風を読む-Newsモーニングサテライト-

モーニングサテライト・ウォッチ

2017.1.16 Newsモーニングサテライト

2017年01月16日 15時30分36秒 | MS
■マーケット
 
NY株 高安まちまち
金曜日の株価は、様子見が強まり高安まちまち。銀行決算は良好だったものの連休や、その後のイベントなどを控え、動きづらい面もあったようです。JPモルガン・チェースや、バンクオブアメリカの決算は市場予想を上回りました。一方で、12月の小売売上高が予想に届かず、失望を誘った面もあったようです。明日月曜日は、公民権運動の指導者、キング牧師の功績をたたえるための祝日で休場。連休明けは、残りの大手金融をはじめ決算発表が本格化。また、週末には大統領就任式と今後の株価の方向性を占う上でも、重要な週になりそうです。金曜日の終値確認します。ダウは続落、5ドル安の1万9,885ドル。ナスダックは反発で高値更新26ポイント上昇の5,574。S&P500も反発4ポイントプラスの2,274でした。
 
 

米専門家インタビュー
 
「年後半には米国経済2~2.5%成長も」
今週末に控える大統領就任式でトランプ政権が正式に発足します。アメリカの専門家は、トランプ氏が今掲げる政策を実行した場合、アメリカ経済は年後半には、2%から2.5%の成長が望めると予想します。
 
《バークレイズ・キャピタル/マイケル・ゲイペン氏》
「法人税の減税を含む景気刺激策は、7-9月期まで実現しないだろう。一方、(国境税など)関税に関する政策は早期に実行に移されると考える。新たな関税がメキシコ、中国に課せられ、その影響で年前半の米国経済は鈍るだろう。米国GDPは年前半1.5~2%にとどまるが、年後半は2~2.5%になると予想する。」
 
また、ゲイペン氏は、ドル高について、トランプ氏が法人税の減税など景気刺激策を実行すれば、ドルは、年末までに、さらに5%近くの上昇が見込めるとみています。
 
「 保護貿易に比べ、景気刺激策の影響は大きいので、ドル高は続くだろう。ドルは年末までに5%程度の上昇が見込まれる。」
 

【為替見通し】注目ポイントは「米大統領就任演説」
解説はクレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏

NY市場では堅調なアメリカの経済指標を受けて、ドル円は一時 115円45銭まで買われる場面がありましたけれども、結局 114円台中盤に下落して引けています。本日はアメリカ市場が休場で、17日にメイ英国首相のブレグジットに関する演説を控えているために、ポンドを含めて相場の急変動には注意したいところです。
 
--今日の予想レンジは、113.50円 - 115.00円、注目ポイントは「米大統領就任演説」です。
 
先日のトランプ次期米大統領の記者会見では、市場が期待していた経済政策の中身を聞くことができませんでした。そこで20日の大統領就任演説は今後の方向性を探る重要な機会となりますけけれども、現状は期待と警戒の入り混じった状況で、それまでドル円は調整地合いが続くとみています。
 
--テクニカル面でも節目というのはどうなると考えていますか。
 
118円60銭近辺でダブルトップを形成していることから、113円台半ばや大統領選後の高安のフィボナッチラインの 38.2%にあたる 112円丁度程度まで下押しする可能性があるとみています。しかし、就任演説は公約実現に向けたヒントを含んだ演説になると期待する向きも多くて、市場は引き続き押し目買いスタンスです。もちろん政策の実効性を見るためには、予算教書を待ちたいところですので、市場参加者が適切な判断を下すためにはもう少し時間が必要となりそうです。
 
  
【日本株見通し】注目ポイントは「日柄調整は進展」
解説は岩井コスモ証券の林卓郎氏
 
--今日の予想レンジは、19200-19400円です。
 
先週はトランプ会見を巡り、日経平均は年明け以降の上昇分を一旦は吐き出す格好となりましたが、週末の踏ん張りを見ても健全な調整と捉えられると思います。今晩は米国が休場ということで、今日はあまり動けないとみますが、トランプ政策への期待や好調な企業決算が下支えになるという見方です。
 
--注目ポイントは「日柄調整は進展」です。
 
(フリップ:株価反転のタイミング近い?)
サイコロジカル・ラインと呼ばれる過去12日間のうち、株価が前日比で上昇した日数の割合を計算した指標です。9勝以上は買われ過ぎ、過熱気味と判断され、逆に3勝以下は売られ過ぎ、底値圏からの反転タイミングが近いということになります。これを見ますと先週幾度か3勝にとどまり、比率では約25%と約1年ぶりに低い数値を示しました。この間の下げ幅は400円程度と、比較的軽微なものに収まっていますが、日柄の調整はそれなりに進展した局面にあります。
 
--となると今後は反転と行きそうなんでしょうか。
 
そうですね、足下の株式需給を考えてみますと、これまで通り日銀ETF購入に期待できるほか、個人投資家はここ2ヵ月で約3兆円売り越して、かなりの待機資金を抱えていると推測されます。内外景気への安心感も含めまして、過去の3勝9敗場面と同様に素直に反転に向かう可能性が高そうです。
 
 
■【エマトピ】ブラジル 景気後退から回復の兆し
ブラジルのGDP成長率は15年の-3.8%に続き、去年は-3.5%と深刻な景気後退が続いていますが、金利の急低下に加え、レアル安が支えとなり、景気回復の兆しが見えつつある。サンパウロ市では新市長が市政の大改革に取り組んでいて、その改革が成功した場合、19年以降の国政を左右するかもしれないと言います。解説は大和証券の横路史生氏。
  
(フリップ1:ブラジルGDP成長率)
--まずブラジルの現在の経済状況を見ていきましょう。実質GDP成長率は15年はマイナス3.8%に続き、去年16年はマイナス3.5%と深刻な景気後退が続いています。そうした中で、先週11日には、ブラジル中銀は0.75%の大幅な利下げに踏み切っています。ブラジル中銀の今回の大幅な利下げは大きなサプライズだったようですね。
 
「今回の利下げ幅を0.75%と予想していたエコノミストはほとんどおらず、市場参加者に驚きを持って受け止められました。利下げは3回連続ですが、利下げ幅を0.25%から0.75%へと急拡大させた背景には、インフレ圧力の低下と長引く景気後退があります。」
 
(フリップ2:小売売上高、鉱工業生産)
「月次の景気指標を見ると、小売売上が20ヵ月連続、鉱工業生産は33ヵ月連続で前年割れという状況です。ただ金利の急低下に加え、レアル安が支えとなり、鉱工業生産には回復の兆しが見えつつつあります。実質GDP成長率についても、今年は市場予想でプラス0.5%と、3年ぶりのプラス回復が見込まれています。」
 
--ただ今週、大統領に就任するトランプ氏の経済・貿易政策によるリスクというのはありませんか。
 
「いいえ、ブラジル経済にはトランプリスクはほとんどないと考えます。なぜならばブラジルは保護貿易の国だからです。ブラジル政府はTPP(環太平洋経済連携協定)に対して、貿易自由化の流れに取り残されてしまうと強い危機感を持っていましたが、トランプ政権がTPPをご破算にしてくれれば願ったり叶ったりというわけです。またトランプ政権によるアメリカのインフラ整備計画は、鉄鉱石や鉄鋼、セメントなどの建設資材関連業界には特需となり、ブラジルの景気回復の追い風になると思われます。」
 
--さて横道さんがいらっしゃるサンパウロでは、新しい市長が市政の大改革に取り組んでいるということですけどほんとうですか。
 
「はい、サンパウロ市ではビジネスマン出身のドリア氏が今月1日に市長に就任したのですが、仕事始めの1月2日、遅刻した局長がいたことから、幹部職員の遅刻には15分ごとに200レアル(約7000円)の罰金を課すと発表したことが話題になっています。
サンパウロは道路渋滞がひどく、渋滞を言い訳にした遅刻が当たり前ですので、「遅刻に罰金だなんて!」とブラジル人には衝撃を持って受け止められています。ドリア市長はサンパウロ州知事のアルキミン氏と関係が近いことから、ドリア市長の改革が成功した場合、アルキミン知事が2018年10月の大統領選挙の有力候補に躍り出ると言われています。ドリア氏の改革の成否が2019年以降の国政の行方を左右するかもしれません。」
 

■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(調査:1月13日~15日、番組出演者32人対象)

(1) 今週末の日経平均終値予想
予想中央値(19200円)先週終値(19287円)
 
・ ソシエテジェネラル証券/杉原龍馬氏
(19600円予想)
「堅調な米国経済の再確認され、円安トレンドが支えになる」

・ 大和証券/石黒英之氏
(19000円予想)
「EU離脱に関する英メイ首相の演説や米大統領就任式を控えて、ポジション調整が続く」
 
 
(2) 今週末のドル円予想
予想中央値(115.00)先週終値(114.54)
 
経済産業研究所/中島厚志氏
(114.5円予想)
「トランプ氏の大当郎就任を控え、様子見の展開」
 
 
(3)米利上げ時期予想
3月(38%)5月(3%)6月(47%)7月(3%)9月(6%)18年以降(3%)
 
(4) 日銀政策変更、次期予想
日銀の今年の決定会合は今月下旬からだが、政策変更はいつあるのか。
3月(3%)4月(3%)7月(6%)10月(3%)12月(3%)18年以降(28%)なし(53%)
 
 
■【NY便り】 次期FRB議長候補 ハバード氏が占う金融政策の行方
今週、大統領に就任するトランプ氏は、これまで、FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長に対する批判を展開し、イエレン議長の再任はないとの観測が広がっています。後任の候補として名前が挙がっているのが、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授で、適切な政策金利の水準を導くとされる「テイラー・ルール」で知られた人物です。そしてもう一人の有力候補が、ブッシュ政権でCEA=大統領経済諮問委員会の委員長を務めたグレン・ハバード氏です。そのハバード氏に金融政策の行方について聞きました。
 
コロンビア大学経営大学院ビジネススクールには世界中からビジネスエリートが集まってくる。そこで学長を務めるハバードはトランプ次期大統領と太いパイプを持つことでも知られている。
 
《コロンビア大学経営大学院/グレン・ハバード学長》
 
《利上げ、米経済への影響は》

--今年のアメリカ経済の注目点は?

「成長期待を先取りし、株価は上昇してきたが、既に経済はかなり成長し、さらなる成長余地は限定的かもしれない。やはりトランプ氏がどのように政策実行するかが注目だ。減税についても議会は議会で考えていることがあり、トランプ氏と必ずしも一致していない。規制緩和も同じような状況で、ふたを開けてみないと分からない。」
 
--市場参加者の間ではFRBは今年3回利上げするとの見方が支配的、ハバード氏はその程度の利上げのペースであれば、アメリカ経済への悪影響は限定的だとみている。
 
「物価はFRB目標の2%にいずれ到達するだろう。経済が健全に機能し、それに呼応して利上げするなら、利上げが経済を引っ張ることはない。ただ利上げや財政出動もドル高要因なので、ドル高が続けば波乱要因になるでしょう。」

《ドル高に警戒感》

--ドル高がリスク要因だと強調するハバード氏。ドル高が続けば、金融政策のみならず、財政政策にも影響が及ぶと予想する。
 
「大統領選挙以降、ドル高はアメリカから世界へのプレゼントのようなもだった。今後、財政政策がどのようなものなのか、まだ分からないが、ドル高が続けば、財政政策や金融政策の運営に大きな影を落とすことになります。」

《FRB議長、後任の可能性は・・・》

--そして最後にはバード氏の起用も噂されるFRB議長の後任について聞いてみると、

「決めるのはまさにトランプ氏本人です。FRBにとって非常に重要な局面を迎えていますが、議長に適任な人材は多くいます。誰が議長になっても、FRBの役割を改めて考える時期だ。FRBの役割は拡大してきたが、役割を担い過ぎているとの疑問も残る。トランプ氏と議会は今後1年をかけ、FRBについて議論を深めていくだろう。」

--後任議長を巡る単刀直入な質問に対し、このように答えたハバード氏。否定しなかっただけに、もしかしたら思わせるインタビューとなりました。テーラー氏が利上げ推進派として知られることから、一時、市場の一部ではハバード氏のほうが利上げを嫌う政治家受けするのではないか、との見方がジワリ広がっています。
 

■特集 統計改革に民間の力を
政府の経済統計のスピードや精度については時代に即してないなどの課題がある中、政府は去年から3つの研究会を立ち上げ、改革にむけての議論を積み重ねてきました。今回の改革のカギは「ビッグデータの活用」。統計改革の研究会のメンバー東京大学大学院の渡辺努教授に、民間のビッグデータをどう有効活用すべきかを聞く。

(1) 《カギはビッグデータ、統計改革に民間の力を》

--政府の経済統計のスピードや制度について時代に即していないとの意見もありまして、去年から3つの研究会を立ち上げて、改革の議論を積み重ねてきました。渡辺先生はその3つとも参加されていて、統計改革の旗振り役でいらっしゃいますけれども、どのいう形でいま進んでいますか。

「3つの研究会で共通してやっていることというのは、ビッグデータをなんとか活用して、統計の精度、あるいは迅速性・スピードを高めていきたい、そういうことをやっているわけです。」
 
--ビッグデータの活用というのは具体的にはどういうふうに・・・
 
「いろんなタイプの・・・、例えばPOSデータとか、あるいはポイント過度のデータとか、いろんなものがあるわけですけれども、基本は民間企業が持っているわけですけれども、民間企業のデータを上手に利用して、精度・スピードの向上を図りましょう、ということなんです。」
 
--具体的に動き出しているものもあるんですか。
 
(フリップ1:ビッグデータ活用、具体的には)
「はい、いくつか例がありまして、1つは、①総務省がやっている家計調査というのがありますけれども、今までは1万人ぐらいの人達に対して、アンケートを毎月行うということで、消費の動向とかを調べていたわけですけれども、それを数百万人規模の家計簿のアプリが今ありますので、そういう企業と共同をして、そこからデータを仕入れるというようなことを今、計画が起きています。」
 
--データの規模が違いますね。
 
「そうですね。1万人対数百万人ですので、だいぶ違ってきますね。
②それから景気の判断というのも、統計の利用の仕方としては大事なわけなんですけれども、そこも今までのような伝統的な手法だけではなくて、例えばスーパーの特売みたいなものの頻度がPOSデータから分かりますので、景気が悪くなると増えていくというのが分かりますので、それも利用しながら景気判断をしていこうと・・・。

③ さらには電子マネーとかいろんなタイプの決済の手段が充実してきておりますので、そういうものを使って新しい消費の指標を作っていこうと・・・。様々な動きが起きておりまして、おそらく今年のうちにはこの中のいくつかは実際に日の目を見るという形になると思います。」
 
--ただ政府のデータと民間のデータとでは違いもありますよね。その課題というのは・・・?。
 
(フリップ2:統計改革、民間データ利用の課題)
「そうですね。一つはいま民間がデータを持っているわけですので、それを政府が入手しなければいけいない、そこが問題です。その場合に、それを買うのか、何かの法律を作って、タダでいただくのか、いろんな方法がありうるわけですけれども、そこの整理が今のところまだできていませんので、今後の大きな課題だろうというふうに思います。もちろん民間の企業も無コストで集めているわけではありませんので、その分というのを政府はどうやって見合うお金を払うのか、ということが課題になると思います。それから民間のデータというのはどうしてもある種のクセがあります。例えばポイントカードであれば、ポイントカードを使っている方々、使っていない方々とは当然違うタイプの人たちなんです。そうするとそこになるクセというのをどうやって除いていくのかというのが、これは統計的な手法を駆使するということで大きな課題になると思います。」

(2) 《人工衛星でGDPを算出?》
--そして課題がある一方で、民間のビッグデータを今後うまく活用した場合、経済統計を今後どう変貌を遂げるのか。壮大なプロジェクトが、実は渡辺先生の元で進んでいます。
 
(フリップ3:衛星写真)
--衛星写真から読み解く経済統計の最前線。いま東京大が初のベンチャー企業ナウキャストがこれを使って最新の経済統計を作ろうとしていることなんですが、これは具体的にどういうふうに何を見ればいいのですか。

「これは実はアメリカのノアという海洋大気庁という、日本で言う気象庁みたいな役所があるんですけど、そこが毎日毎日、全世界の夜の光を衛生から計っています。それをナウキャストが契約で入手しているという状況なんですけれども、この夜の光を使ってGDPを、例えば日本について、あるいは他の国について、推計しようということを考えています。夜の光ですので、例えば工場の稼働状況、商業地域の賑わいの様子、あるいは道路上の車の混雑状況とか、そういうものを全て反映しているわけですので、それをうまく情報として吸収して、そこからGDPを推計しましょう、ということをやろうとしています。」
 
(フリップ4:関東地方の衛星写真)
--光から経済統計を出すということですけれども、こちらに拡大してみていきましょう。これは関東地方の拡大の衛星画像(左の画像)ですね。
 
「左の絵(衛星画像)だけですと、私たちだと関東地方の絵だと分かりますが、機械はそれを認識しませんので、1個1個の光がどういう氏素性のものなのか、光の源泉を知る必要があります。その時に土地利用調査(中央の画像)が大事になりまして、例えば、ここはゴルフ場、ここは低層住宅、工場、道路です、といろんなことが中央の画像の調査で分かっていますので、どこからその光がきているのかということが分かりますから、例えば道路がたくさん明るくなっているのか、工場が明るくなっているのか、ということがこの2つの絵を合体させる(右の画像)ことによって、その光の意味を知ることができるわけです。それが結局はGDPを知ることにつながっていくというカラクリです。」
 
--政府のデータも活用するという意味では、政府と民間の合体という感じはしますけれども、実際に具体的に動き出しそうですか。
 
「今はまだ開発段階にあるわけですけれども、今年の夏ぐらいには最初のものを発表することができるのではないかというふうに考えております。」
 
--これは夜の衛星写真ですけれども、昼の映像というのは使えないのですか。
 
「昼の映像は実は日本が非常に強いところでして、いろんなベンチャーも含めて昼の映像を集めてくれていますので、そういうものを将来的には使えるようにしていきたいと思います。衛星画像のいいところというのは、これは今は関東だけ、あるいは日本だけですけれども、どこの国でも同じ手法が使えますので、中国でもあるいは北朝鮮のようなところでも、そこの経済活動を推し量ることができますので、そういう意味では非常にユニバーサルな手法として有効活用ができるんじゃないかと思っています。」
 
--これにはイメージする経済統計というのはあるんですか、ライバルのような・・・。
 
「よくわかりませんが、各国からGDPデータを出しているわけですが、日本に限らず、どこもいろんな問題を抱えていますし、あるいはスピーディでないということも言われているわけです。そういう中でマーキットという会社がPMIというものを出してきて、今いろんな人がそれを見ていますけれども、ある意味では主要国についてはPMIがGDPよりも大事なデータとして取り扱われて、投資とかにもそれが使われていると思うんですが、そういうようなデータに私たちのものもなっていけたらいいなというふうには思っております。」
 
--製造業と非製造業のデータを私たちもよくPMIを確認しますけれども、そういった中でやはり民間の人達も、持っているデータの価値を知るというのは大事ですね。
 
「そうですね。今までは統計というのは政府が作るものだ、民間はあまり関係ないんだ、というふうに思われていたわけですが、今回の統計改革でも、あるいは、このような様々な技術の発展・変化においても、やはり民間がすごく大事で、主役ですので、民間のデータを持っている方々、あるいは統計を使うユーザの方々、そういう方がこういう議論に積極的に関与していって、政府をさらに刺激していくということが必要だと思います。」
 
 
 
■日経朝特急
 
混合介護解禁、東京・豊島区で
介護保険と保険外サービスを組み合わせる混合介護が、2017年度中にも東京・豊島区で解禁される見通しになった。国家戦略特区制度を活用し、豊島区が月内にも事業計画をまとめ国に提案する。介護保険サービスは原則1割負担で利用できるが、保険外のサービスと同時、一体的には提供できない。混合介護は介護が必要な利用者本人だけでなく、その家族向けの調理や洗濯などを事業者が同時に提供できる仕組みで、実現すれば全国で初めてとなる。
 
 
ホンダ、500万台超え
ホンダの2017年度世界販売は、初めて500万台を超える。ホンダは4輪車の世界販売台数を515万台とする計画をまとめ、主要取引先に伝えた。去年秋発表の16年度見通しに比べ3%増える。世界2台市場の米国と中国で高水準の販売が続く見込みだ。
 

日銀方式ではプラス成長に
年末のGDPの基準改定を受け、日銀の独自方式で実質成長率を試算すると、消費増税を実施した2014年度は、プラス2.1%となった。GDPを所管する内閣府の公表値は-0.4%。試算は経済データ分析のナウキャストが手掛けた。日銀は去年夏の公表論文で、消費増税時もプラス成長だったのではと提起し議論を呼んだが、基準を改訂しても政府と日銀の数値が正反対の状況が変わっていないことが分かった。
 
--この差は大きすぎるんですけど、なぜこんな差が出るんでしょうか。
 
《東京大学大学院/渡辺努教授》
「GDPを作るときというのは、支出を積み上げて作る方法と、それから生産を積み上げていって作る方法、それから所得を積み上げていく方法という、2つの方法があるんですね。この3つは同じ方向に積み上げていきますので、一致するべきだということで、三面等価と言われることがある。
日本の場合は支出を積み上げるという方法を、政府が採っておりまして、他のものは事実上行われていなかったわけですね。それを今回、日銀が昨年、所得サイドから積み上げてみるということをやって、どのぐらい差があるかということを見たわけです。大事なことは、差があることは分かったわけですけれども、どうして差が生まれているのか、あるいはどっちが正しいのか、ということについてちゃんと検討するということが大事だと思います。」
 

■日刊モーサテジャーナル
 
米露関係雪解けかロシアから秋波(ワシントンポスト)
「米ロ関係をめぐり雪解けの兆しが見え始めた」との見出し。近づこうとしているのは、トランプ氏だけではなく、ロシア側も接近を試みている模様。ロシアはトランプ次期政権に対し、シリア和平をめぐる政治対話に参加するよう働きかけている。記事によると、シリア問題を巡っては、ロシア側はその交渉からオバマ政権を除外、今月開かれる政治対話にはフリン次期大統領補佐官を招待したという。次期政権を目前に控え、トランプ氏との関係構築を急ぐロシア。新政権の幹部が政治対話に参加し、シリア和平に向けた何らかの合意に達すれば、米ロ関係強化の試金石になる、と記事は伝えている。
 
 
フォルクスワーゲン「排ガス問題未解決」
ニューヨークタイムズは、排ガス不正問題に揺れに揺れたドイツのフォルクスワーゲン、民事制裁金や罰金など5千億円を支払い一件落着と思いきや、問題はまだ終わっていない、と報道。排ガス不正を巡っては、司法省はすでにフォルクスワーゲン幹部6人を起訴した。
しかしウォールストリートジャーナルは、責任追及されるべき幹部は残っている、と指摘。排ガス規制の対応について悩む部下たちに対し、違法なソフトウェアを開発するよう命じた”幹部B”。そして当局の捜査から逃れるため、Eメール全てを消去するよう扇動した”弁護士A”は起訴されていないとのこと。記事は、さらなる刑事訴追の可能性も大きく、フォルクスワーゲンの経営に与える影響は今後も続くと伝えている。
 

米超人気ミュージカル、チケット価格高騰に対策(フィナンシャルタイムズ)
ニューヨークで大人気のミュージカル「ハミルトン」、転売によりチケットが高騰していることでも知られているが、記事では、「価格高騰を防ぐためチケットのシステムの変更が検討されている」、と伝えている。「ハミルトン」のチケットはミュージカルファンなら誰でも欲しがるプラチナチケット。例えば、チケット転売サイトを見ると、15日のチケットは1枚600ドル(6万円超)。ほかの日も軒並み5万円以上と価格高騰が続いている。このミュージカルは今年はブロードウェイを飛び出し、ロンドン公演を行う予定ですが、ロンドン公演の主催者は新たなシステムを導入する見通し。公式サイトで購入されたチケットかどうかを確認するため、購入時に使われたクレジットカードが入場の際に必要になるとのこと。確かに価格高騰の抑制にはつながりそうですが、チケット購入の選択肢が狭まってしまう可能性もあり、熱烈なファンにとっては微妙なぬーすなのかもしれません。
 
--6万円は高いですよね。先生はどう思われますか。
 
《東京大学大学院教授/渡名努氏》
「需給に合わせて動くというのは良いことのはずなんです。価格の天井を作ってしまうと、結局、需要と供給がマッチしないので、本当は6万円でも、あるいはそれ以上でも本当に見たいという人が見れないという状況に生まれてしまいますので、それはどうかなと私は思います。」
 
--そしたらおおもとの値段を上げるというのはどうですか。
 
「それもいいかもしれませんね。」
 

■今週の予定
 
1月16日 日銀支店長会議(会議後、地域経済報告(さくらレポート)公表)
1月17日 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議~20日)、英メイ首相演説
1月18日 米地区連銀経済報告、決算(ゴールドマン・サックス、シティ)
1月19日 ECB理事会、米12月住宅着工件数
1月20日 日銀/中曽副総裁講演、米トランプ大統領就任式、中国10-12月期GDP
  
 
■今日の予定
 
日銀支店長会議
日銀地域経済報告
11月機械受注統計
12月企業物価指数
米休場(NY市場)
 
 
 
■ニュース
 
米次期大統領 露大統領との早期会談模索か
トランプ次期大統領がロシアのプーチン大統領との早期会談を模索しているとの観測が浮上です。イギリスの新聞、サンデー・タイムズは核兵器削減に向けた協議のため首脳会談を計画している、と伝えました。サンデー・タイムズによりますとトランプ氏は数週間以内にアイスランドの首都、レイキャビクで会談を行う計画だということで、ロシア側も首脳会談開催の要請を受け入れる見通しだということです。ただ、ロイター通信によりますと、複数のトランプ氏の側近がこれ否定、また、ロシア通信によりますと、ロシアのぺスコフ大統領補佐官も交渉は行っていないと述べました。トランプ氏はウォールストリート・ジャーナルとのインタビューの中で対ロシア制裁解除の可能性に触れるとともに、首脳会談にも意欲を示すなどロシアへの融和姿勢を強めています。
 
 
IEA事務局長 「原油相場 変動激しい1年に」
IEA=国際エネルギー機関の事務局長が15日、今年は原油相場の変動が激しい1年になるとの見方を示しました。ロイター通信によるとビロル事務局長は「OPECの減産合意は原油価格を押し上げる効果があるものの、アメリカや中国の生産次第で価格は大きく変動する」と予想しています。
 
 
中東情勢めぐりトランプ氏けん制
フランス政府は15日、パリで中東和平を巡る閣僚級の国際会議を開催しトランプ次期大統領のイスラエルを巡る発言などをけん制しました。トランプ氏は大統領就任後の外交政策の一つとして、エルサレムをイスラエルの首都と認め、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転することを主張しています。参加国はこうしたトランプ氏の主張は和平交渉を脱線させると批判し自重を求めています。
 
 
日インドネシア会談 南シナ海問題で連携
インドネシアを訪問中の安倍総理大臣は、ジョコ大統領と首脳会談を行い、中国が海洋進出を続ける南シナ海問題について、連携して対応していくことを確認しました。安倍総理は会見で「南シナ海の問題は法の支配・紛争の平和的解決の重要性を改めて確認するとともに、本年のASEAN関連会合等でも連携することを確認した」と述べ、対中国問題で、インドネシアと連携することを確認しました。ただ、会談後の会見で、ジョコ大統領は「お互いに恩恵があるからこそ、さまざまな分野で協力する」と述べて、日本からの経済支援を要求。これに対し安倍総理は、10時間ほどかかるジャカルタ・スラバヤ間の鉄道の高速化や、インドネシア最大の港の整備を日本が支援することを表明しました。東南アジアのリーダー的存在のインドネシア。安倍総理としては、この連携強化を足がかりに、中国包囲網で連携できるアジアの国々をさらに増やしたい考えです。
 
 
共産党大会に野党3幹部
きのう始まった共産党の党大会に、野党3党の幹部が来賓として出席し、野党共闘をアピールしました。共産党大会に他の党の幹部が参加するのは初めてで、志位委員長は「歴史的意義を持つ大会になった」と強調しました。あいさつに立った民進党の安住代表代行は次の衆議院選挙での「候補者の一本化」に前向きな姿勢を示すなど、各党とも選挙協力への決意を表明しました。
 
 

■【コメンテーター】東京大学大学院/渡辺努教授
 
・ 物価の行方・今後のカギは
 
--今週いよいよトランプ大統領誕生ということになりますが、物価の専門家である渡辺さんは日本への影響はどう考えますか。
 
「1つは、一番大きなところでは、為替の動きがすでに起きていますけれども、円安が始まっているので、その影響というのは日本の物価にも出てきているか、あるいは近い将来もっと激しく出てくるだろうと思います。
日経CPINow(日次で見た物価指数)とドル円の動きを見てみると、アベノミクスが始まって以降、円が安くなると、2~3ヵ月あとぐらいから物価が上がり始めるという傾向がはっきりと見えています。それで一番足下のところでは、トランプの影響で円安が進みましたので、(物価が)若干は少しプラスの方向に振れ始めておりますし、おそらくあと2ヵ月ぐらい経ちますと、はっきりと上昇し始めるという傾向が出てくるんだと思います。」
 
--過去の例を見ますと、やはり為替整理が続いて、初めて物価が追い付いてくるという感じがしますから、半年ぐらい(円安)水準が続かないと、物価も上がらないということなんですね。
 
「そうですね。どんどん円安になる必要はないですけれども、維持するということは非常に大事だともいます。」
 
--はい、大事なことは物価が上がるだけではなくて、賃金も上昇しないとだめだということですね。
 
「はい、円安だけですと、やはり生活者の方々からの生活が苦しいという批判が出てしまいますので、賃金も一緒に上げることによって、物価と円安と賃金の上昇というのが相まって進むというのが大事だと思います。」
 
 
・ 今日の経済視点 「FTPL」
 
「ちゅっと聞きなれない言葉で申し訳ないんですけれども、『FTPL』と言いまして『 Fisical , Theory , Price , Level 』の略ですけど、日本語で言うと、『物価水準の財政理論』と言います。何が言いたいかというと、物価は普通はマネーの要因で決まるというふうに考えられているわけですけれども、そうではなくて財政の要因で決まる部分もそこそこあるんだという理論でありまして、これがデフレ脱却に役立つのではないかと最近アカデミックの中では言われるようになってきています。」
 
--これは実はエール大学の浜田教授が前回番組にご出演いただいたときに、提言されたんですよね。やはり今そういう形になってきているんですか。
 
「本当にこれに基づく政策があるべきかどうかはまだこれからの議論だと思うんですけれども、新しい視点として、金融政策ではできない部分というのを、もしかしたらこういうものが補ってくれのではないか、ということで注目を集めて検討が進んでいるということです。」
 
--ということは日本も、もっと出せということになるんですか。
 
「財政については、もっと出せというよりも、もう少し財政の規律を弱めていくことによって物価を上げていこうという発想ですので、規律を弱めるというのは危険なところもあるわけですけれども・・・」



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