月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『手があらいたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
西日を除けて蛭(えび)釣に 絆(もや)いし船も首尾の松
見て見ぬふりの船頭が 捨(すて)てお庫(くら)の石垣を
出這入る蟹も舟虫も 手のたんとある婀娜(あだ)ものは
涼し過ると青簾 おろして絞る肌の汗
嬉の杜と見ゆれども 虚言(うそ)を筑波の夕颪(おろし)
秋にうつるも近かるべし
轉々堂酔禄
婀娜者 : あだっぽい女。粋な女。