箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森のクリーンハイカー !

2020-08-26 | *編集・冬/1月

森のクリーンハイカー ! 

 今日のスタートは箕面・帝釈寺(たいしゃくじ)からです。

ここは、聖徳太子の夢の中で現れた神々の御神告によって宝塔が建立され

たとか・・・

玉砂利を踏みしめながら参拝を済ませた後は、外院(げいん)の里山

ゆっくりと歩きます。

昔、勝尾寺山門までの道標だった町石が一丁(約100m)ごとに立っていて・・・

ここは二十七町石です。

 

小雪がちらついてきました・・・ 土手にはまだ春は感じられません。

でもよく見ると・・・  

ヨモギ、セリ、ナズナ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ハハコグサ・・・  

それに、この寒いのにタンポポが一輪咲いています・・・ 

スイセンも沢山の蕾をつけていましたよ。

 

レンタルファーム( 「貸し農園」から最近この名称に看板が変っています・・・)

の週末ファーマーの方でしょうか?   

立派な太い浪速ネギ? を収穫して一つ一つ丁寧に束ねておられます。

その前方では畑に畝を作っておられる方も・・・これからどんな種を蒔かれる

のでしょうか?

 

里道沿いの小さな池のほとりにある柿ノ木からひときは賑やかなさえずりの

声・・・

見ると数十羽のスズメの仲間たちが各々チュンチュンチュン・・・と、

おしゃべりを楽しみながら残り柿の実をついばんでいました。

なんだか見ているだけで美味しそうで・・・  

それににぎやかで楽しそうなので私もつい嬉しくなってきました。

 

害獣(主にイノシシ)防止柵を開いて森の中に入ります。

この柵が出来てから、ここを通る度にケモノ達のいる森に入るんだ・・・と

印象づけられます。

 

谷間の山道から両側を見上げると、その縁に根を張る多くの樹木から

剥き出しになった根が、歩いている谷間の方へ下りていて、しっかりと再び

根を下ろし水分、養分を賄っている姿がよく分かります。

幹下の根に土がなく、強風でも吹けば倒れそうな大木でも、よく見ると長く

伸びた根が、谷間まで下りてしっかりと根を張っている・・・

君はすごいね! と声をかけて見あげると、枝が風になびいて応えている

ようです。

 

森に太陽が差し込んで来るたびに、照葉樹林の葉がキラキラと輝き、一気に

明るくなるのです。

歩いている山道に木漏れ日が届くと、時々きれいな万華鏡のような模様柄に

見とれる時があります・・・ まさに自然は最高の芸術ですね。

 

コンコンコン・・・ 森の大工さんが仕事を始めたようです。

見上げると目の前の枯れ松の幹の樹皮をコンコンとくちばしで剥ぎながら

中の虫を探しているコゲラがいました。

クヌギの小枝にはシジュウガラが飛び回っているのが見えます。

 

岩場を曲がった所で出会い頭に一人の女性とぶつかりそうになりました。

・  あっ!  すいません!

     *  いいえ!  今日は気持ちがよろしいですわね・・・

爽やかで にこやかな笑顔とともにすれ違いました。

見ると女性の手には金ゴテとゴミ袋がさりげなく握られていました。

いつもあのスタイルで山や森を歩かれておられるのでしょうか・・・?

 

この旧参道の山道には丸太を組み合わせた簡単な手作りベンチが数箇所

あります。

私はここで一休みをしながら東に見える粟生間谷、冬枯れの里山、彩都へ続く

モノレールなど見ていたり・・・  登るにつれて東方に茨木、高槻の街、

生駒山、金剛山・・・ と景観が広くなります。

そんな眺めを楽しみながら、冷たい両手を温かいコーヒーカップで包みながら

飲むコーヒータイムが私の冬の楽しみの一つです。

 

今日は座っている後方からいつになくいろんな小鳥達が賑やかに遊んで

います。

この時期、木の繁った夏と違い落葉した後の小枝にとまっている小鳥の

姿は、私の目でもよく見えますよ・・・

カケス、ヤマガラ、メジロ、アトリ、シジューガラ、アオバトも・・・ と言っても

未だにいいかげんなもので鳥と名前が一致しません (笑)

 

     *  こんちわ! 

急に声をかけられてビックリです。

私は別世界に浸っている時に急に人様からの声を聞くといつもどきん!です。

・  あっ!  こんにちわ・・・

私よりはるか先輩らしき方が隣の丸太に腰掛けておもむろに上着を脱ぎ

はじめました。

 

     *   坂道登って来たら・・・暑いでんな!  ワシも年だすさかい、

いっぱい厚着してきたらかいてかないまへんわ!

( 私もここで休憩する前に厚手の防寒帽子をとって頭の汗をぬぐいました・・・

しかし、それも5分ともたず逆にすぐにかぶり直さねば冷凍庫に頭を突っ込ん

でいるようでしたから・・・ 特に頭は敏感なものですから・・・ (笑))

 

案の定、しばらくすると隣から大きな くしゃみ一発! ハックション・・・  

      *  やっぱり脱いだら寒いでんな・・・これやったら余計に風邪

          ひきそうやわ・・・   かなわんな・・・ 

と、ブツブツ。

( 私も先週、山を駆け下りて汗だくで後が大変だったので気持ちはよくわかり

ます)

 

しばらくして落ち着かれたのか・・・  

     *  この山の道はよろしいな・・・ 気持ちよろしわ! きれいやしな!  

        毎日、ゴミ拾いしながら歩いている人も多いさかいな・・・

(先ほどの女性の方もそうだ・・・)

 

ゴミの話から森の話まで10分位していたら・・・

おじさんまた・・・大きな声でハックション! 

     *  こりゃ風邪引きそうやから歩きまっさ・・・ 

と、立ち去られました。

・  お大事に・・・

 

 

ゴミと言えば思い出したことがあります・・・

以前、この場所で小学生位のお子さん二人を連れた家族4人が座って

お昼を食べていました。

家族でハイキングなんて・・・ いまどき最高の贅沢ではありませんか・・・?

ところが食べ終わった時、子供が これは、これは・・・ と言いながら

お父さんに聞き、前方の谷間へ何かを捨て始めました。

 

よく見ると、ミカンやバナナの皮、卵の殻、梅干の種、食べ残しモノ・・・

などです。

お父さんは・・・

これはいずれ自然に返るからいいが、ビニールやプラスチック、飲料缶は

ダメ・・・ と言い聞かせているようです。

しかし、一人の子供が 「菓子箱はいいやんか・・・ 紙やし、もともと木から

作ったんやろ・・・」 と、  お父さんうなっていましたが・・・

 

「 とんでもありません! 全てのゴミは持ち帰ってください!」

( 私は心の中でさけびましたが・・・)

 

更に、大滝からの帰り道です。

山道沿いにおばあさんが孫が駅まで持ち帰ろう・・・ と言っていたゴミ袋

後ろから取って、近くの岩場の後ろに隠すように捨て・・・

ここならエエんとちゃう?  とへ言っているではありませんか・・・ 

その後ろを歩いていた私はア然とした事があります。

 

公報でも看板でもあちこちで 「ゴミは全て持ち帰ってください・・・」 と訴え

ているにもかかわらず・・・

大人の間違った考え方を直さねば、子供へと連鎖していきますね。

大人のマナーや考え方一つで子供たちは学んでいくのですが・・・

 

なんだかこのまま書き出すと年寄りの何とかで・・・ボヤキ漫談になりそう

ですから、今日はこの辺でやめておきます。 (笑) 

 

それにしても森をきれいにしながら散策を楽しまれているクリーンハイカー

方々には頭が下がります。

今日はクリーンハイカーの方々を知り、日頃 自分の癒しと満足 の為に

だけ森を楽しんでいる私自身が、とても恥かしく思う一日となりました・・・

 

 

「 スズメらの 社交場や 残り柿 」

「 寒風に 坂道のぼり 湯気上がる 」   

「 ええやんか ゴミ捨てる人 ゴミごころ 」

「 山歩き ゴミひろう人 幸(さち)ひろう 」          (花詩)

'13  1/11

 

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