエシアターの若手がボリショイに客演予定だとか。そのうちどこのバレエ団かわからなくなりそう?教師がいるから大丈夫かな。生え抜き組には気の毒な状況もあるかも。では。
カーテンコールのシプリナさん本当にザハロワ以上に貫禄ですね。
ボリショイ神戸公演「バヤデール」ですが、ガムザッティ役のシプリナの出来はいつもながら安定して、お顔立ちも華があってお嬢様然として私は良かったと思います。グラチョーワは東京公演は特別気合が入っていたのか、長いバランスを見せるなどしたんですが、(する必要もなかったとは思いますが)役を踊っているというよりニキヤそのもので、自然にすっと感情移入でき、とても丁寧に心を込めて踊ったのがすばらしかったです。神奈川、神戸も悪くはなかったですが東京ほどのすごさは感じられませんでした。これはガムザッティとのバランスもあるかもしれないですが、アレクサンドロワはインパクトが強く威厳もあり、アラシュは華も威厳もあまり感じられない、シプリナは凄みというか威厳がちょっと足りないかもしれません。
NBSのブログによればバレエ団ご一行は公演当日朝東京から新幹線で神戸に向かったそうで、午後から6時30分の本番まで慌しかったでしょう。ツアー後半で疲れが出ていたせいか、あるいは慣れない舞台だったためか、開演後のコール・ドの踊りはすごく慎重で硬い感じでした。舞台の奥行きがないのかセットが東京よりも前の方にあり踊る空間が狭く感じられ、オーケストラも期待していたほど良くなかったので、公演全体としての印象はあまり良くはありませんでした。ただこれは他の公演を見ていて見比べてしまうからで、これだけを見た方は十分に楽しまれたと思います。
ついでにボリショイ最終公演はその翌日のびわ湖ホールでルンキナとグダーノフの「ファラオの娘」で、シプリナは東京での全公演と同じ魚師の妻役でした。こちらもしっかり妻で、ごく普通にきっちり踊っていました。東京では本物の馬もご出演でしたが、びわ湖では馬も馬車もなくファラオは歩いて登場&退場。ここの舞台も東京より狭くなっていた感じで、棺の数もよく見えなかっただけなのかはっきりしないですが、どうも数が少ないように見えました。
主役の2人はあっさり目なので特にインパクトはないですが、カーテンコールでは客席からの暖かい拍手とそれに答えるダンサーの方たちの嬉しそうな笑顔で、双方別れを名残惜しんで延々と続いたのでした。
バレエ団ご一行はびわ湖ではなく大阪が宿泊だったようで、バスに乗って移動していたようですが、公演後劇場周辺の散策もままならなかったでしょうね。
そうですか。別に悪くなかったんですね。主観の違い。グダーノフは日本公演では印象が薄かったみたいですね。(いいんだ、ロンドンではちょっとだけ評判良かったし・・くっすん)怪我が多いと聞くダンサーですが。グダーノフやベロゴロフツェフやその周辺が今ボリショイを支える位置にいるはずが、いまいちそうなってはいないので(他にも主役ダンサーいたのが名前聞かなくなりました)、外からダンサーを引っ張ってくるのも仕方ないのかと思うけど、ラトマンスキーが推すヴォロビヨフのスパルタクスの身体を見た時、明日何が起こっても不思議ないと思ってしまいました。そういえば一時期ボリショイでも踊っていた王子役エフゲニー・イワンチェンコ、マリインスキー日本公演降板ダンサー(クズネツォフ)の代役で突如ご出演です。
ラトマンスキーの方針がどのようなものか分かりませんが、ロシア以外のバレエ団にも在籍していたので、
そういう経験を元にいろいろ試みているのでしょうね。彼が今までのやり方を変えたとして、そうそうボリショイの伝統的なものを何もかも壊すわけではないと思いますが、ダンサーにも今までと違った役を踊るチャンスを与えるとか、外からダンサーを迎えて内部を活性化さるとかして、何か意識を変えたいのかもしれません。
色々コメントありがとうございます。
大変興味深く読ませていただいています。