アトリエから・・イメージの世界で鉄と遊ぶ/上野玄起鉄の造形スタジオ

八ヶ岳南麓、森の中、川のほとり、陽だまりの中にある小さなアトリエ。八ヶ岳の暮らしとそこから生まれた作品たちを紹介します。

アイアン看板(談話室ギャラタン)

2011年05月30日 | 看板、表札、ポスト
個展でお世話になった談話室ギャラタンさんの看板です。

こちらのギャラリーには昔ヨーロッパで紙の代わりに使われていたうすい革にgallattanと書かれたようなロゴが既にあり、そのイメージを鉄板で立体的に再現して文字を切り抜きました。

取り付けの時には強い雨が降っていたので伸縮式のテントを伸ばしての撮影です。

屋外の看板の場合は塗料で仕上げる事がほとんどですが今回は蜜蝋ワックスを焼き付けて仕上げました。

オーナーさんは錆びた鉄もお好きなので多少の錆による変化があった方がこのギャラリーにはあったいると思ったのでこの仕上げを選びました。

錆がひどいときは食用油などを布にしみ込ませ錆びた鉄部にすり込んでもらうと落ち着いた感じになります。
意外と簡単で鉄の味が生かされるメンテナンス方法です。
ただしいつも雨ざらしの看板にはおすすめしていません。

柱から40センチほどの小さな看板ですがしっかり存在感がありました。

談話室ギャラタン(ギャラリー&喫茶)
愛知郡東郷町白鳥2-15-21
0561-38-4131
10:00~17:00
定休日(日、月、火)
名鉄日進駅近くです。
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半納半芸術 田んぼの苗床と畑の畝 

2011年05月26日 | 農とアート

4月中旬につくった苗床では籾から発芽した稲の苗がいっぱいでした。
針の様に元気にツンツンと地面から突き出た苗は優しい緑色をしています。
いつもワクワク幸せな気持ちになります。

地面が白っぽく見えるのは今日まいた米ぬかです。
自然農の田んぼではまだ今の時期は水を入れずに苗を育てるので
トラクターのような大きな機械がなくても田んぼができるのです。


そして畑では畝づくり。
去年まで11年間使っていた畑を地主さんに返したため
新しい畑で畝づくりを始めました。
自然農では一度つくった畝は耕す事なく補修をしながらずっと使い続けるので、
僕にはこの畝がステージの様に見えます。
このステージで繰り広げられる生き物と作物の共演がとても楽しみです。
今年、この畝には大豆や小豆を植える予定です。


食べる物をつくる。
これは生きていくという事につながる。

芸術ではお腹を満たすことは出来ない。
芸術がなくても人は生きていける。
なのにどんな時代も芸術はなくなりはしなかった。
人は芸術を生きていく友に選んだのです。

今の日本では多くの人は生きていくために種を蒔く必要がなくなった。

田で米を作り畑で穀物、野菜を作ることは私の生活を豊かにしてくれる。

ただお腹を満たすための農ではなく
今の時代の農は芸術と同じように精神の世界を豊かにしてくれる存在なのかもしれない。

農とアート、表裏一体。
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ミニハウスオブジェ

2011年05月10日 | オブジェ
毎年秋に開催する八ケ岳オープンアトリエ。
そのポスターやパンフレットに使用するために参加作家が小さな家のオブジェを制作します。
昨年つくったこの家のオブジェが好評で制作の依頼をたくさん頂きましたが
なかなかつくる時間がなくてそのままになってしまっています。(すみません)

そうこうしているうちに今年もポスター撮影用のミニハウスオブジェの提出期限になってしまいました。
この家、小さいけれどこれが以外と制作に時間がかかります。窓は特に・・。
材料には先に錆びさせた鉄板を使います。
後から錆びさせるより風合いが出ていい感じだからです。
これは小さいオブジェだからこその工夫です。

せっかくできたけれどこれはオープンアトリエの広報用に秋まで手元には戻りません。
ご注文頂いている方はもうしばらくお待ち下さい。


ちなみに今年のオープンアトリエは
9月17、18、19日の3日間です。
この日には写真の作品も展示します。

素材:錆びた鉄板
サイズ:高さ30~40ミリ
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鉄板切り抜き文字看板 制作

2011年05月06日 | 記事
鉄板の切り抜き看板の制作過程を紹介してみたいと思います。
以前紹介したBARの看板制作の時の記録写真を使います。

まず、鉄板に文字をレイアウトして下書きをします。
字体を丁寧に写し取るのですがこの作業の時に文字のバランスや特徴を覚えます。
実際に切り抜く時にはスピードが早く、しかも強烈な光で下書きがはっきりと見えないので
覚えておくと迷わないからです。
穴あけの場所を考えてポンチを打っておきます。


穴あけをします。この穴の位置から切り抜きを始めます。今回は文字が細いので3ミリのドリルを使用。


穴をあけた状態です。ここからいよいよ切り抜きの加工に入ります。


切り抜きに使用するのはプラズマカッターです。
電気で熱して鉄を溶かし圧縮酸素で吹き飛ばすって感じです。
息を止めて集中して切らなければなりません。


文字全体を切り抜いたところです。
部分的に熱が加わり鉄板が歪んでしまうので、
それを防止するためにアングルで台に固定しています。


裏面にはバリが出ていますがこれをきれいに取り除きます。
このバリが少ない方がいいのですが小さな文字は切るのにゆっくり時間がかかるのでこの様にバリが多く出てしまいます。


A型看板だったので同じ切り抜きを2枚つくりました。
文字の細かい部分はヤスリなどで修正をして全体を仕上げていきます。


溶接で組み立てて塗装をして完成です。

おおまかな流れはこんな感じです。
もちろん修正方法など細かいテクニックは他にもいっぱいあります。
この切り抜き看板は文字を切り抜いた部分の空間が空いているので背景が見えるおもしろさがあります。
歩きながら見ていると文字部分に変化ができて以外と目立ちます。
写真を見ても分かる様に文字が鉄板より暗く見えたり、明るく見えたり状況によって変化しています。
是非参考にしてみて下さい。
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半農半芸術 春の畑

2011年05月02日 | 農とアート
私たちの住む八ケ岳南麓の標高1000メートルあたりはちょうど桜が咲いています。
前回は田んぼからでしたが、今回は畑からです。
まずは、冬越しをしたニンニクの写真をどうぞ。

自然農では畑を耕さないのでぺんぺん草やつくしとすぎなや踊り子草など
いろんな草花が一緒に育っています。
遠くにはまだ雪をかぶった南アルプスが見えます。

この畑は自然農13年目の畑です。
小さな棚田でもともとは田んぼだったのですが面積が小さいこと
棚田の土手草は管理が大変なこと
地主さんが高齢なこと
で休耕田になっていたのです。
地元の人の紹介で畑として使う様になったのが1999年です。
それ以来肥料もあげずに土の力だけで作物を育てています。
いろいろな植物や生き物が自然に土を豊かにしてくれるので
ニンニクもご覧の通り立派に成長中です。

土をむき出しにしない様に。
できるだけもとの状態に近づける様に。
ジャガイモの種芋を植えた後の畑です。
どこに植えたか分かりますか?

遠くには八ケ岳が見えます。

作品づくりも大好きですが畑も気持ちよくてリフレッシュできます。
小さな作品を畑に持って来て写真を撮りました。

鉄と石の作品シリーズです。
足下には朽ちていく命と芽吹いた命の移り変わりが見えます。
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