月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『よいのがだしたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
摘(つま)んだ形(なり)が つく羽根のかたちに似たる煎餅を
妬(やく)といふ字も白絲(しらいと)の 染るに易(やす)き柳巷(さと)習い
恋風吹な ナアふくなと 金の羽子板 夫(それ)ならで
金玉(きんぎよく)よりも尚尊(なおたか)き
押絵の二字は俳優の 肖像(にがお)え入(いれ)る綿も紡(つ)み
機(はた)も おりおり辻占(つじうら)に 末はかならずよくなるよ
願い叶って嬉しいよ というを守つて 堅固(ものがた)く
勉強するのが雛妓(おしやく)の道ぞと
家暮(やぼ)をいうのも 記者(かきて)の性質(もちまへ)
藍泉散士醉題
衝羽根(つくばね) : 羽子板遊びの羽根
柳巷 : 色町のこと