ブルーベルトとブラックベルト

韓国の検察の話です。
専門的知識をもった検事を、ブルーベルトやブラックベルトとして
積極的に養成しているというおはなしです。
検察の世界も、腐敗がゼロとはいえぬようですが、
こうした、「正義の味方」で「頼もしい」検事がたくさん出てきてくれたら、
市民生活も、すこしはマシになるのかもしれません。

♦ここから引用♦

2012年9月に忠清南道天安(チョナン)のある住宅街の奥の間、
酸素呼吸器をつけたまま目を閉じて横たわっていた金某(当時58歳)氏と
宋・ハンソプ(35)検事の間に激しい駆け引きが繰り広げられた。半日続いた。
結局宋検事の追及に金某はあきらめた様子で、ベッドをはたいて立ち上がった。
1991年、妻を殺害した疑いで懲役刑を宣告された後、
20年間植物人間になりすました男性の'演劇'が終わる瞬間だった。
金某は即時再び収監された。
金某は6ヵ月ごとに状態確認を受けたが、毎回、植物人間と言い、刑執行停止を延長してきた。
しかし、2012年に新しく赴任した担当検事がなんとソウル大学医学部を卒業し
医師資格証まである宋検事だった。
宋検事は、金某の医療記録に脳損傷の病氣がない点に注目した。
20年間寝て過ごしたという人の筋肉に退化の痕跡がなく、床ずれも発見されなかった。
宋検事が直接金某を訪ねていってみると、金某と彼の娘二人だけの住む家のトイレの便座カバーが
上げられていた。さらにクローゼットの中に、男性の筆跡で書かれた日記が発見された。
宋検事は、"医師でなければ、確認できない内容"とし、
"検事の目で現場を注意深く観察したおかげで虚偽の事実を明らかにできた"と話した。

柳・ギョンピル(44)ソウル中央地検検事は、船舶事故・海洋犯罪専門だ。
木浦(モクポ)海洋大学修士出身で韓国海洋大学の海上保険の博士課程を踏んでいる。
麗水(ヨス)原油流出事件と泰安(テアン)原油流出事件などを捜査した。
2014年4月、セウォル惨事が起きた時はカナダへ留学中で、
急遽帰国して光州地検の木浦支庁に合流した。

柳検事はセウォル号の復元力実験をするため、船舶の重さ、船積みの量、搭乗人員などの
証拠資料を収集して韓国海洋研究院に渡した。
シミュレーション結果は、裁判に証拠として提出した。

法務部は彼らのように、一つの分野で専門性を持つ検事たちを育てている「専門検事制度」を
2013年11月から運営している。
このため、最高検察庁は企業捜査・医療・海洋・性犯罪など173の分野を指定して専門検査を養成している。

毎年40~50人ずつ増やして2017年まで修士・博士級の専門検事200人を確保する計画だ。
専門検事が引き受ける「専門事件」の割合は2013年、全体事件の6.8%から2014年20%に増加した。
事件当事者が下級審の結果に不服として控訴する割合も専門事件は5.5%で、
一般事件13.9%の半分以下になった。無罪率も、一般事件の半分水準だという。

法務部は、事件処理の実績と資格証・學位保有の如何などを考慮して「ブルーベルト」を授与しており、
このうち外部専門家と比べて遜色のない場合は「ブラックベルト」を授与している。
専門検事制の導入後、76人のブルーベルト検事が選定された。

国外資産逃避分野でもブルーベルトの認証を受けたユ・ジンスン(41)光州地検特捜部検事は、
全斗煥一家の海外秘密資金、CJグループのトップ一家の国外逃避事件など大型事件を担当し、
ノウハウを築いた。
李鍾益(イ・ジョンイク)(43)昌原(チャンウォン)地検検事は、大学で航空宇宙工学を専攻した
大韓航空エンジニア出身だ。
航空事故専門検事として活動し、2011年の蔚珍(ウルジン)訓練院所属の軽飛行機2機が空中衝突して
操縦士2人が死亡した事件を捜査した。

チェ・ヨンア(38期)ソウル中央地検特殊3部の検事は、性的暴行の分野専門検事として認証を受けた。
2012年、8歳の男の子にセクハラを強制した男性に国内で初めて性衝動薬物治療(化学的去勢)処分を引き出した。
検事は、"性暴力犯罪は、被害者が捜査段階で一度だけ供述をするようにしなければならないという点で、
慎重な捜査技法が必要だ"と話した。
食品医薬品関連の事件で専門の担当に指定されているソウル西部地検には、
淑明(スクミョン)女子大学薬学大学院の毒性学課程に続き、
中央大学医薬食品大学院修士課程を踏んでいるリュ・ドンホ(45)検事がいる。

法務部は今年下半期中にこうした検事のうちからブラック・ベルトの専門家を選定する予定だ。
検事長や部長検事9人で構成された認証審査委員会が、専門性を審査する。

参考サイト：중앙일보http://joongang.joins.com/article/632/17512632.html?ctg=1200&cloc=joongang|home|newslist1

♦ここまで引用♦