余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪センチュリー交響楽団 第144回定期演奏会

2009年09月10日 | 大阪センチュリー交響楽団
09.9.10(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団 第144回定期演奏会
指揮/ジョセフ・ウォルフ
ピアノ/アンドレ・ワッツ
コンマス/太田雅音
曲目:
エルガー/セレナード ホ短調op.20
エルガー/ため息op.70
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調op.58
ハイドン/交響曲第104番ニ長調Hob.I-104「ロンドン」

10.September.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Century Orchestra Osaka 144th SubscriptionConcert
Conductor/Joseph Wolfe
Piano/André Watts
Concertmaster/Masane Ota Concertmaster of the Century Orchestra Osaka
Program:
E.Elgar/Serenade in E minor Op.20
E.Elgar/Sospiri Op.70
L.V.Beethoven/Concerto for Piano and Orchestra,No.4 in G major,Op.58
J.Haydn/Symphony No.104 in D major,HobI-104 "London"

言わずと知れた名指揮者コリン・デイヴィスの息子。親父も得意なハイドン&エルガーというセンチュリーさんが得意な作品で皆様のご機嫌を伺います。

太田くんが単独コンマス。定期では初めてじゃないか?
ロジェストヴェンスキーが父親で有名な指揮者のアノーソフの名を受け継ぐのを嫌って母親の名を名乗ってるのに似た形なのかジョセフよ。力いっぱい音楽一家になっているヤルヴィ家やザンデルリンク家はどうなる。まあインバルや朝比奈御大のご子息のように微妙の極みみたいな人物もおるのでとやかくは言わない。ましてマキシム・ショスタコーヴィチに至っては。

エルガー2発。セレナードの高貴さを聴け!作品の品の良さとセンチュリーさんの少し冷ややかな弦がヲルフ(気に入ったのでこれでいこう)の棒で見事に纏められた。ため息も同様。最上のバランスを最上の響きのホールで聴く喜びも極まったと思う。ヲルフの感興に満ちた指揮姿もいい。心から演奏を愉しんでいる感じがするじゃないか。
ため息ではハープとオルガンが加えられたんだけど・・・俺の席ではそこそこ聴こえたけど後ろのほうは聴こえたのかな・・・。
ベートーヴェン。日本人でないと皇室に対する尊崇畏敬の念の深さって分からないじゃない。日本を出てみると千数百年の長きに渡って日本の最高権威者として存続し続ける世界唯一の皇帝一族として畏怖されてるんだと感じる。日本史なんてのも実際はともかく、史伝では天皇一族の子孫の権力争いでもあるわけで。それと同じで、ワッツさんなんてのの存在の深い意味はアメリカ人にしか分からない部分が多分あるわけ。Tウッズやエリントン、今のオバマとか。アメリカ史におけるアフリカン・アメリカンにまつわる物語は日本人には計り知れないものが渦巻いているんだろうな、というおぢさんの思いとはうらはらに、ワッツさんはのっそり出てきてずんぐりした手指から信じられないぐらいに柔らかいタッチを繰り出して、ヲルフの代わりに半ば指揮する勢いでセンチュリーさんを鼓舞して去っていきました。
そうねえ、来日直後らしくてミスタッチがやや多いのが気になったのと、CD・レコードで聴いても分かるとおり、作曲家ごとに色変えてくようなこともない単色のピアニズムに年輪が加わってたのでモーツァルトが聴きたいなと思いました。

休憩挟んでハイドン。
若いヲルフは自分のやりたかったアイデア(とくにリズム面)を出し尽くしたね。曲をよく知ってる人ほど「えっ」「おっ」「あっ」の連続だったのではないか。曲を知らない人はなんて良く歌いよく踊れる作品なんだろうと思ってくれたら嬉しい。オケも若いコンマス筆頭によくついていったと思う。
これや!こういう機能美に溢れたオーケストラコントロールと音楽の愉悦が融合した健康そのもののハイドンが聴きたかったんや!と終演後に吼えてみたものの、不健康なハイドンって何だろうとライオン前の横断歩道を渡りながら一人ごちた。
是非また呼んで下さい。


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