月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『はんだんをしてもらいたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
大吉というは芸者の名に似て
半吉というは欝悶(じれったい)の大炉々(おおこんこん)
凶を以て吉に祈(のり)かえし 吉を凶となす判談(はんだん)は
御籤(みくじ)の数の百物語
暗鬼(あんき)を生(いだ)すも意(こころ)のまよい
癇気(かんき)を發(おこ)すは疑念(まわりぎ)から
真(まこと)の節操(みさお)正しくば
末の願いも家内とよばれ 這家(こち)の良人(だんな)と成田山
護摩もすらずに務むれば
御鬮(みくじ)の吉兆(よしあし)なんどに因(よら)んや。
轉々堂主人誌
暗鬼:<暗がりの中に見える鬼の意から>不安や妄想による恐れ
這家:この家
今回で「見立多以尽」 20作の完走です。ご訪問ありがとうございました。