余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

名古屋フィルハーモニー交響楽団第468回定期演奏会<最後の傑作>

2019年05月25日 | その他のオケ
名古屋フィルハーモニー交響楽団第468回定期演奏会<最後の傑作>
5月25日(土)16:00 愛知県芸術劇場コンサートホール

指揮/カーチュン・ウォン
ヴィオラ/ルオシャ・ファン(第4回東京国際ヴィオラコンクール第1位)

曲目:
バルトーク/ハンガリーの風景 Sz.97
バルトーク/ヴィオラ協奏曲 Sz.120[シェルイ補筆版]
シベリウス/交響曲第6番ニ短調 作品104
シベリウス/交響曲第7番ハ長調 作品105

京響定期に引き続いてね。まあ、3月の京響名古屋公演のときに「次は5月かな」とTwitterで呟いたから。
長い改修工事があったので、名フィル定期でここに来るのは二年ぶりぐらい?

ハンガリーの風景。
日本の民族派作曲家の人たちの源流のようだ。この民謡素材の処理の仕方が。
今日のプログラムの中ではカーチュンの躍動的な音楽性に一番、適した作品だった。

ヴィオラ協奏曲。バルトークの遺作ではあるが、独奏部分以外は弟子兼助手だったシェルイがスケッチを基に補筆完成させている。
だからというわけなのだが、苦手な作品である。ただでさえ晦渋な独奏部分なのに伴奏がいまいち光らないので、録音などでもじっくりと聴き通せた試しがない。
本日も全く歯が立たず。独奏者のテクニックは良かったがヴィオラに欲しい低音に力なく魅力なしでは…
違う曲で良かったのに。

シベリウス。
事前の通告で2曲は続けて演奏するという。似通った世界観の2曲であるからには十分に成立する試みではあろう、楽章数に4と1と差があるように、凝縮度の違いは大きいのだが。
先の京響定期のフランクもそうだったが、熱っぽい。熱っぽ過ぎるのだ。人の気配のないはずの音楽でも人の温もりがポツポツと感じられ、時にやや騒々しくなる。
バーンスタイン/NYPのシベリウスのような仕上がりになるに違いないと踏んで出向いたが、まあまあそのような塩梅だった。
シベリウスの音楽を愛する人で、この演奏に拒否を感じる人は少なからず出ると思う。
ただ、俺はこれを「南方のシベリウス」として聴いたので楽しく味わった。
エンリケ・バティスやカルロス・パイタの演奏を面白がる感覚に近い、侵襲性の強い西洋文明といえど変質は避けられないのだということを目のあたりにするのは面白い。
無味無臭の日本人の演奏をたくさん聴くよりは余程。

Bernstein Sibelius - Remastered
Sony Classical
Sony Classical


名フィル常任指揮者フィッシャー氏退任へ 来年度は空席

2010年10月12日 | その他のオケ
asahi.com(朝日新聞社):名フィル常任指揮者フィッシャー氏退任へ 来年度は空席 - 文化
http://www.asahi.com/culture/update/1011/NGY201010110002.html
 名古屋フィルハーモニー交響楽団は10日、常任指揮者のティエリー・フィッシャー氏(53)の2011年3月での退任を決めた。3年間の契約期間満了に伴うもので、1期限りでの退任となる。後任が決まらなかったため、来年度1年間は常任指揮者のポストを空席とし、選任作業を継続。同時に新たなポストを設け、円光寺雅彦氏(56)を正指揮者に、川瀬賢太郎氏(25)を指揮者に迎え、体制の充実を図る。

 スイス人のフィッシャー氏は、08年度から常任指揮者に就任。2人目の外国人指揮者として、斬新なプログラムと現代的な音楽の解釈により、名フィルの全国的な評価を高めた。来年度から名誉客演指揮者に就任し、年1回をめどに客演する予定。

 円光寺氏は仙台フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を1999年まで務めるなど、豊富な経験をもつ。川瀬氏は06年の東京国際音楽コンクールで最高位の2位を獲得し、将来を期待される若手。2人は定期演奏会や自主公演、依頼公演で指揮する。


大フィルでもシブイ仕事ぶりだった円光寺さんがやはりシブい中継ぎ仕事で・・・。

苦境の群響、県外公演に活路 補助金減り人件費削減も

2010年08月24日 | その他のオケ
asahi.com : 苦境の群響、県外公演に活路 補助金減り人件費削減も - マイタウン群馬
http://mytown.asahi.com/areanews/gunma/TKY201008230433.html

65年の歴史を持つ群馬交響楽団(群響)が、苦境にあえいでいる。運営は補助金が頼りだが、国も地方も懐具合は厳しい。団員の給与を削減するとともに、県外公演を増やして収入増を図るなど生き残りの道を探っている。

ですからセンチュリーだけの問題ではなくなると私は。
神奈川(金)も群馬(沼尻)もセンチュリーに関係のある指揮者が絡んでるのがなんとも言えない。

PMFオーケストラ大阪公演2010

2010年08月03日 | その他のオケ
10.8.3(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
PMFオーケストラ大阪公演
指揮/ファビオ・ルイジ(PMF芸術監督)
ピアノ/リーズ・ドゥ・ラ・サール
曲目:
ショパン/ピアノ協奏曲第2番ヘ短調op.21
バッハ/コラール前奏曲「主イエスキリスト、われ汝を呼ぶ」BWV.639(ブゾーニ編)
ブルックナー/交響曲第7番ホ長調

去年のMTTのマラ5も聴いたけど記事書かず。元気一杯のオケと健康美溢れる演奏だったけどMTTはもっと凄く濃いものが出せるはずなので。
パラパラと空席あり。9割以上入ってはいるけど、ブルックナーってそんなもんだから。

ショパン。
21歳のアリスに対してこちらは22歳のリーズ。見た目は老けて見えたが・・・。
ピアノは自己主張もそれなりにあって面白かった。指揮者はともかくオケが一部の奏者を除いて及び腰で協奏曲にはならず。

休憩挟んでブルックナー。
ヨッフムをさらに劇的にした感じ。大きなリタルダンドの頻発しつつ豊かに歌わせて見事に声のないオペラになっていた。これはブルックナーだっつーのに。
オケは助っ人で入ったピッツバーグ交響楽団のホルンがどえらい音で吹き散らかして痛快だった。センチュリーのドンナ・ドルソンを思い出す。内容はともかく臆すること無く音を出していかないと音楽は小さくなるばかりなのだ。
感動するところは微塵もなかったブルックナーだったが管弦楽の音響自体は堪能したのでよしとしたい。

神奈川フィル活動支援のために

2010年07月16日 | その他のオケ
神奈川フィル活動支援のために
http://www.kanaphil.com/info/index.html#49

神奈川フィルの活動支援のために
署名活動のご協力をお願い致します。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、お陰さまで今年創立40周年の歴史を刻むことができました。この間、芸術性の高い演奏会、子どもたちの創造力と情操を育む音楽体験鑑賞会、演奏会に足を運ぶことができない方のための出張演奏等、県民の皆様を中心に、心の豊かさ、ゆとりや潤い、感動を奏でて参りました。
しかし、クラシック中心の楽団の運営は、演奏会収入で全てを賄うことはできないのが全世界共通の課題であり、このため、どの楽団でも個人の方々をはじめ、有力スポンサーの寄附、地方自治体等の補助金で成り立っています。
昨今、国の事業仕分けで見られるように費用対効果の見えない事業は見直しの対象となり、文化芸術に関する支出は国、地方自治体とも税収の減少により大きく削減の傾向にあります。
今年度は、財政状況の悪化から神奈川県の補助金は減少しており、来年度はさらに、横浜市、川崎市を含め厳しい状況にあります。
神奈川フィルは定期会員数及び入場者数の増加、経費削減等、自助努力をしておりますが、今後の厳しい動向によっては存続そのものが問われる状況になることも予測されます。
皆様の応援の署名及びメッセージにより、楽団がこれからも神奈川県の文化のシンボルとして、県内各地ですばらしい音楽を皆様にお届けできるよう神奈川県及び市に対し、要望して参りたいと思います。
今後とも、神奈川フィルは音楽を通じて、皆様の生きる力と充実した人生に繋がりますように一生懸命頑張って参る決意です。
多数の方々の署名と応援メッセージを、何とぞよろしくお願い致します。

署名記入用紙と詳細はこちら
署名と応援メッセージの入力はこちら

平成22年7月14日
財団法人 神奈川フィルハーモニー管弦楽団


まだまだ序の口だぞ。
東京の下のほうが崩れて初めて「ああそうか日本全体がとうに疲弊してるんだな」とようやく気がつくよ。

非破壊検査Presents読売日響名曲シリーズ大阪公演

2010年05月03日 | その他のオケ
10.5.3(金)18:00 ザ・シンフォニーホール
非破壊検査Presents 読売日響名曲シリーズ
《シルヴァン・カンブルラン 第9代常任指揮者就任披露演奏会》
指揮/シルヴァン・カンブルラン
曲目:
バルトーク/二つの映像op.10
モーツァルト/交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
ストラヴィンスキー/サーカス・ポルカ(アンコール)

ここ最近ヘンスラーなどから出ているCDを聴いて、こいつはエロいと。
顔を見て、やはりエロいと。
指揮姿を見て、とにかくエロいと。
おぢさんと同じ匂いがする。人生は所詮エロスだと悟りを開いた方とお見受けした。
読響の首席指揮者にご就任になられるというので関西でもお披露目の演奏会がある。
行かぬ手は無い。幸い招待券を貰いました(ヤフオクにも溢れるほど出ていた)。

バルトーク。
どうでも良さそうなこの曲からしてすでにおかしい。バルトークの初期作品ならもう少し土俗的な演奏でいいのに、貴族が乞食やロマに扮装して舞い踊るような倒錯した気品に満ち溢れていた。曲者以外の何者でもないことを確認して喜ぶ。

モーツァルト。
純白の演奏。一聴するとのっぺりとした、起伏の無い演奏に聴こえるかも知れないが、その質感が会田我路の作品ばりに艶かしい。柳腰のユピテル。後日35番38番のCDを聴いたが緩徐楽章はことごとくこのタイプの演奏だった。

休憩挟んで春の祭典。
テンポの伸縮が異常でオケが大変そう。メシアンBOX買ったんだけどさ、あれも変なところで音楽が止まったり突然伸びたりする。結果的に顕微鏡的なフェティシズム溢れる瞬間が産まれる。耳とか臍とか足の指とか舐めるタイプだと思うね。
最後のいけにえの踊りはその反復するリズムがまさにセッ(ry

アンコールは普通だった。
よみうりテレビが収録してたから楽しみ。

この指揮者なら東京まで遠征したい。

プリンシパル・ゲスト・コンダクターにヤクブ・フルシャが就任

2010年04月08日 | その他のオケ
東京都交響楽団
http://www.tmso.or.jp/j/topics/index.php#100407
財団法人東京都交響楽団は、今季から新たにヤクブ・フルシャ氏をプリンシパル・ゲスト・コンダクターとして迎えることを決定いたしました。

若手指揮者で良さげなのはどんどん東京に押さえられてるな。

「オーケストラの日2010」~京阪神地区オーケストラコンサート~

2010年03月31日 | その他のオケ
10.3.31(水)19:00 NHK大阪ホール
「オーケストラの日 2010」

指揮/藤岡幸夫
指揮/大山平一郎
指揮/茂木大輔
指揮/広上淳一
指揮/小泉和裕
指揮/飯守泰次郎
司会/上田早苗(NHK大阪放送局アナウンサー)
曲目
コープランド/市民のためのファンファーレ 藤岡/京阪神地区合同オーケストラ
ストラヴィンスキー/協奏的舞曲 大山/京都フィルハーモニー室内合奏団 
バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番[初稿版] 茂木/兵庫芸術文化センター管弦楽団
プッチーニ/交響的奇想曲  広上/京都市交響楽団
マスカーニ/歌劇「友人フリッツ」間奏曲 小泉/大阪センチュリー交響楽団
ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲 小泉/大阪センチュリー交響楽団
ブラームス/交響曲第4番ホ短調op.98より第3楽章~第4楽章 飯守/関西フィルハーモニー管弦楽団
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より前奏曲 藤岡/京阪神合同オーケストラ
エルガー/行進曲「威風堂々」第1番ニ長調op.38-1(アンコール) 藤岡/京阪神地区合同オーケストラ

ようやく関西力が結集されるイベントが出来た。
大阪国際フェスは国際とは名ばかりになってしまったままフェスティバルホール再建まで休止だし、大阪クラシックはいい企画だがつまりは大フィルクラシックじゃないかという悲しさがどこかにあるし、中ノ島音楽祭は予算少なく企画が厳しい。。
とはいえ今回のこれも大フィルとシンフォニカーは支援先(大阪市・堺市)に関連する企画をすでにスケジュールに組んでいて参加できなかった。大フィルはラストのマイスタージンガーの各セクションにコンマス長原幸太を筆頭にそれぞれ一名ずつ(とスタッフ1名)を送り込んで何とか面目を保っていたが、シンフォニカーは出せる人的余裕が無いのでどうにも出来なかったようだ。
BKの広々とした1階アトリウムでは各オケが自前のコーナーを用意してパンフやチラシを配り、センチュリー有志の演奏に関フィルメンバーによる弦楽器体験が行われて盛況だった。
完売した会場だったがF5列までが舞台拡張のために潰され、残りのF列は下手ブロック以外は空席。関係者と参加者用の座席にしたらしい。

コープランド。
緊張からか音が硬かったり揺れたりしていたが、曲が良いし、幸夫の動じない熱い指揮ぶりで客を初っ端から弾き付けた。オケの日だっつーのにいきなり金管と打楽器だけでやられたら、そら驚くやろ。
やおら上田早苗登場。ルソンの壷を毎週楽しみにしてるアナヲタおぢさんのテンションが俄然上がる。やはり女は40歳からだよな、とこの後びわ湖で17歳の涙に感動する人間とは思えない言葉を呟く。
次の曲を振る大山さんを呼び込む。大山さんは京都出身、関西ではシンフォニカーの前首席指揮者だったので御馴染み。京都フィルハーモニー室内合奏団の真摯な姿勢を褒める。ストラヴィンスキーの作品は架空のバレエのための作品なのでそれを思い描いて聴いて下さいとのこと。
ストラヴィンスキー。あんまり馴染みのない作品だけど、鳴り始めて「ああこれか」と思い出せた。一時期デュトワ盤で良く聴いた曲。新古典主義時代の作品で乾いた音色と愉快なリズムで結構楽しい。この指揮者と団のマジメさで曲は丁寧に再現されてたが、緊張感を途切れさせずに聴き通させるにはもう一つ遊び心というかハメを外したところが無いと退屈しちゃうね。
続いて茂木さん。N響の首席オーボエとして、また最近では指揮者としてよく知られている。オケを題材にした書き物も上手で何冊も出しているマルチな人。この後に登場する広上さんの下、東京音大に入って指揮法を勉強中なんだそうだ。その広上さんがリハから客席に陣取って聴いて下さっていたので緊張する、師匠の前で演奏するのは大変だ。PACは海外の若手も多く在籍していて不慣れな英語でリハするのは楽しかった。ソリストを中央に座らせてそれ以外は経って演奏するが、それはバッハ時代の演奏形態を再現した配置にだから。バッハ時代の雰囲気はどうだったか想像しながら聴いてもらえると嬉しい。
バッハ。
コンマスは関西オケにも時々客演している広島交響楽団のコンマス田野倉さん。
とりあえずこのPACのホルン2人を大フィルにお願いできますか。
茂木さんの指揮・・・そうねえ、N響のためにも指揮に専(ry

ここまで3曲、ステージマネージャー大忙しで40分ほど経過している。
「休憩は無い」みたいな張り紙におぢさんは気が付かなかったんだがあったのかな。

続いて広上さん。(茂木さんが頑張っていたので自分は)引退できますね(笑)学生と一緒に椅子並べたりしてくれているんです、オーボイストとしてはトップの方ではないですか。その方が指揮を一から学ぼうと。素晴らしいことですよね。今回の企画も関西の様々な団体を聴いて頂ける。それぞれの味を楽しんでいただくわけで良いことです。京響は良い演奏をするという原点に返って、手前味噌ですが定期が7回完売しています。プッチーニの作品は若書きながらも天才性がすでに発揮されているもの、ボエームの旋律なども出てくるしお楽しみいただけると思う。
プッチーニ。
定期でやり東京公演でやりで今日は3回目。オケも十分咀嚼出来てるぶん、テンポの伸縮とダイナミクスの変化が加わって先の定期に比べてかなり劇的な仕上がりになってた。逆にこの場で最後ということもあって張り切りすぎたのか、はたまたホールのせいか金管がやや汚く響いたのが少し残念。本日登場のオケの中では合同オケを除けば最大のオケ。お客様もノッてきた。3月末の今日が本当に最後の演奏になる京響卒団者の参加者が沢山握手を求められていた。去年のセンチュリーさんのオケの日もそうだけど、こういう瞬間が分かるってのはマニア的には楽しい。
続いて小泉さん。センチュリー20周年の話題を振られる。私も20年前からセンチュリー響を知っている、振っているわけですが、非常に真摯な真面目な情熱のあるオーケストラです。ご存知かとは思いますが昨今は大阪府の財政が厳しいことなどで新しい体制を我々センチュリーオーケストラも作らねばならないわけですが、今後も皆様に良い音楽を提供していける体制作りを考えていますし、動いていますのでご心配なさらず。
・・・信じるよ和裕。
マスカーニ。
カラヤンの大名盤、オペラ間奏曲集で聴いたことがある人も多いでしょう。小泉さんの十八番でもあるわけ。牧歌的な筋書きらしいのだがこの間奏曲はちょっと雰囲気が違う。威圧的な開始、むせるような弦楽器の歌から輝かしい終結まで一音も手を抜かせず客にも気を抜かせない小泉さんらしい力技。
ヴェルディ。
切迫感に満ちた冒頭の金管に続く木管が素晴らしくて。おぢさんは一緒に歌おうかと思ったぐらい。完成してるねえ。
この際NHK大阪センチュリー交響楽団になりませんかね。だめですかね。

さすがに1時間半休憩無しだと客が慌てて席を立つ。

続いて飯守先生。おぢさんの目からも明らかに興奮気味な先生。西濱さんが副委員長として働くこの大きな企画、しかも取り上げる曲が目下録音中のブラームス交響曲全集から第4番の3~4楽章。この4番はこれの5日ほど前からリハと録音してるところが関フィルの抜け目なさだよな。出し物の練習にもなって一石二鳥だもの。
素晴らしいですね、関西のオーケストラがこのように集まって演奏をする、それを皆様に聴いて頂く。しかも取り上げる曲も各国の特色溢れる・・・コープランド。アメリカ。ストラヴィンスキー。ロシア。ドイツ。マスカーニ・ヴェルディ。オペラ、イタリアですね。バッハ、我々これからやりますブラームス、最後のワーグナーはドイツ。旅のようですね。あと・・・あと・・・これは言ってはいけないかな、皆様に拍手を沢山いただけたらおまけもありますね。
ベテランアナウンサーをもってしても飯守先生は御することが出来なかった。小さな声で「エルガー」って言っちゃったもの。
ブラームス。
こうして各楽団を並べて聴くと、関フィルさん楽員一丸となって歌うときってのは異様な魅力ですよね。憑依系。
ブラームスチクルスはすでにやったわけですが、再演してもいいんじゃないかな。

2時間超えた。

幸夫登場。
すごい。素晴らしいですよ、関西のオケがこうして一つの演奏会をやるってのは凄いですよ。東京はそうではないですけど、関西は(一つのオケでポストにつくと)他の関西のオケをなるべく振らないようになるわけ。個性が生まれてくるんですよね。関西は人口1000万でしょ?オケが多いってことはないですよ。そのオケ同士でお客様を取り合うんじゃなくて新しいお客様をどんどん開拓していかないといけないし、そういう気持ちで頑張ってます。
でもね、普段会わない指揮者の方に会う、飯守先生は関西フィルで同じなのでよく顔を合わせますけど、広上さんは僕がヨーロッパで勉強していた頃に何度も飲みに連れて行って頂いて今でも仲良くしてくださる兄貴分みたいな方、茂木さんは初めてお会いしたけど素敵な方ですよ、話も面白いし。小泉さんは僕が日本フィルの指揮研究員だったときに定期の指揮にいらして、(その時のプログラムは)春の祭典だったんですけど小泉さんに振り方を沢山細かく教えて頂いて、今でも僕は春の祭典振るときには小泉さんのアドバイスを大切にしてます。今日久々にご挨拶しました。大山さんは元々ロスフィルのヴィオラのトップって凄い音楽家で、あの、今日はすごいですよ、大山さんはこの後のマイスタージンガーにヴィオラで・・・(と、ヴィオラを見渡す)弾いてくれるし。やりにくいよ、先に指揮した人がオケの中にいるってのは。しかもさ、リハの時は位置が違ってたのに、僕の目の前に来るように配置が変わってるんだよ。わざとだよ。でさ、自分の出番が終わったからってセンチュリーの太田君とPACの田野倉君が一番前の客席の真ん中で並んで座ってる!これ絶対に冷やかしだよ。

さすがにトーク慣れしてる(笑)
長原岩谷泉原と並んでるヴァイオリン見た時点でおぢさん涙目。ザ・カレッジ・オペラハウス管からも加勢が来て107人の合同オケの大演奏。そらまあ大味っちゃあ大味でしょうけど、お祭りの味ですから。夜店の焼きそばに高度な味わいを求めないでしょ。雰囲気もんですよ。こういうのは。
盛大なブラボーと拍手。

アンコール前に早苗が広上さんの言葉を引用。
たまにカップラーメンが食べたくなるでしょ?カップラーメンは確かに美味しいけどあれは音楽で言えばCDです。ごちそうを、生のオーケストラを聴くことで初めてカップラーメンの良さ、CDの良さが分かるんです。生の演奏に勝るものはありません。
エルガー。
勢い良く出てきた幸夫だったが、幸太はそれに気づかず大曲で荒れたオケを整えたかったのかチューニングの合図を出しちゃった。第1ヴァイオリンの途中で立ち往生する幸夫に会場はこの日一番の爆笑。
関フィルさんだと時には幸夫の左手が震える前にヴィヴラートをかけるぐらいの以心伝心があるわけですが、合同オケだと関フィルメンバーだけが即応してるのが目に見えてその差が楽しいね。
Land of Hope and Gloryと歌うのは無理でも手拍子したかった。

幸夫が全指揮者を引っ張り出す。すでに普段着に着替えていた面々登場、パープルのカーディガンで出てきた小泉さんはその格好で客前に出るのが気乗りしなかったのか笑顔で幸夫に「藤岡君これで出ちゃったら」みたいなことを何回も。オケから大山さんも出される。広上さんはグリーンのトレーナー、しかもディズニーってど真ん中に・・・NHKのカメラも回ってたのに(笑)

6人全員でカーテンコール。

300人以上が舞台に上るという一大イベント、休憩無しで2時間30分超えという笑顔の苦行でした。
出口で西濱さんがいたので「来年・・・」と訊いたら来年も企画は上がってるっぽい返事。
皆様楽しみにお待ちください。



ピエタリ・インキネン氏 日本フィル首席客演指揮者 就任のお知らせ

2009年03月09日 | その他のオケ
ピエタリ・インキネン氏 日本フィル首席客演指揮者(Principal Guest onductor)就任のお知らせ

私ども財団法人日本フィルハーモニー交響楽団では、より一層の演奏活動の充実を目指し、2009年9月よりフィンランドの俊英ピエタリ・インキネン氏を「首席客演指揮者(Principal Guest Conductor)」のポストにお迎えすることとなりましたので、謹んでお知らせいたします。
ピエタリ・インキネンは2008年の横浜定期演奏会において鮮烈な日本デビューを果たしました。音楽の持つドラマ性を全面に引き出しつつ、その構造をも浮かび上がらせる彼の鮮烈な手腕に、お客様のみならずオーケストラ・メンバーも魅了されました。今全世界のオーケストラから注目が集まる指揮者ピエタリ・インキネンの登場にどうかご期待ください。
 日本フィルは、首席指揮者アレクサンドル・ラザレフ、客員首席指揮者ネーメ・ヤルヴィ、そして 首席客演指揮者イルジー・ビェロフラーヴェクとピエタリ・インキネンという指揮者陣で演奏活動を進めてまいりますので、どうぞ引き続きご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

この記事を見てしみじみ思うのは英次がああいうことになった今、大阪フィルハーモニー交響楽団の事務方はメカニック的な面でサポートになる指揮者を押さえるか、もう一つの看板をこさえておく必要があると。
御大が亡くなられてからの右往左往を忘れたわけでもないでしょ。
まあ下野さんを読響に持ってかれた時点で終わってるか・・・。
ブルックナー:交響曲第0番
下野竜也/大阪フィルハーモニー交響楽団
エイベックス・クラシックス

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読売日響名曲シリーズin大阪

2009年01月27日 | その他のオケ
読売日響名曲シリーズin大阪
2009年1月27日(火) 19:00開演
会場:ザ・シンフォニーホール
指揮/上岡 敏之
ピアノ/フランク・ブラレイ
曲目:
J.シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
ヨゼフ・シュトラウス/ワルツ「隠された引力(デュナミーデン)」op.173
R.シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」組曲
J.シュトラウス2世/ポルカ「雷鳴と稲妻」op.324(アンコール)

私の周辺では実演に接した人もあまりいないので、録音・放送をベースに毀誉褒貶相半ばといったところの上岡敏之さん。
綺麗だけど水みたいで記憶に残らなかったブラレイはさておき、上岡さんは自己陶酔的なものを感じさせるタクト捌きと、癖のある緩急と旋律への耽溺が見る分には大変面白かった。ただ、ああいう振り方ならこういう音楽作りになるに違いないという想定の範囲内にほぼ収まってるけどね。
このタイプの演奏は好き嫌いが分かれるらしいけども、おぢさんは一瞬一瞬に歓喜と嫌悪が交錯していくので楽しいです。下品な例を言うならば、フェ○されながら耳元で黒板を引っかく音を聴かされるようなえげつなさ。
放って置くとコバケンみたいにならねえかな。
また聴きに行こう。

東京都交響楽団 ハーモニーツアー 2008 → 2009大阪公演(予定)

2009年01月15日 | その他のオケ
09.1.15(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
東京都交響楽団 ハーモニーツアー 2008 → 2009
指揮/レオシュ・スワロフスキー
ヴァイオリン/ウート・ウーギ
曲目:
ブラームス/ハンガリー舞曲第1番ト短調
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35
パガニーニ/24の奇想曲より第24番(アンコール)
ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調 op.95「新世界より」
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲(のどれか・・・忘れた)

PMFオーケストラ大阪公演2008

2008年07月29日 | その他のオケ
08.7.29(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
PMFオーケストラ大阪公演
指揮/ファビオ・ルイジ
チェロ/ヤン・フォーグラー
曲目:
R・シュトラウス/交響詩「ドン・キホーテ」op.34
ベルリオーズ/幻想交響曲op.14

今年のPMFはメンバーに力が無くてやや不作。
それにオレもルイジのわちゃわちゃしたホットな指揮が見たかっただけなのでメンバーには申し訳ない。
R・シュトラウス好きなオレだがドン・キホーテはつまらんと思う。

BBCフィルハーモニック 2008大阪公演

2008年03月15日 | その他のオケ
08.3.15(土)17:00 フェスティバルホール
BBCフィルハーモニック 2008大阪公演
指揮/ジャナンドレア・ノセダ
ヴァイオリン/ヒラリー・ハーン
曲目:
ストラヴィンスキー/歌劇「妖精の口づけ」よりディヴェルティメント
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲op.47
バッハ/無伴奏Vnソナタ第2番BWV1003よりアンダンテ(アンコール)
ベートーヴェン/交響曲第7番op.92
ベートーヴェン/祝賀メヌエット変ホ長調WoO.3(アンコール)

多くの方はハーンが聴きたくてこの会場に詰め掛けたと思うのですが、私はシャンドスやらBBCmusicmagazinの付録で聴くことの増えた愛すべきハゲを見たかっただけ。いや!もちろんハーンも楽しみですよ。出てる録音は出来る限り集めているつもりだし。
入りは6割無いと思う。オケのランクから考えると高いもの。チケット。

ストラヴィンスキー。この曲苦手だわ。さっぱり面白くない。オケのドまん前とかで聴いたら印象変わるかね。BBCフィルの微妙な技術もねえ・・・。
シベリウス。先行して発売されていたCDで予測は付いてましたが、無色透明で美しいソロが滔々と流れていくだけ。別にシベリウスでなくても現時点のハーンさんは何弾いてもこれなんじゃないすか。ノセダがフランチェスカッティ盤のバーンスタインばりに雄弁で場違いなバックをやっていたのは楽しかったけども、これも本来なら如何なものかと。

ベートーヴェン。先年聴いた大フィルと比べればなんとヘッポコなオケであることか。指揮者はいつか指揮台上で死ぬタイプだと思う。パフォーマンスとしては最高だったけど演奏としてはがっかりした方も多いんじゃないかな。

いずみホール ベートーヴェン 交響曲全曲演奏会 vol.5

2007年12月15日 | その他のオケ
07.12.15(土)16:00 いずみホール
ベートーヴェン 交響曲全曲演奏会 いずみシンフォニエッタ大阪
指揮/飯森範親
ソプラノ/松田奈緒美
メゾソプラノ/谷田育代
テノール/畑 儀文
バリトン/高田智宏 
合唱/特別編成合唱団 
曲目:
西村 朗/ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲 (委嘱新作)
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調 op125「合唱付き」 

言うまでも無く満員。シリーズ最後を飾るのはいずみホールの座付きオーケストラ、いずみシンフォニエッタ。関西出身の名手を集めた高度で緊密なアンサンブルが売り物で現代音楽を中心にした定期演奏会は大変好評。あまり聴けないけど。
開演前に音楽監督の西村朗と常任指揮者の飯森範親が出てきてあれこれ語る。作曲家を志したきっかけがベートーヴェンなので、彼の曲の素材を用いた作品を作るのは刺激があって興味深かったと西村。今回はベーレンライター版の楽譜を用いてベートーヴェンの時代の奏法も考慮に入れた演奏をしようと楽団と取り組んだので是非楽しみにしてもらいたいと飯森。

新作については作曲者の言うとおり、ベートーヴェンの交響曲を聴き込んだり読み込んだりしていればいるほど楽しめるというか苦笑出来るというかという作品。奏者の分割の仕方やリズムのずらし方などに西村らしい部分があって個人的にはそちらのほうが面白かった。

休憩挟んで第9。
なるほどティンパニは時代楽器を使用し、薄いヴィヴラートに速めのテンポで今時流行りのベートーヴェンに仕上がっているし、楽団の持つ瞬発力などが前半2楽章では遺憾なく発揮されてもいた。3楽章はこのやり方だと清澄だが薄味になるのは仕方ないし、関西の実力ある声楽家を集めた特別合唱団も日ごろ聞いている市民合唱団のようなものとは比べ物にならない威力があってやはり合唱付きというだけあって合唱が重要だと思いもした。ただこの合唱は飯森も言うベートーヴェンの時代に照らして如何なものか。精進料理にいきなりステーキが出てきたような衝撃に頭がクラクラして何がなんだか分からずブラボーも出たが・・・正直これで大団円とは言えない様な(笑)
出来ればこのオケだけでいつか全曲演奏会などやってくれたら指揮者の意識もさらに浸透した聞き物が出来るに違いないので、そういう機会が来ることを楽しみにしたい。
ともあれ色々なベートーヴェンが聴けた見事な企画だった。この期間仕舞ったままになっていた録音物や書籍を出してみたりピアノでなぞってみたり楽しい日々が過ごせて嬉しい。

次は明日。また第9や(笑)

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団来日公演2007京都公演

2007年11月24日 | その他のオケ
07.11.24(土)17:00 京都コンサートホール 大ホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/ズデネク・マカル
アルト/ダグマル・ペツコヴァ
合唱/京都市少年合唱団、プリムローズ、合唱団京都エコー
曲目:
マーラー/交響曲第3番ニ短調

京都。ちと夜風が冷たいね。
係員の「本日の演奏会は休憩ございません」の連呼におばさんたちが慄く。一応通常のコンサート(オペラや宗教曲除く)に乗せるプログラムとしては最長となるこの作品。始まったら1時間30分ほど身動きもせず終わるまで待たなければいけない。にも拘らず明らかに招待客が多い(笑)招待するほうも考えればいいのに・・・。
結果、最終楽章までに20人くらいが脱落して席を立つ始末で。

この曲を初めて聴いたときは第1楽章しか聴き通せなかった。それでも30分以上あるんだけど。冒頭の威圧的な部分のかっこよさにシビれたものの、マーラーの他の作品に比べて起伏が激しいのに一つ一つのシークエンスが長くて緊張が途切れちゃって。
何年かするうちにマーラーとともに巡る森と山々の旅のような仕掛けを感じて通して聴けるようになった。これは最終楽章に、同伴者だと思っていたマーラーが、となりにいたはずのおっさんが実は神も愛でたに違いない優和で美しい天使だった、みたいな息を呑む瞬間があって、そこで必ず涙が出るんだけれども、今回の演奏では隣の席の女子が先に泣き出してしまって、おぢさん泣くタイミングを逸する。
チェコフィルは上手いというよりも美しいというほうが相応しいオケで、全ての音符をこれ以上無いぐらいに美しく美しく奏でていた。
幸せ。

次は28日。