箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

恍惚の森 !?

2020-08-26 | *編集・冬/1月

恍惚の森 !?

 今日のスタートは箕面・白島(はくのしま)から北へ上がります。

 やがて東側に大きな薩摩池にでました。

静かな池面から急にカイツブリが一羽ひっよこりと首を出して

きました。

そして再び池に潜ったので、私も合わせて息を止めてみたものの、

とてもかなわず早々に息をしましたが・・・

捕食に忙しいのか、それから何分もの間池を見つめていたものの

現われず、諦めて歩き出した頃に先のほうでまたひょっこりと顔を

出しました。

何と長い潜水時間なのでしょうか?

 

すぐ上の五藤池にでると、中学生らしき二人が釣りをして

いました。

  ・  何が釣れるの?

      *  さあ~ 分かりません!

何とも頼りない返事。

見ればエサも持たず毛ばりの様子・・・

釣りよりも二人して遊んでいる感じに、この寒風の吹く池の辺で

元気な事だと眺めていました。

 

双眼鏡で池面をくまなく探したものの、水鳥は一羽も見当りません

でした。

今日はどこかへ遊びに出かけて行ったのかな?

 

向かいの池岸に花が咲いている・・・

よく見ると枯れ木の間にモチツツジのピンクの花が3輪咲いて

います。 早いな~

その時、双眼鏡を横切るように鮮やかなコバルト色の背中、

オレンジ色の腹色のカワセミが飛んでいきました。

相変わらず見事な彩色です。

 

振る返ると西側の新薩摩池には3羽の水鳥がいます・・・

よく見るとキンクロハジロのようです。

今年もシベリアから飛来してきて越冬しているのですね。

 

 

水神・白姫大明神の鳥居をくぐって巡礼道を北へ登ります。

山道にはシカのフンぐらいの大きさの真っ赤な実が沢山落ちて

います。

見上げるとシロダモの木のようですが、ソヨゴの大木もあり

サクランボのように沢山の赤い実をつけています。

 

耳を澄ますと沢山の野鳥がさえずっています。

ヤマガラ、メジロ、シジュウガラ、エナガ、ヒヨドリ、ウソ・・・

それにコツコツコツとドラミングするアオゲラ、

地鳴きするウグイスなどいっぱいです。

 

冬樹の群生している寒林の中を進みます。

木立が葉をふるい落として裸となった、その寒々しい冬の森の

中で、ザク ザクザクという自分の踏みしめる枯葉の音だけが

響きます。

 

見上げると夏の生い茂った森では見られない枯れ枝の間から

青空が見え、それがまた寒林の趣のようにも感じます。

V字となった狭い谷間に積もった枯葉の上を歩くと、身も心も

フワフワするような気持ちのいい感触です。

 

私はいつものようにゆっくりと浸り歩きを楽しみながら登って

行きます。

やがて谷山尾根道にで、木漏れ陽が山道を照らしてくれます。

太陽はどこにいても明るく暖かく輝いてくれていて、

凛とした冷たい森の中では余計にありがたく感じます。

帽子をとり、顔をあげて、差し込む太陽を体一杯に浴びるときの

心地良さはもうたまりません!

 

太陽の年齢は45億歳と聞きましたが、想像もつかない年齢だし、

第一どのようにして誕生したのか? 宇宙は? 自然は?

考えればなんとも神秘的なことばかりです。

 

その時、はるか上空を一本の白いものが通過していくのが

見えました・・・人工衛星だ!

時々見ることがあるものの、このタイミングはグッドです!

 

山裾の日溜りで一休みにしました。

太陽をいっぱいに吸い込んだ朽ちた枯れ葉の匂いが鼻腔を

心地よく刺激します。

 

足元の山土を片手でつかんで見る・・・

この3分の1、スプーンいっぱいの山土には50億ものバクテリアが

いると聞きました。

それに20万の藻・菌類、100万の原生動物、2000万の放線菌

がいて、その生き物たちはこの枯葉を食べて森の肥料を作る

役目を果たしているのだとか・・・

益々自然界の不思議さ、神秘さに畏敬の念を抱きます。

 

宇宙から帰還した飛行士の中から、神に仕える牧師に転進した

人が何人もいるそうですが、もうこうなると人智を超えた

神の存在を信じざるを得なくなるのでしょうか?

 

そんな事をボンヤリと考えながらポットから温かい珈琲をそそぎ

飲んでいると、ジワジワと何ともいえない至福感に抱かれます。

でもこの足元の微細物の世界以上に、私は人間として

このバクテリア以上のことをこの社会でしてきたのだろうか?

人間界で一つでも肥料の役目を果たしてきたのかな?

 

 

   ハ ハ ハックション!  寒い!

 

すると キー キー キー 

上方から下ってきたマウンテンバイクが急ブレーキをかけて

私の手前で止りました。

 

   *  すいません!  こんにちわ! 

      お~い!  ハイカーさんです! 気をつけて!

 

5台ほどの自転車が通過して行き、現実に戻りました。

M/Bの皆さんは礼儀正しい青年たちで気持ちよかったものの、

私のクシャミが無かったら・・・

山裾に座っていたのでぶつからなかったものの、お互いに

もっとドッキリ・ビックリしたことでしょうね。

 森の中で恍惚の世界に浸るのは考えものです。

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