余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

ティエンポによるアンコール

2009年12月10日 | 大阪センチュリー交響楽団


センチュリーさんの第124回定期演奏会からティエンポによるアンコールで、ピエール・サンカンのオルゴール。
この直前にリストのピアノ協奏曲で弦が切れたのだった。youtubeには切れた瞬間もうpされてたり。

Rarities of Piano Music at Schloss vor Husum from the 2005 Festival

Danacord

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大阪センチュリー交響楽団 創立20周年記念 特別演奏会Ⅰ

2009年12月09日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.12.9(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 創立20周年記念 特別演奏会Ⅰ
指揮/小泉和裕
ソプラノ/飯田みち代
メゾソプラノ/林 美智子
テノール/望月哲也
バリトン/成田博之
合唱/大阪センチュリー合唱団
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調op.125「合唱付き」

ということでセンチュリーさんの創立20周年記念演奏会シリーズです。
せっかくの演奏会だが客入りは7割ほど。師走の平日水曜日に年末っぽく第9だとはいえ、20周年なんだからもう少し参集しても良いではないか。あれか、同じく創立20周年記念でやるジャンヌと日時入れ替えてやったほうがセンチュリーさんらしい気骨が出たかもってことか。
でもあれなのよ、全国プロオケの自主公演での第9ではこの公演が皮切りなのよ。
http://www.orchestra.or.jp/ohmyorchestra/73/73_1.html
ことしの《第九》は12月9日の大阪センチュリー交響楽団に始まり、 千秋楽は暮れも押しつまった29日に東京交響楽団と大阪フィルハーモニー交響楽団。

冒頭、小泉さんよりご挨拶。
12月9日、20年前のこの日、大阪センチュリー交響楽団は産声を上げました。20年前の今日12月9日に、最初の練習、最初の音が出たのであります。爾来、幾多の試練を乗り越えつつも、クラシック音楽を愛してくださる皆様に、センチュリーを愛してくださる皆様に、夢をお届けせんと頑張って参りました。補助金の減額で大変苦境に立っておりますし、先般ご承知の通り、事業仕分けで全国のオーケストラも苦しんでおります。本来でしたら、この時期、ヨーロッパへ演奏旅行をしまして、センチュリー響20年の成果を見せて、かの地で評価を得て参りたいと計画をしておりましたが断念を致しました。また、楽団の規模を拡大してさらにレパートリーを増やしまして、様々な音楽を皆様にご披露したいという希望も今は頓挫しております。しかし夢を諦めてはおりません。本日お聴き頂きますのはベートーヴェンの第9番の交響曲でありますが、このベートーヴェンほど様々な苦難を乗り越えた人物はいないのではないでしょうか。失恋、音楽家としては致命的な難聴、自殺を考えるほどの苦しみ・・・肉体的、精神的な苦難を越えて、素晴らしい音楽を残してくれています。苦難から希望へと向かう音楽であります。今宵は音楽を通じまして、センチュリー響を愛していただいている皆様と共に、未来へと向かいたいと思います。本日はご来場ありがとうございました。
みたいな感じだったと思う。後半うろ覚え。

コンミスは先日のセンチュリー定期ではソリストとして登場していた四方恭子さん。
合唱はザ・カレッジ・オペラハウス合唱団さんからの加勢あり。
イメージ的には茫洋とした開始に感じる冒頭、ここを鮮明に克明に打ち出してゆく。ともすれば汚くなりそうなこのやり方でも節度が保たれるのがセンチュリーさんの、ひいては日本のオーケストラの色ですわな。第1楽章後半辺りでオケも客席も纏まるというか落ち着きどころが見つかる。第2楽章。前景と後景がティンパニの一閃でたちまち入れ替わる。天才の書いた素晴らしい楽章。第3楽章、カラヤンに私淑する小泉さんですからレガートで歌いまくるかと思ってたんですが、意外に落ち着いて語るタイプなんですね。渋いね。二期会から迎えた4人、しっかり歌える合唱団を交えて火花散る終楽章。先のイタリアのハロルドにも似た白熱する終曲で、未来へと行進する楽団が目に浮かんだ。久々に第9で涙した。

光あれ。



帰宅したら机に真野恵里菜5thシングル『Love&Peace=パラダイス』発売記念イベント「マノソナタ~プレミアムライブ It's a クリスマスパラダイス!~」当選ハガキ来てた。
150名の2回回しだから、前回(イシハラホール200名1回)よりは増えたとはいえよく当たったな。
浮かれてはいかんが、前回のことを思い返して血圧が上がる。



そうだ、来年1月17日のセンチュリーさんの京都公演、ハロプロのシャッフルユニットコンサートと被った。センチュリーさんがおぢさん一人のために開演時間を1時間早めてくれるわけもなく(せめて30分早ければ大阪厚生年金とハシゴ出来るのだが)・・・。どうしたものか。

オーケストラのための『蘇莫者』

2009年12月06日 | 大阪センチュリー交響楽団
西村 朗:オーストラのための<蘇莫者>

伝統舞楽「蘇莫者」が魅惑的に神秘的に鳴り響く

西村朗にとって謎めいて神秘的な伝承芸術であり、西村を魅了し続けているという舞楽・雅楽を主題とした作品が完成しました。伝統舞楽曲「蘇莫者(そまくしゃ)」とは、大阪の四天王寺楽人が作舞・作曲したと伝えられ、物語は聖徳太子にまつわる伝説にもとづいていると言われています。オーケストラのための『蘇莫者』は、舞楽曲「蘇莫者」からインスパイアされ作曲された作品です。「蘇莫者」の神秘的な物語が西村の手によりどのように展開するか。西村朗のあらたな世界が広がります。(カメラータ)

【収録情報】
・西村朗:オーケストラのための『蘇莫者』
 I. 前奏曲
 II. 乱声
 III. 音取
 IV. 序
 V. 破
 VI 後奏曲
 大阪センチュリー交響楽団
 沼尻竜典(指揮)
 録音:2009年8月

17日のセンチュリーさん定期で公開世界初演となる作品。
フランクの交響曲とこれの2曲だけのプログラムということは結構大きな作品なんでしょうか。

西村 朗:オーストラのための<蘇莫者>
大阪センチュリー交響楽団,沼尻竜典(cond)
(株)カメラータ・トウキョウ

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大阪センチュリー交響楽団 第146回定期演奏会

2009年11月12日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.11.12(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第146回定期演奏会
指揮/シュテファン・ザンデルリンク
ヴァイオリン/四方恭子
コンマス/太田雅音
曲目:
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調BWV1005から第3楽章ラルゴ
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調op.92

12.November.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 146th SubscriptionConcert
Conductor/Stefan Sanderling
Violin/Shikata Kyoko
Concertmaster/Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
L.V.Beethoven/Concerto for Violin and Orchestra in D major op.61
L.V.Beethoven/Symphony No.7 in A major op.92

15日は関西文化の日らしいですぜ。
今日の満員の入り具合はそういうことではなく、いわゆる「のだめ」流れの為せる業。おぢさんは西原恵理子か手塚治虫ぐらいしか今はマンガ読まないし、TVドラマのほうも見ないから分からないままなんだけど。
正直言っちゃうと若干チャカついてる客席の居心地悪し。いや、そう思ってはいけないね。こういう人たちのほうがある意味熱心なサポートが出てくる可能性が高いわけだから。
今日の指揮者、シュテファンは引退しちゃった大指揮者クルト・ザンデルリンクの次男。長男のトーマスはシンフォニカーさんの音楽監督だった。三男もチェロ奏者、母親はコントラバスの名手のはずで、強烈な音楽一家ですな。シュテファンはアメリカでポストを持って好調らしい。彼に率いられてのベートーヴェンプログラム。
コンマスは太田君単独です。冒頭出てきたシュテファンが握手を求めてたのに気づかず棒立ちだったりでちょっとドキドキしますね。

ヴァイオリン協奏曲。
一言で言えばintimな演奏とはこういう演奏を指すんだと。
弾いていないときのソリストがオケの頑張りを背中で受け止めながらそっと微笑んでいるのが最高に可憐だった。アンコールのバッハも路傍の白い花のよう。
あれだな、ソリスト過ぎるソリストがゴリゴリ弾いてなんとかなる曲じゃないよな。互いに寄り添って生きてます、みたいな感じで生きる曲だ。それだけに来年の関フィルさんがデュメイの弾き振りをメインにした定期が楽しみ。

休憩挟んで7番。
この曲は初演以来、様々な方々に色々と言われているわけですが、賞賛する側も批判する側も共通してるのは「これは狂ってる」ということなんすね。第4楽章は言うに及ばず、第1楽章主部のホルンとかも異常でしょ。第2楽章もどこか淫らな死の香りがする。
そういう一つ一つの楽章の性格を明らかにしてゆこうと、その中で全体を貫くドラマのようなものが浮き彫りになるだろうと、かなり振幅の激しい表現を取ってきました。第1楽章や第3楽章は小泉さんでもここまでやるかなってぐらいに、拍動全てに変化と重みを載せて、第2楽章は普段のセンチュリーさんにはないレベルで旋律に溺れ。終楽章はオケの限界速度までアクセルを踏んだまま、ほぼそのまま最後まで突っ込んだ。
第1楽章では見えないタクトを力強く振り続ける人々がそこかしこに生まれ、第2楽章では「ここはカラオケボックスか」というぐらいゴキゲンで歌うおばさんが現れた(さすがに隣のおっさんが注意してたが)。第3楽章では4番ホルン(のちっこいおっさん)がオレの傍に。あんたまさかホルンパート全部歌うつもりか。第4楽章ではバーン・ザ・フロアにタップグループでデビュー出来そうな足踏み集団。おぢさんも第4楽章でガンガンにヘドバンしてたので他人のことをとやかく言う資格無し。
ブラボーの凄まじさといい、この曲は狂気の沙汰やで。

ウェークアップ!ぷらすを見たんだが

2009年10月25日 | 大阪センチュリー交響楽団
ウェークアップ!ぷらす
http://www.ytv.co.jp/wakeup/index_main.html
財政難に負けるな!オーケストラ只今奮戦中
http://www.ytv.co.jp/wakeup/special-report/sr_set.html?date=20091024&number=2

こんなもんノリチカのプロモーションビデオやないか(笑)
大体競合オケが県内にゼロ、地方単位でも仙台フィルぐらいしかないオケを取り上げてやで、競合オケが5つもあるセンチュリーにどうせえというんや。だいたいその地域で活動してた仙台から今のセンチュリーの事務局長を招聘してる意味とか無視して記事を作るなよ。
一つに纏まったほうが支援もコンパクトかつスマートになるという腹の内があっての取材か読売は。

大阪センチュリー交響楽団 第145回定期演奏会

2009年10月15日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.10.15(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第145回定期演奏会
指揮/小泉和裕
ピアノ/アリス=紗良・オット
コンマス/後藤龍伸*、太田雅音
曲目:
リスト/ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
リスト/パガニーニによる大練習曲よりラ・カンパネッラS.141/3(アンコール)
ブルックナー/交響曲第5番変ロ長調

15.October.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 145th SubscriptionConcert
Conductor/Kazuhiro Koizumi Music Director of the Century Orchestra Osaka
Piano/Alice Sara Ott
Concertmaster/Tatsunobu Goto*,Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
F.Liszt/Concerto for Piano and Orchestra,No.1 in E flat major
A.Bruckner/Symphony No.5 in B flat major

えっ?葉加瀬太郎ってあれ地毛なの?てっきり乗せてるとばかり・・・。
アリスの取材で情熱大陸から花が届いているロビー。21歳、妙齢のハーフ美少女ピアニストでクラシックの名門レコードレーベル、ドイツ・グラモフォンがやや日本向けながらも大いに売り出し中ということで、会場でもアリスの演奏風景を収録しております。しかしまあなんですなあ、ハーフ系モデルがファッション雑誌やTVを賑わせている昨今の流行がここまで来たのかと思う向きもあるでしょうな。DNA段階で可愛さが決まってたら、世の女子は生まれ変わる以外に勝ち目が無いじゃないか。どうすりゃいいんだよ。・・・なんてことを、長谷川潤っていいよなマリエはありだな、とか中学生レベルの会話で盛り上がったり東京カワイイTVを毎週欠かさず見てるおぢさんが口走っても説得力無いか。
アリス効果でゴスロリ衣装の少女まで会場に現れる盛況ぶり、9割ぐらいは埋まってたのではないですか。難物ブル5がメインですからすごいことで。

リスト。2年ほど前か、ティエンポの快演をセンチュリーさんの定期で聴いているので、そこから思えばやはりアリスは音に力が足りない。当初想像していたよりも弾けてるとは思いますが、第3楽章はオケを掻き消すぐらいの粗野な迫力がないと締まらない。今回は小泉さん伴奏ですから雄弁で壮大で、それこそピアノを潰す勢いでしたからなおさら。
アンコールはCDも出しているラ・カンパネッラ。技巧曲のはずですが彼女が弾くとオルゴールが遠く鳴っている様な雰囲気が醸し出されて面白いですね。第2弾CDのショパンのほうが向いてるのかも。どうでもいいことですが強めに見えてイマイチな超絶技巧練習曲のジャケ写に比べて第2弾のそれのなんとロリ心をくすぐる傑作に仕上がっていることか。富田靖子大沢佑香を足して割ったような感じで惚れる。

休憩挟んでブルックナー。
アリス効果はすごいぜ。休憩明けたら客が5%~10%ほど減った(笑)。
九響・京響・OEKから西日本の名うてのエキストラにまで動員をかけて挑むブル5。チラシにもありましたようにCD発売もしますので、みっちり仕上げてきました。小泉さんというととにかく目の詰まった強音時の迫力ばかりが言われるわけ。それを支えているのは非常に緊張感のある弱音だと思う。とくにこのブル5はゴシックだとか教会だとか城塞だとか、石組みの堅固な構築を想起させるあだ名がつくぐらいの作品ですから、一つ一つの音を細かく置いていく感じが強い。そう考えると今回のセンチュリーさんは弱音の厳しさに耐えられなかった。弦は良かったですが金管は総じてダメでした。第1楽章冒頭や終楽章など、レコーディングで力を注いだ部分は素晴らしかっただけにもったいない。第3楽章は随分と荒れた展開になってどうなることかと思いましたが、後藤さんが大車輪のご活躍で涙が出ました。
客電付いても拍手が鳴り止まない。

大方の人が外に放射されるタイプのブルックナー像を描く中、小泉さんは時折陰に篭るような内省的な表情を作るのが不思議でした。60歳を迎えられての新境地かな。デカいブルックナーは御大で聞き飽きているのでこういうのも面白いなあと思いながら帰りました。

プログラムには来季発表記者会見の模様など。あれこれ難題を吹っかけておきながら最後は月に帰ったかぐや姫に「お前ええ加減にせえよ」と頭突きの一発もお見舞いしたくなるのと同様、知事にもうんざり。金が全てだという信念なら最初から徹底してくれないと。中途半端は誰の得にもならんよなあ。

大阪センチュリー交響楽団 第144回定期演奏会

2009年09月10日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.9.10(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第144回定期演奏会
指揮/ジョセフ・ウォルフ
ピアノ/アンドレ・ワッツ
コンマス/太田雅音
曲目:
エルガー/セレナード ホ短調op.20
エルガー/ため息op.70
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調op.58
ハイドン/交響曲第104番ニ長調Hob.I-104「ロンドン」

10.September.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 144th SubscriptionConcert
Conductor/Joseph Wolfe
Piano/André Watts
Concertmaster/Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
E.Elgar/Serenade in E minor Op.20
E.Elgar/Sospiri Op.70
L.V.Beethoven/Concerto for Piano and Orchestra,No.4 in G major,Op.58
J.Haydn/Symphony No.104 in D major,HobI-104 "London"

言わずと知れた名指揮者コリン・デイヴィスの息子。親父も得意なハイドン&エルガーというセンチュリーさんが得意な作品で皆様のご機嫌を伺います。

太田くんが単独コンマス。定期では初めてじゃないか?
ロジェストヴェンスキーが父親で有名な指揮者のアノーソフの名を受け継ぐのを嫌って母親の名を名乗ってるのに似た形なのかジョセフよ。力いっぱい音楽一家になっているヤルヴィ家やザンデルリンク家はどうなる。まあインバルや朝比奈御大のご子息のように微妙の極みみたいな人物もおるのでとやかくは言わない。ましてマキシム・ショスタコーヴィチに至っては。

エルガー2発。セレナードの高貴さを聴け!作品の品の良さとセンチュリーさんの少し冷ややかな弦がヲルフ(気に入ったのでこれでいこう)の棒で見事に纏められた。ため息も同様。最上のバランスを最上の響きのホールで聴く喜びも極まったと思う。ヲルフの感興に満ちた指揮姿もいい。心から演奏を愉しんでいる感じがするじゃないか。
ため息ではハープとオルガンが加えられたんだけど・・・俺の席ではそこそこ聴こえたけど後ろのほうは聴こえたのかな・・・。
ベートーヴェン。日本人でないと皇室に対する尊崇畏敬の念の深さって分からないじゃない。日本を出てみると千数百年の長きに渡って日本の最高権威者として存続し続ける世界唯一の皇帝一族として畏怖されてるんだと感じる。日本史なんてのも実際はともかく、史伝では天皇一族の子孫の権力争いでもあるわけで。それと同じで、ワッツさんなんてのの存在の深い意味はアメリカ人にしか分からない部分が多分あるわけ。Tウッズやエリントン、今のオバマとか。アメリカ史におけるアフリカン・アメリカンにまつわる物語は日本人には計り知れないものが渦巻いているんだろうな、というおぢさんの思いとはうらはらに、ワッツさんはのっそり出てきてずんぐりした手指から信じられないぐらいに柔らかいタッチを繰り出して、ヲルフの代わりに半ば指揮する勢いでセンチュリーさんを鼓舞して去っていきました。
そうねえ、来日直後らしくてミスタッチがやや多いのが気になったのと、CD・レコードで聴いても分かるとおり、作曲家ごとに色変えてくようなこともない単色のピアニズムに年輪が加わってたのでモーツァルトが聴きたいなと思いました。

休憩挟んでハイドン。
若いヲルフは自分のやりたかったアイデア(とくにリズム面)を出し尽くしたね。曲をよく知ってる人ほど「えっ」「おっ」「あっ」の連続だったのではないか。曲を知らない人はなんて良く歌いよく踊れる作品なんだろうと思ってくれたら嬉しい。オケも若いコンマス筆頭によくついていったと思う。
これや!こういう機能美に溢れたオーケストラコントロールと音楽の愉悦が融合した健康そのもののハイドンが聴きたかったんや!と終演後に吼えてみたものの、不健康なハイドンって何だろうとライオン前の横断歩道を渡りながら一人ごちた。
是非また呼んで下さい。


大阪センチュリー交響楽団 第143回定期演奏会

2009年07月17日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.7.17(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第143回定期演奏会
指揮/小泉和裕
ヴィオラ/清水直子
コンマス/川崎洋介
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調op.60
ベルリオーズ/交響曲「イタリアのハロルド」op.16

17.July.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 143rd SubscriptionConcert
Conductor/Kazuhiro Koizumi Music Director of the Century Orchestra Osaka
Viola/Naoko shimizu Principal Viola of the Berlin Philharmonic Orchestra
Concertmaster/Yosuke Kawasaki Principal Guest Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
L.V.Beethoven/Symphony No.4 in B flat major Op.60
H.Berlioz/Symphony "Harold en Italie" Op.16

な、3連続だ。夏休みも近いから子供が押し寄せても覚悟しないといけない。
小泉さんと清水さんにはすでに仙台フィルとの録音がある。なかなか迫力のある音楽作りで客席も沸いているので、それの再演となるかどうか。

というわけで行ってきた。
シューマンが「2人の北欧神話の巨人(3番と5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」と例えたと伝えられている(wikiから丸写しw)この作品、作品の性質に加えて古楽運動のお陰か、年々小さく楚々とした演奏が増えてきた。センチュリーさんも楽団規模に相応しく可憐な演奏をなさっていたのだが、今回は違う。
冒頭のバスの物凄い沈潜からアレグロ・ヴィヴァーチェの主部の爆発へ至る緊張感、一音も小さく薄く響かせない小泉流ベト4だった。奇数番号が男性的で偶数番号が女性的、なんてことは一切無い。全部ベートーヴェンだと。
4番はファゴットを主体に木管を聴くのが大変楽しい作品ですので、存分に楽しんだ。ファゴットの難所、第4楽章も軽快にこなしていて結構なものでした。

休憩を挟んでベルリオーズ。
プログラム解説にもあったようにパガニーニが依頼した作品、ということになっているがこれはベルリオーズが箔を付ける為に吹いたホラらしい。27歳で幻想交響曲を書いちゃった大天才は、33歳でこのイタリアのハロルドを、39歳で劇的交響曲「ロメオとジュリエット」を書き倒して結局オペラへと邁進するわけ。だんだんと劇的内容をより具体的に表現する方向を強くするんですな。
作曲家が筆を進めるうちにヴィオラを独奏楽器にすることに飽きてきたのか、楽章ごとに出番が無くなっていくのがキズで、幻想交響曲に比してあまりにも取り上げられる頻度が少ない。かといってヴィオリストがショボいと単なるオケのパートソロみたいになって物語もあったもんじゃなくなるので実に演奏が難しい。
今回迎えたソリストの清水さんはベルリンフィルの首席ヴィオラ。今井信子さんの後はこの人がいるので華のあるヴィオラのソリスト枠は安泰ですよということで。
最初のほうにも書いたが事前に清水/小泉/仙台フィルのCDで予習をしまくってから聴いた。清水さんには悪いが、小泉/センチュリーのテンションに耳を奪われた。首席客演という立場で臨む仙台フィルと、音楽監督として挑む大阪センチュリーとでは音楽の基本的な作りは変わらないものの、要求してるレベルが違う。耳が痛くなるぐらいのリズムの饗宴、終楽章の熱狂と嵐に客席は大いに沸いた。久々に帰ってきた川崎さん以下、楽員は汗だくの熱演。
素晴らしい。

大阪センチュリー交響楽団 第142回定期演奏会

2009年06月18日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.6.18(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第142回定期演奏会
指揮/沼尻竜典
ピアノ/アンナ・マリコヴァ
コンマス/後藤龍伸*、太田雅音
曲目:
グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調op.16
チャイコフスキー(プレトニョフ編曲)/バレエ音楽「眠りの森の美女」より銀の精(アンコール)
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番ト短調op.103「1905年」

18.June.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 142nd SubscriptionConcert
Conductor/Ryusuke Numajiri Principal guest conductor of the Century Orchestra Osaka
Piano/Anna Malikova
Concertmaster/Tatsunobu Goto*,Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
E.Grieg/Concert for Piano and Orchstra in A minor,op.16
D.Shostakovich/Symphony No.11 in G minor,op.103 "TheYear1905"

ショパン演奏に定評があるマリコヴァ(マリコワ)による優しいグリーグと、沼尻入魂のショスタコーヴィチの組み合わせ。会員向けリハ公開がある。行けたら行きたい。

というわけで16日の公開リハから。
意気揚々と昼過ぎから出向いた結果、早く着きすぎ。仕方ないので緑地公園を散策することにした、関西テレビでよ~いドン!という午前の帯番組(痛快エブリデイの後番組ね)がやっていて、この中の一コーナーに「となりの人間国宝さん」というのがある。3ヶ月ほど前になぜかうちのビルに取材依頼が来て断ったらしいが、円広志がブラブラしながら関西の各地を探訪しては各地の名人物を人間国宝に勝手に仕立て上げてゆくようなコーナー。何時ぐらい前だったかな、緑地公園がその舞台になっていたのでおぢさんもマネしてみようとブラブラ・・・。しかし暑い。だいたいこのチ○コみたいな噴水のモニュメントは何やねんと。キノコ雲?ああそう・・
時間になったので入場列に並びかけたが、つい先日の入場列とあまりにも雰囲気が違いすぎて耐えられない。18歳になったばかりのメインアーティストとこの間までランドセルを背負ってた人も含んだバックダンサーに声援を送るようなおぢさんが並んで良いものではない気がする(笑)。
何度目か忘れましたがセンチュリーさんの練習所。先日に引き続きセンターに陣取る白髪老人。せっかくなんで直接音にしばき回されたいじゃない。
沼尻さん登場。「前の時間に第1楽章が終わったので第2楽章から・・・民衆がもっと政治を良くしてくれろ、と皇帝にお願いに行ったら返ってきた答えがマシンガンで銃撃だったという・・・」と一言あってリハ開始。歌交じりで弦と木管に訴えていたのはとにかく旋律を美しく歌いあげること、低弦にはリズムの処理とテンションの持って行き所やらで林さんと議論をし、フォルテ1つでも音楽の流れによっては同じ力でいてはいけないのでそこを後藤さんと早口で打ち合わせ。オレには出来ん。いや、おぢさんもおぢさんのフィールドでは人が付いていけないぐらいの回転力だよ!指揮者ってのは勉強50%リハ40%本番10%ぐらいの割合で、実は職業の本領が見えづらいらしいよね。プロの仕事ってのはスマートでエレガントでないといかんね。反省した。
第2楽章だけだったが良い体験。

で、本番。9割いくかどうかですかね。重めのメイン曲にも関わらず有難いことでございます。
グリーグ。マリコヴァは人の良さそうな感じ。おばさんと呼ぶにはまだ若く、お姉さんと呼ぶには歳月が遠い雰囲気の方。
丁一つ一つの音を良く聴かせる丁寧なピアニズムの持ち主のようで、グリーグの旋律が美しい歌声として耳に届く。素敵。
ところがアンコールのチャイコフスキーはメリハリと洒落が効いててもっと素敵だった。今度来られる時はプロコフィエフとかやりませんかね。
投げキッスを受けれる席に居なかったことが悲しい。まさか跳ぶわけにもいかず ←

ショスタコーヴィチ。
血の日曜日事件を題材にした、派手な殺戮描写がありながらも実に陰気な作品。第2楽章がその場面。悲劇直後、静寂に包まれる広場の陰々たる空気がひそやかに表現されるわけだけど、そのピアニッシモのなんたる緊張感。直前まで血管ブチギレの大音量で咆哮してたとは思えぬ。このコントラストが在阪の他のオケではなかなか出ないんですよ。スネアはもうちょっと乾いた音色だと嬉しかった。このホールではそうもいかんでしょうけど。
第3楽章は深い祈りから怒りが満ち溢れるまでの流れが素晴らしい。センチュリーのヴィオラが沁みる。第4楽章はオルガンの左右に分かれて鐘が2組。リハのときは一人の打楽器奏者と沼尻さんが打ち合わせしてオルガン横に上がるタイミングなど話していたはずだが、一人で2箇所を動きもって叩くんかいね?それとオルガン周辺のクワイア席の客が数人除いてどこかに消えちゃって・・・。
今回もトラで入っているホルンの木川さん含め、金管がブリブリ鳴る開始。流石に疲れてきたのか響きが硬くて一杯一杯の雰囲気ですが作品にはそれもまたプラスということで。音楽も指揮者もオケもテンションが高すぎて前の席の子供が錯乱し始め、「なにもこんな曲の時に連れてこなくても」と子供に同情しつつ、だって弦楽器のザクザク鳴る様を見ていたら目から血の涙が出そうなんですもの、ご覧、木管が悪魔の哄笑か白痴の叫ビ声のやうだ、などと言っている間にフィナーレ。
あのーお気づきの方もおられると思いますが、センチュリーさんの定期会員の後期募集が7月1日からなんですね、それでだと思うんですが、入場の際に渡されるチラシ群の中に久方ぶりにセンチュリーさんの年間公演を記載したパンフレットが入っておりまして、そこに沼尻さんの今季の所信表明みたいなコメントが載ってるんです。タイトルが「特別に思い入れのある2曲を・・・」で「ショスタコーヴィチの交響曲第11番は、この作曲家を凄いと思うきっかけとなった曲です。10年程前、、チェリストのロストロポーヴィチ氏と、前半は氏のソロと私の指揮でチェロ協奏曲第1番、後半は氏の指揮で交響曲第11番という、変則的な形での演奏会を行いました。約5日間、氏と共に行動し、この曲や作曲家の様々な話を聞く機会に恵まれたことで、この作品は私にとって特別に思い入れのある曲となりました。(略)」
最後に二人の鐘叩きが出てきてオケを殴り飛ばす勢いで鐘が打ち鳴らされ、若干のフライング拍手が現れたが空気読んで静寂に消え、鐘の残響がホールを文字通り渦巻き続ける壮絶な終幕。この長さと重さは紛れも無くロストロポーヴィチだ。オレは作品よりもそっちの音楽的DNAの受け渡しを感じて涙が出た。

名演だった。誰もが皆素晴らしかったが、個人的にはファゴットを称えた。
今回の演奏ほど鮮烈ではないが、鐘の残響が長く収録されてるのにはコフマン指揮ベートーヴェン・オーケストラ・ボンのものがある(DG-GOLD MDG337 1209-2)。録音も2006年でなかなか良い。

高関時代のセンチュリーに沼尻さんが来てこれをやれたかというとそうは思わない、この馬力が出るオケに育ててきたのは監督の筋肉質な音楽作りがあればこそ・・・。

協賛のブラザー工業株式会社様、ありがとうございました。


Chopin : Piano Concerto for Piano and Orchestra no. 1 and 2
Malikova Anna,Filarmonica di Torino,Kovatchev Julian
RS

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会報は来たけれど

2009年06月04日 | 大阪センチュリー交響楽団
2週ほど前の話だが、センチュリーさんのFC会報が来た。
なんつってもFCの目玉だった会員限定頒布CDの案内が嬉しい。
小泉さんの幻想をCD化してくれるらしい。いいねえ。
FC会員の代理購入で複数枚押さえておこう。半年寝かせてヤフオ(ry
大フィルにはとう及ばないがセンチュリーさんも結構CDは市販・非売と色々出してるのだ。ベートーヴェン・ブラームス・シューマンは全集で出してるし、有名なのはナクソスの松平頼則作品集がある。あと金があったころに委嘱作品で作った2枚の邦人作曲家作品集。大阪の秋~民音現音祭の大フィルさんに孤軍で対抗する心意気だったなあ・・・。
某所で丸々ダウンロードできるけど、センチュリー・ショーケースは比較的最近の録音で、これはその名の通り、有名管弦楽小品で固められていてセンチュリーさんの技術の高さを堪能出来る。

ついでに封入されていたのが大阪府政策企画部企画室政策マーケティング・リサーチ・チームによるアンケート。何するつもりなんだろう。丁寧に回答して返しておきましたが、問5「(略)次の楽団ごとの鑑賞回数とファンクラブ(会員)への入会の有無をお教え下さい(後略)」とかあって。
おぢさんさ、これマジメに回答したらオケ中毒の痛々しい人に見られるんじゃ ←

大阪センチュリー交響楽団 第141回定期演奏会

2009年05月28日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.5.28(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第141回定期演奏会
指揮/ロッセン・ゲルゴフ
ヴァイオリン/ライナー・ホーネック
コンマス/後藤龍伸*、太田雅音
曲目:
芥川也寸志/弦楽のための三楽章「トリプティーク」
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ハイドン/ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調Hob.VⅡa-1より第2楽章(アンコール)
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「妖精のくちづけ」よりディヴェルティメント

28.May.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 141st SubscriptionConcert
Conductor/Rossen Gergov
Violin/Rainer Honeck Concert master of the Wiener Philharmoniker
Concertmaster/Tatsunobu Goto*,Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
Y.Akutagawa/Triptyque for String Orchestra
W.A.Mozart/Concerto for Violin and Orchstra No.3 in G major K.216
I.Stravinsky/Divertimento from Ballet music "Le Baiser de la Fée"

GW中せっせと妖精のくちづけを聴きまくっていて今気付いたが、センチュリーさんがやるのはディヴェルティメントだったね・・・。おぢさん全曲ばっか聴いてた。参ったな。
今探したらシャイー盤が出てきたのでこれでなんとかしよう。芥川は没後20年ですから、在阪オケもどこがが何かをやるべき、センチュリーさんは自慢の弦で名作をやる。これの第2楽章は泣けるよ。

てなことで行ってきた。関フィル、大フィル同様の厳戒態勢だったが、客が緩んできてるのか咳とか気にしなくなってきたね。というか気にしない客だけが出てきてるのか(笑)。客席はあまり埋まってるとはいえない、7割いるかね、これ。
4月から新任のコンマス、後藤さんはネットで出てくるほとんどの画像と今のビジュアルが別人のようなんですが。昔はヒゲもあって、コワモテ風なんですけど、今は中堅銀行マンか喫茶店のマスターみたいな温和な感じで。

出てきたゲルゴフが若い!ブルガリア出身の28歳だって・・・あはははははは・・・。
芥川。伊福部先生の弟子ならではの力強いリズムに、ショスタコーヴイチやプロコフィエフを愛した作曲者らしい乾いた音色と簡潔な抒情が交錯する日本の弦楽合奏作品でも屈指の名曲。
いろんな演奏聴いてきたけど、これほど個性的なトリプティークは初めて。始まって早々、音楽が止まる位大きなタメが作られる。そこから一気に加速。あれだ、バルトークのルーマニア民俗舞曲の濃い目の演奏に近い感覚。第2楽章は泣けるよ、とか書いた自分がいかにつまらん人間か。泣く前に繊細な、あまりの美しさに震えた。

モーツァルト。前日のリゲティでは楽器の機械的な多彩さを聴かせていただいたが、こちらは磨きぬかれた音色美の追求。細く透き通るような高音から小気味良く切り上げられる中低音まで見事なもの、ウィーンフィルのコンマスだからといってウィーン風味みたいなものが濃く出るわけではないのね。
アンコールはホーネックさんから「アニバーサリーイヤーだから」との案内で、ハイドンの協奏曲第1番から第2楽章。ええ選曲や。てかハイドンって凄いね!あんまし沢山取り上げられる作品ではなくても素晴らしい作品ばっかり。

休憩挟んでストラヴィンスキー。
ハープとチェロが美しかったり、金管(ホルンのトラで入っていた木川さんが良かったような、彼でブルックナーとかありじゃないですかね)の舞曲がソツなく決まっていたり、見る分には楽しい作品でしたが。
この曲苦手を越えて嫌いかも。場面の流れがイマイチ追いにくくてさっぱり面白くない・・・。
ゲルゴフは動きすぎじゃないか?と思うぐらいに大熱演で非常に好感が持てました。彼でドヴォルザークの6番なんて聴きたいなあ。

大阪センチュリー交響楽団 特別演奏会 センチュリー名曲コンサート

2009年04月21日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.4.21(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 特別演奏会 センチュリー名曲コンサート
指揮/本名徹次
司会/どい かつえ
コンマス/太田雅音
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調op.68「田園」
スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲
J・シュトラウスⅡ/常動曲op.257
J・シュトラウスⅡ/ポルカ「トリッチ・トラッチ」op.214
レハール/ワルツ「金と銀」op.79
J・シュトラウスⅡ&ヨーゼフ・シュトラウス/ピツィカート・ポルカ
J・シュトラウスⅡ/ワルツ「美しく青きドナウ」op.314
J・シュトラウスⅠ/ラデツキー行進曲op.228(アンコール)

この日は大植/大フィルの京都公演もあるんだけど、月に3度も京都行くほどおぢさん京都好きでもないんで ←
「ファンクラブ入ったんならこれぐらい聴きに行きなさいよ!」と、ほうぼうに無理強いした結果、ヤブヘビで引率者として参ります。
結構春っぽいプログラムで推せるし。

お天気がイマイチでしたけど、行ってきましたよ。
客が京都と割れたのか、コアなファンのお顔が少のうございます。客入りも8割ちょいと低価格の割りに少ない。
いつものケータイ切れよクズども、みたいな場内アナウンスに続いてかつえの声で「ウィーンにちなんだプログラムをお楽しみ下さい」のアナウンス。ああ・・・まあそうか、そういうプログラムか。チラシにはひとっことも書いてなかったが。
主婦2名おぢさん2名行き遅れ2名のご一行様に耐えられるかしら。

ベートーヴェン。ヴァイオリンの後ろのほうのプルトにエキゾチックなエキストラ数名。なんやろか。本名さんのトレードマークになっている古典配置のオケから出てくる音は、ピリオド奏法も視野に入れた面白いもの。ホルンが大健闘ですこぶる楽しかったが、名曲コンサートでトライする内容かと言われると・・・。しかも1階席は招待客が多いのか楽章ごとに拍手が大きく起こる。
「いいの?」みたいな主婦連の視線に即応して手で制した。
いつもならオレがぶち壊してやろうと喜び勇んで拍手に加わるんだけど ←
この拍手は裏を返せば、予想を上回る高い初心者率の証拠。実に嬉しい。
ただ、これこそプレトークをやってお客様を導いたほうが良い事例だとも言える。どうするかだね。チラシ入れるだけじゃなくて、田園を紹介して運命にも軽く触れて、その直前の第4交響曲はあまり取り上げられないけど名曲だよ、7月の第143回定期演奏会ではやるよ、来てね、と繋げたらベターだ。さらに田園のあとの第7交響曲はちょっと遠いけど11月の第146回定期演奏会でやるよ、ノリノリの名曲だよ、と言えたらベストだ。ちうか藤岡幸夫なら鉄板でそうしてると思う。依頼公演とか関係無く売ってかないと。とにかく。

休憩挟んでウィーン名曲集。
高橋さんのチェロが良かったスッペ、ちょい噛みのかつえの解説、金と銀の気品のある弦楽器と楽しめた。他所のオケのハナシで恐縮だが、関フィルのニューイヤーでは、ピツィカートの説明のためにゴギさんにまず弓で一曲弾かせて見せた。良く聞くとそれが「ポーニョ ポーニョ ポニョ」になっていて客席が沸いたもんだ。工夫のしどころ、仕掛ける場所はいくらでもあるんだなと感心した。
アンコールはお決まりのラデツキー行進曲。
最後にかつえが出てきて「株式会社オーエムシーカードは合併し・・・」とやった。おぢさん思わず、ザ・シンフォニーホールの中心でかつえーと叫ぶところだった。他に挟むとこなかったのかよ(笑)。明らかに空気が微妙だったろ。
楽しかったけど、音楽以外の部分で手直しするべきところがあるような気がした。
ファンクラブ会員も喜んでいたので良しとすべきかな。

OMCカード様(OMCカード、クオーク、セントラルファイナンスが合併してセディナになられた由)ありがとうございます。

大阪センチュリー交響楽団 第140回定期演奏会

2009年04月09日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.4.9(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第140回定期演奏会
指揮/小泉和裕
フルート/ニコリンヌ・ピエルー(大阪センチュリー交響楽団首席フルート)
コンマス/後藤龍伸*、太田雅音
曲目:
イベール/フルート協奏曲
ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ハース版)

9.April.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 140th SubscriptionConcert
Conductor/Kazuhiro Koizumi Music Director of the Century Orchestra Osaka
Flute/Nicoline Pierreu Principal flute of the Century Orchestra Osaka
Concertmaster/Tatsunobu Goto*,Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
J.Ibert/Concerto for Flute and Orchestra
A.Bruckner/Symphony No.4 in E flat major "Romantische" (Ed.:R. Haas)

初夏の陽気らしいですよ。暑いよね。
8割強のお客様。楽員を増やすどころか現状維持も難しくなる有様で、センチュリー自慢のホルンセクションも激震のようでございます。契約なんだか正規なんだか分からないまま常に出ていたバストロの方もいなくなり、財津さん西田さんが定年で嘱託扱いになって後ろに下がり、ドルソンさんが抜け、尾崎さんが抜け。竹内先生と林さんの特別首席枠も解消になり(客演首席ではあり)。日本で一番ええ声でアナウンス出来る事務局長(前職がアナウンサやし)も退任し、理事長も交替し。
プログラム表紙がカラーでは無くなり、団員の配置図風になっていたメンバー表も通常のものに変わり。
響さんのプレトークがもちろんお払い箱になり ←
もう何がなんだか・・・。西田さんを思いっきり定年って書いてあげない下さい(笑)お若いですから。

とりあえずセンチュリーに舞い降りた妖精、ニコリンのフルートに酔おうということでね。
イベール。センチュリーの専任指揮者だった佐渡さんが売り出し中の頃、ディヴェルティメントやらこれやら至る所で振っていた。ラムルーを振ってイベール作品集ナクソス・デビューなんかもしたが、あのCD酷いよね。あれしか聴かないと分からんだろうけど。似た頃にデュトワが振ったほうも出て、これは本当に素晴らしかった。一時期むさぼるように聴いたもんだ。あれにハッチンズの独奏でフルート協奏曲が入っていて、これも良かった。ただイベールの協奏作品ではサクソフォン協奏曲のほうが好きで、大友/関フィルと須川さんの実演が意外な好演で楽しかった思い出がある。
オケの湧き上がる中から弾ける様に飛び出してくるフルート。一気に引き込まれる。録音とかで聴いてると騒々しく雑然と活気のある両端楽章に耳が向いてしまうけど、実演だと第2楽章の美しさが目に沁みるね。
もう一回聴きたくなった。

休憩挟んでブルックナー。
前にも書いたように今季のブルックナーシリーズがCD化される。録音形態がライブも含めたセッションということらしく、リハ&セッションで長めの準備日数が確保された様子。小泉和裕今年いよいよ60歳、中堅指揮者から円熟の境地に差し掛かっているということがこれほど痛感できる演奏は無かった。第4楽章の圧倒的なオーケストラ・コントロールは、色々書いてある華々しい指揮者としての経歴が実力で勝ち取ってきたものであることを証明する、そんな凄まじさだった。オケは気にしていた金管が練習時間相応の立派な響きでザ・シンフォニーを満たした。第3楽章のトランペットのミスが個人的にはツボに入ったけど。上手くやった!って直後は必ずやるよな。可愛いです。ホルンにはドンナちゃんの魂が残されたと信じましょう・・・センチュリーを定期的に聴いてる人からすれば健闘でも、ブルックナー好きからすれば物足りないところはあったと思う。
小泉さんのブルックナーは迫力と音量は大きいけど、流れは速く響きは凝縮に向かうのでスケールが小さく感じるかも。聴く前からなんですが、5番はイマイチ、6番はフィナーレが期待できそうな気がしました。
ブルックナーということで下品なブラボー屋が大挙してきましたが、演奏が良いとブラボーがかかるのがわずかに遅れるんだよね。あれは面白い現象だ。
こういうブルックナーが聴けるというのは朝比奈御大(センチュリーの理事だったですね)から続く大阪のブルックナー演奏の系譜に続くことで結構なことです、大植さんがブルックナーに適性がほぼ無いですし・・・。
気になる皆様は是非次回のブルックナー・シリーズだけでもお出かけ下さい。お願い。

にしてもブルックナーのファゴットって死んでるよね。吹いてる姿は見えるけど音を聴いた記憶が無い。
あと、関フィルさんのいずみホールシリーズ初日と被ってた。この哀しさ。

カラヤンのブルックナー交響曲全集を所有しているので、事前に聴いてみたがあまり意味のあることではなかった。むしろマズア/LGOのほうが聴きでがあったかも。間違って聴いてしまったハイティンクの0番が思いのほか良い演奏だったのが収穫。
ブルックナー交響曲第4番&第7番
カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック クラシック

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あとあれよ!京響のスプリングコンサート見て思い出した。
センチュリー・ユースオーケストラ。第1回定期演奏会聴きに行けなかった・・・。センチュリーさんのDNAを受け継ぐ子供たちが育とうというのに。
大フィルも関フィルも学生吹奏楽とのコラボぐらいはやるけど、弦楽器も含めてってのは大阪ではなかなか無いわけなので、ぜひとも頑張ってください。
星空ファミリーコンサートは行きたいね。
おぢさんはファミリーから見放されてるけども ←

新体制で存続策探る 大阪センチュリー交響楽団

2009年04月07日 | 大阪センチュリー交響楽団
新体制で存続策探る 大阪センチュリー交響楽団(大阪日日新聞)

大阪センチュリー交響楽団を運営する府文化振興財団の新理事長に立命館大法科大学院教授で弁護士・税理士の水野武夫氏(67)が就任した。
府の補助金大幅カットで苦しい状況にあるセンチュリーの存続・発展のため、半数が入れ替わった十二人の理事や団員らとともにより府民に愛されるオーケストラを目指していく。

結果、本年度予算で同財団への補助金は一億一千万円が計上された。廃止は免れたものの、前年度の四分の一となる大幅な減額だ。
水野氏は「知事は本年度と次年度、この二年間の実績を見て最終的にどうするか考えたいという意向を表明されている。大変重要な時期の就任で身の引き締まる思い」と話す。

 本年度は前年度より事業費を約一億円縮小して六億九千万円とするほか、二十周年記念事業の一部中止、繰越金の取り崩しなどで「何とか賄える」という。
「財政的には困難を伴うが、賛助会員や定期会員、センチュリーファンクラブ、センチュリー・ワンコインサポートなど、応援してくれる人をさらに増やし、自立できるよう足腰を強めていきたい」

略してる部分が多いのでリンク先でも見てくれたら。・・・先立つものが無くなってくのに何が出来るのか分からん。だいたい今の日本のプロオケでこの状況に置かれた上で、自立だ新機軸だ次世代育成だと突きつけられて有効なアイデアが期限内に出せるところはあるんだろうか。応援してくれる人をさらに増やすってこの不景気では。まあ個人的には増やす努力をしてますが。
入ってあげてね。ファンクラブ。


大阪センチュリー交響楽団オーケストラの日コンサート

2009年03月31日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.3.31(火)15:00 箕面市民会館(グリーンホール)
大阪センチュリー交響楽団オーケストラの日コンサート
指揮/沼尻竜典
司会/どいかつえ
曲目:
シューベルト/交響曲第7(8)番ロ短調D759「未完成」
メンデルスゾーン/交響曲第4番イ長調「イタリア」Op.90
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲(アンコール)

とりあえず買ってしまったが、平日昼間と気が付かなかった。行けるかどうかも分からん。しかも席が近すぎる。かぶりつきで沼尻さんを見る羽目になるぞ。
趣旨もチラシもおぢさんを拒否してるから諦めたらいいのか(笑)

春風に寄り添って巷でウワサの大阪センチュリー交響楽団のコンサートへ。
3月31日は語呂合わせで「耳にいい日」(実際は「耳にいちばん、耳にいい日」だそうな)のオーケストラの日ということで、日本オーケストラ連盟所属のプロオケなどが各地で催しを一斉に行っているんだけど、丁度春休みで幼女が多い客席に永遠の性犯罪者予備軍であるおぢさんは欲(略)
いつ行ったか覚えてないが随分と久しぶりに来た古いホールで客電が妙に暗くていけない。価格が全席1000円だからかほぼ満員。
司会のどいさんが上手(かみて)に出てきた。おぢさんは1桁列下手端なんで首を捻りそうになるからあんま見ないように。隣のおばさん4人連れは2人がすでにファンクラブ会員で、連れてきた2人を勧誘していた。もうこの時点で泣きそうなんだけど!草の根になってきてるじゃないのよ、おい。

未完成。連綿と歌われる旋律が断絶させられるのを繰り返すのが作品の妖気なんだろうけど、沼尻さんが振るとそのあたりが強調されてマーラーの作品のように響く。丁寧に揃えられた木管のたゆたいが心地よい。

曲間に沼尻さんのトークを挟む。「未完成はレコードの頃は、運命を買うと余白に入ってまして。せっかく入ってるんだしと聴いてみると結構いいじゃないか、ということで・・・B面にも良いものがあると、あの、モンキーマジックよりもガンダーラが好きだったみたいな・・・分かりますかねゴダイゴなんですけど」Monkey Magicとガンダーラは別シングルだとか余計なツッコミが無くって暖かいお客さんだ(笑)。グリーンホールはセンチュリーがデビュー前に行っていた練習会場だったそうで、創立20周年のオケにとっても思い出深い場所。「20年前を知ってる団員の方、こっそり手を挙げて・・・(三分の一ほど挙手)おおっ、結構いますね」「情熱を持って目標に驀進するオケですので、皆様応援よろしくお願いいたします」

イタリア。センチュリーさんの十八番だけあって、金管が張り切りすぎた以外は素晴らしい出来。スピード感と歌に溢れる弦が堪能出来ました。メンコンもそうだけどメンデルスゾーンは明るく切ない旋律書くね。中間2楽章で少しだけ涙が出そうになった。アンコールはフィガロの序曲。生き生きと弾き切り吹き切りで楽しく終わりました。

年度末である3月終わりはおっさんが来れないんだし、その分小中高と子供が多いので、このプログラムは少し重かったかも知れん。未完成を削って小さい序曲っぽいのと、団員ソリストでいいので何か一つ楽器をクローズアップしたものをやったほうが子供の食い付きはいいんじゃないかなとか思いました。まあ1000円では難しいか。

そういや、この後にシンフォニーで大フィルの貴志康一作品の演奏会があったが行けなかった。(忘れかけてる人も多いと思うが)関西フィルの名誉指揮者、小松一彦先生の指揮。昨年大フィルが日本組曲をやったのも聞けなかった。まああれは指揮が山下さんだからいいけど。今しか知らないと分からんかも知れんが、大阪府の資力と文化力を見せ付けるかのごとく新作やら蘇演をやらかしていたセンチュリーさんが小松先生に率いられて日本組曲の関西蘇演をやった。95年だったかな。辻久子先生独奏で大栗裕のヴァイオリン協奏曲、松下眞一の管弦楽のための星たちの息吹き、そして日本組曲という、一昨年の大フィルの関西の作曲家コンサートの元ネタ的プログラム。全曲はたぶん日本で2回目ぐらいの演奏で、終曲の「戦死」を小松先生がまさしく鬼神の形相で振りまくり、燃えゆく日章旗が瞼に浮かんだものだ。懐かしい。
貴志康一 バレエ音楽「天の岩戸」
小松一彦/大阪センチュリー交響楽団
ビクターエンタテインメント

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モーツァルト:クラリネット協奏曲/ベートーヴェン:交響曲第2番
沼尻竜典/オーケストラ・アンサンブル金沢
Warner Music Japan =music=

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