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町家と元興寺~奈良・さんぽ

2022-04-22 | 旅行
おはようございます。

今月初めに出かけた、京都・奈良への母娘旅は、
日々に追われ、なかなかアップできずにおります。

忘れないうちに、まとめておきたいので、頑張って・・・
本日は、久しぶりの母娘旅・「ならまち」編です。
どうぞ、おつきあいくださいませ。



奈良のお宿は、「ならまち」でした。
ならまち」は、江戸時代の末から明治の頃に栄えた、
町屋の風情の残る街です。

さすがに、一日歩き続けだったので、母はダウン、
わたし一人で、街歩きへ出かけます。



まずは、元興寺(ガンゴウジ)へ走りました。
拝観受付ギリギリに飛び込んでの、お参りです。


世界遺産「古都奈良の文化遺産」の元興寺。
飛鳥の頃(588年)、曽我馬子が建てた法興寺(飛鳥寺)が前身だとか。

588年って・・・まだ、元号がないんですよ!
元号が使われるのは、「大化」の645年以降なので・・・


あの「世界最古の木造建築」とされる法隆寺も、
元号のない時代の創建ですが、
こちらは607年と、伝えられています。

1500年超えの由緒って・・・・
時の流れに、クラクラしそうです。すごいっ!


(このあたりは日本最初の瓦。飛鳥の名残だとか)


その後、平城京遷都(和銅3/710年)にともなって、
養老2(718)年、この寺も奈良へ移ります。
国の庇護も受け、奈良の都をリードする一大勢力となりました。

あの東大寺の大仏開眼で、元興寺の僧侶が献歌しています。

「美那毛度乃 乃利乃於古利之  度布夜度利
阿須加之天良乃 宇太々天万都留」  (東大寺要録)

(みなもとの のりのおこりし とぶやとり
あすかのてらの うたたてまつる)

万葉仮名で、わかりにくいので、以下に書き下してみました。
(間違っていたら、ごめんなさい)

「源の法の起こりし 飛ぶや鳥 飛鳥の寺の 歌奉る」



意味は、
「仏教の起源である、飛鳥の寺(=元興寺)が
大仏開眼にあたり、謹んで、歌を詠んでさしあげましょう」ということ。

つまり・・・
都が奈良に移り、大仏を造営した東大寺のような立派な寺ができたけれど、
忘れないでね、仏教の始まりは、我ら、元興寺だからね・・・

という強烈な自負が現われているのでございます。



ところが・・・
これほどまでに、意気軒昂だった元興寺ながら・・・
都が平安京へ移ると、律令制の崩壊と共に、衰退していくのです。

いつしか・・・
荒れ果てた伽藍の一部に、町が築かれるようになりました。
発掘調査の結果によると、戦国時代の終わりだったようです。



そして江戸時代、
急速に都市化が進み・・・
今の「ならまち」となったのだとか。

ならまち」は、かつての元興寺・境内を中心とした、
一帯を呼ぶのだそうです。
しかも、行政上に、その名前はないとのこと・・・

さりながら・・・
なんとも風情のある「ならまち」にふさわしい街並みです。




立ち並ぶ町家を見ているだけで、心が落ち着きます。

奈良独特の広い格子は、
鹿の角切が、往来で行われるため、家に傷がつかないようにとの
工夫なのだとか。

神の使いである鹿を大事にしてきた、奈良の町ならの心遣いです。

もちろん、これだけの建物を維持していくのは、
大変なご苦労でしょう。
頭が下がります。



今回、わたしが歩いたのは、ならまちの、ほんの一部、
宿から元興寺の、わずか500mほどのこと・・・
母を一人宿に残していたので、大急ぎで戻りましたから・・・

ならまち」は、平城京の頃は「外京」と呼ばれており、
今も、寺社仏閣が多くあります。

街歩きをしていると、歴史のエピソードが、そこここで解説されていて・・・
どれだけ歩いても、きっと楽しいことでしょう。
疲れたら、ひとやすみしたいカフェもたくさんありますしw




元興寺の帰りがけ、
受付の女性に、お声をかけていただきました。
拝観受付ギリギリに飛び込んだ私を、気持ちよく迎えて下さった方です。

「秋になると、萩が見事なんですよ。萩のトンネルがあるんです」

萩!・・・
毎年、萩を追って歩いていると、お伝えすると、
「では、ぜひ、また、秋にいらしてくださいね。」と、にっこり。



いつか、秋の日、萩の花を愛でつつ、
「ならまち」を、ゆっくりと歩けたら・・・
またしても、訪ねたい街が増えましたw

皆様、本日も、長々と、
おつきあいいただき、どうもありがとうございました。

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本日の記事は、元興寺でいただいたパンフレット、
その他、観光案内所の「ならまち」パンフや地図などを元にまとめました。
不備や勘違いなどは、観光客の駄文と、どうぞ、おゆるしくださいませ。

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