研究留学ブログ~ボストン~

留学までの準備段階、ボストン留学の記録など

何年ぶり・・・? (Mar. 24)

2007-03-26 04:20:01 | その他
今日は以前からコンタクトを取っていた、大学時代の友人と会う約束の日でした。彼女は教養学部時代の語学クラスの同級生で、進学先も薬学部という人です。3年生終了時に1年休学して渡米、日本に戻ってきて4年生として卒業研究をした後にまた渡米。現在はハーバードでPh.Dコースにいて、もうすぐ卒業するそうです。

私がアメリカに来る際に持ってきた薬学部の名簿のメールアドレス欄に、"harvard.edu"というアドレスがあったので、恐る恐る連絡をしてみたら返信があって、何度かやり取りしてやっと会うことができました。

お互い30近い年になり、最初に会ったのが18歳だったことを考えると時間の経過を感じざるをえません。Centralの近くのカフェで談笑。最初は大学時代のクラスメイトの話をし、お互いの近況報告などいろいろ話をしました。彼女はこのあとヨーロッパでポスドクとして働いて、その後はまだ未定ということ。彼女のボーイフレンドがヨーロッパにいて、この4月からHarvardでポスドクの職を得たのにすれ違いになるという皮肉・・・。それでもお互い連絡を取って、話し合っているそうなので今後の幸せを祈りたいと思います。っていうか、ひょっとして彼女は私がボストンに来てから最初に会った独身日本人女性かもしれません。不動産屋のSawakoさんってどうだったんでしょう?

その後で英語教室のメンバーとPotluckパーティー。全クラス合同(Writing, Editing, Intermediate&Advanced Presentation)ということでしたので、多くの人が集まるかなぁと思っていたら、日本人は私一人だけ。料理を作る時間が無かったので(そもそも作る気力もあまり無かったのですが)、Whole Foodsで買った寿司を持っていきました。サーモン、マグロ、カニカマの寿司を買っていったのですが、どちらかというとカニカマの方が人気があったようです。最終的には全部食べてもらえましたけど、やっぱり生魚は敬遠されがちなのかもしれません(中国人の人たちが食べないだけかもしれませんが・・・)。

食事の後はみんなで映画鑑賞。いまさらながら「ナルニア国ものがたり・第一章」です。ただ、映画を見る前に「原作者のC.S.Lewisはキリスト教徒で、この物語には隠されたメッセージがあるので、そこを探しましょう」みたいなことを言われたので、純粋な映画鑑賞とはいきませんでした(笑)。一番分かりやすいのはAslam(ライオン)が人間の犯した罪のために、自らの死を持って償い、そして復活するというところですかね。最初に言われた言葉が頭にあったので、魔女がAslamを訪ねて来てEdmundを差し出せと言い、二人だけで会談をした後に「Edmundは赦された
」と言いながらも、LucyがAslamの悲しい顔を見逃さなかった段階で「Aslamが他者のために自らの身を捧げ、その後で復活するんだろうな」というところまで読めてしまいました。他にもいろいろと比喩がちりばめられていて、謎解きをしている気がしました。一度「ナルニア国ものがたり」と「聖書」を読み比べてみれば、C.S.Lewisのメッセージが良く分かると思います。

涼宮ハルヒの憂鬱

2007-03-05 13:20:45 | その他
別にヲタでも何でもないんですけど、重大な発見をしてしまいますた。2006年に一世を風靡した標題のアニメ。何気なしにWikipediaで概要を読んでいたら気になる記述を発見。

Wikipedia 涼宮ハルヒの憂鬱(エンディング曲について-ダンスの振り付け-)

エンディングのダンスは、演出と絵コンテを担当した山本寛がアイドルグループ・Berryz工房のファンであり、

・・・
(つд⊂)ゴシゴシ

山本寛

(゜Д゜≡゜д゜)エッ!?

山本寛

まさか・・・。高校の先輩で、京大卒でアニメ業界に就職したカンク先輩なわけ無いよなぁ~。Wikiのリンク先をクリック。




あ、偶然この人も京大卒ですって・・・。うん?さらに気になる記事を発見。

作曲家の神前暁(『涼宮ハルヒの憂鬱』音楽担当)は、高校・大学の同期生

いや、これは絶対「神前」と書いて「かみまえ」と読むに違いない。高校の先輩に「こうさき」先輩っていたけど、まさか違いますよね(笑)。さらに「神前暁」をクリック。・・・「こうさき」でしたよ(;´▽`A``アセアセ

さらに山本寛の項を読み進めると、確定的な記述が。

高校時代は神前暁とともに吹奏楽部に所属しており「史上もっとも偉大なOB(C)鳥坂先輩」として君臨しているとの噂もある。


どうみてもカンク先輩です。本当にありがとうございました。

「鳥坂」??って聞いたこと無いですけど、偉大な先輩っていうのは間違いないです。先輩の指揮で演奏をしたことも多々。アニメ製作会社に入社して、辛い日々を送っていたという噂を聞いていましたが、大出世されていたんですね。Wikiの関連リンクから行けるスタジオ枯山水の代表メールアドレスがkanku@になってますし、自主制作映画の履歴を見ると大学時代に撮影した作品の脚本、主演が浜崎空(くぅ先輩)だし、うちの高校の匂いが漂っています。

すげぇなぁ。自分もWikiに載るような仕事をしたいとちょっとだけ思ったり思わなかったり。これ自慢できますよね?

年度代表馬関連

2006-11-28 11:18:39 | その他
全然留学とは関係ないですけど、毎年恒例の勝手にJRA各賞の予想。最優秀2歳は阪神JF勝ち馬、朝日杯FS勝ち馬でほぼ確定ですけど、勝つ勝たないは別にしてアストンマーチャンとオースミダイドウが一番近いかもしれません。

最優秀3歳牡馬:メイショウサムソン

春の2冠を取ったメイショウサムソンで良いと思われます。ただドリームパスポートが有馬記念を勝つと少なくとも票は割れるはず。でも過去に2冠馬が出た場合(トウカイテイオー、ミホノブルボン、サニーブライアン、ネオユニヴァース)はそこで決着していることが多いので、今年度もそこで決着すると思われます。

最優秀3歳牝馬:カワカミプリンセス

エリザベス女王杯でケチが付きましたけど、無敗でオークス・秋華賞を制した点からも問題なしと見ます。


年度代表馬・最優秀4歳以上牡馬:ディープインパクト

凱旋門賞は残念でしたけど、今年の国内戦は今のところ無敗。あえて古馬牡馬部門で票を入れるとしたらダイワメジャーですけど、1桁得票なんじゃないですかね。

最優秀4歳以上牝馬:ダンスインザムード

第1回ヴィクトリアマイル勝ち馬。まぁ、このレースがダンスインザムードのために作られたレースという気もしましたけど・・・。改めてこの馬の戦績を見直すとエリザベス女王杯には一度も出走していなかったんですね。ちょっと驚きです。まぁ、毎年マイルCSで好勝負している印象があるので言われてみればそうなんですけど。

最優秀父内国産馬:混戦

正直何を選んで良いのやら(笑)。今年のG1勝ち馬って意外にマル父が多いんですよね・・・。フェブラリーSのカネヒキリ(フジキセキ)、桜花賞のキストゥヘヴン(アドマイヤベガ)、NHKマイルCのロジック(アグネスタキオン)、オークス・秋華賞のカワカミプリンセス(キングヘイロー)。これにG1未勝利のドリームパスポート(フジキセキ)、メルボルンC勝ちのデルタブルース(ダンスインザダーク)。春のパフォーマンスは軽視されがちですのでカネヒキリ、キストゥ、ロジックは恐らく票が伸びないでしょう。有馬を勝てばデルタ、ドリームパスポートにもチャンスがあるでしょう。でなければG1を2勝したカワカミ?

最優秀短距離馬:該当馬なし

今年の短距離路線は混戦でした。国内短距離G1の2つを外国馬に持って行かれている点で一層のレベルアップが望まれます。ちなみに1600m以下のG1勝ち馬は高松宮記念・オレハマッテルゼ、NHKマイルC・ロジック、ヴィクトリアマイル・ダンスインザムード、安田記念・ブリッシュラック(カク外)、スプリンターズS・テイクオーバーターゲット(カク外)、マイルCS・ダイワメジャー。この中から選ぶのは至難の技。大穴でサマースプリントシリーズ総合優勝のシーイズトウショウ。

最優秀ダート馬:カネヒキリ・・・
個人的には「該当馬なし」という判決でも良いのですが、フェブラリーS勝ちとドバイ入着という評価で。帝王賞で2着、秋シーズン全休ということで印象はかなり薄いと思います。ジャパンCダート勝ち馬のアロンダイトですけど、東京大賞典を勝つようなことがあれば本物と認められて今後の期待を込めて選出される可能性もあるでしょう。

最優秀障害馬は専門外なので(ry

ディープインパクト失格

2006-11-19 03:57:20 | その他
フランス競馬統括団体のギャロから正式処分が下りました。凱旋門賞3着から失格という処分で、調教師に罰金ということで決着がつきました。

予想していたこととはいえ、残念です。かといって、これまでのディープの戦績に傷がつくわけでも無いですし、無敗の3冠馬という栄誉も失われるわけでもありません。

「咳をしたので、気管支拡張剤(イプラトロピウム)を投与した」ということで、現地で薬剤を購入、吸入装置(マスク)も現地の獣医師に借りたそうです。日本から薬剤を持っていっていなかったということは、今回だけの特別な投与ということが想像できますし、悪意を持って(競走能力の増強目的)投与したわけではないと思います。投与期間が守られたにも関わらず、イプラトロピウムが検出されたことに関しては、投与の際に馬が暴れて馬房内に飛散した薬物が馬房内に残存し、微量ではあれ、継続的に摂取する状態にあり、結果としてレース後の検査で陽性反応が出たとの結論でした。

http://www14.big.or.jp/~amble/b/eii/doping.htm
http://www.lrc.or.jp/dope/index2.html

1番目のサイトは今回の件ではなく、競走馬のドーピングに関して丁寧な解説がなされています。2番目のサイトは競走馬総合研究所のドーピング検査に関するサイトで、どのように検査が行われているかを解説してあります。

おそらく各国も同様の検査体制で、装置の違いこそあれ、似たような手法を取っていると思います。第一段階の迅速なスクリーニングで陽性(この段階では疑わしいというレベル)が出た場合、第二段階の詳細な分析に移り、原因薬物の特定にいたるそうです。この場合、検体内の濃度は問題にならず、0(検出限界未満)か0より大きいかによって白黒がつけられていると思われます。今回のディープインパクトの場合、ことがことだけに詳細な検出量まで算出され、飛散薬物うんぬんとう決着になったのだと思います。どれほど検査の精度が高いか分かりませんけど、一部の飼料の干草から缶コーヒーの缶の破砕断片が見つかったというだけで、調教師が出走予定馬を取り消した事例がばんえい競馬であったと思います毎日新聞(キャッシュ)。逆に言えば、これぐらいのことですら敏感に対処しなければならいほど検査精度が高いことも想像できます。

日本の場合は禁止薬物が検出されると刑事事件にまで発展しますし、このばんえい競馬の一件は厩舎サイドが非常に気をつかっていたことを示していると思います。そういった点からすると、今回の池江調教師の管理体制は甘かったと思われます。

JRAのディープ祭りに積極的に加担してきたわけで、冷や水をさされる格好になりましたが「いい薬」になったんじゃないでしょうか(←誰がうまいこと言えと)。年内残り2走、どちらの競走も売り上げが伸びるとは思えませんが、JCでハーツクライ以外の日本馬に敗戦ということになると、有馬の売り上げが伸びる可能性もあるかもしれませんね。

Red Soxが交渉権獲得! (Nov. 14)

2006-11-15 12:29:06 | その他
レッドソックスに交渉権 西武・松坂の大リーグ移籍(共同通信) - goo ニュース

ここ数日、metro紙のスポーツ欄では日曜のPatriotsの敗戦が取り上げられていて、松坂投手に関する話題が掲載されていませんでしたけど、明日のスポーツ欄ではまず間違いなく取り上げられるでしょう。一面で取り上げられる可能性まであります。他の新聞も一面に掲載される可能性が高いと思います。明日は¢25硬貨を一杯持って新聞を買いあさってみたいと思います。

ここ数日、いろいろなサイトでアメリカメディアが松坂をどのように評価しているのかを見てましたけど、WBCでの活躍で高い評価を得る一方、メジャー経験の無い投手が果たしてどこまで通用するのか疑問で、入札金額もそこまで跳ね上がらないだろうという論調もありました。5100万ドルという破格の入札結果になりましたけど、以前に触れたように明らかな妨害工作と思われる場合には2番目に高額を提示したチームに交渉権が移る可能性もあるわけで、契約を結ぶまではこの騒動は終息しないでしょう。

松坂は高すぎるけど岩村、井川はお買い得だろうというコラムがありました。これまでの日本人選手と比較して、イチローや松井はすごい実績を残した選手で、井口も成功した部類に入っていました。ただ石井一久、松井稼頭夫に関しては辛口の論評で、好成績を残せない選手もいることを忘れてはならない、とありました。不思議なことに今年ワールドシリーズで優勝したにも関わらず、一切触れられていなかったのが田口。先発出場も少なかったですし、メディアの目にも触れにくかったのでしょうけど、監督の信頼を得て同じチームで長くプレーしていることをもっと評価しても良いと思います。

Red Soxが破格の入札金を提示したことで、ファンが疑問に思うのは果たしてこの金額が妥当であったのか(ペイできるのか)?という点でしょう。Green Wall Monsterでお馴染みのフェンウェイパークですが、シーズンを通してほぼ満席の状態で、チケット収入は微増にとどまると思われます。中継の放映権を日本のテレビ局に売ればそこそこの収入にはなりますが、東海岸ですのでナイターが日本時間の午前中という時間帯での放映。しかも投手ということで全試合の中継も不必要、したがって比較的安い金額で買い叩かれる可能性があります。日本向けのテレビ中継が入ればフェンスに日本企業からの広告看板の申し込みがあるかもしれません。ただこちらも余剰スペースがあまり無いそうなので微妙です。他に収入が見込めるのはグッズの売り上げ。Red Soxのロゴが入ったブランドものは日本ではそれほどメジャーでは無いので、熱心な大リーグファンの需要はあるかもしれません。入団が決まれば松坂関連のグッズは売れるでしょうし、ここが一番の稼ぎどころかもしれません。

まだ契約交渉のテーブルにつく前の段階で、来年松坂がRed Soxで投げると決まったわけでは無いですけど、これで故障したり結果が残せなかったりすると大変だなぁ、といらぬ心配もしています。metro紙のToday's Debate(街ゆく人にアンケートをするコーナー)で「松坂に対してこれだけの金額を支払うことに賛成?反対?」というアンケートもそのうち出るかもしれません。

日本から観戦ツアーを組むのも大変でしょうね。日本からボストンへは直行便が無いですし、チケットを手配するのも大変そうですし、ボストンの宿は高いし(笑)。一週間に一便だけでもいいから成田⇔ボストンの便ができないですかね。ちょうど松坂の登板機会に合わせる感じで。

今は交渉の経過を見守って、ボストンに来てくれることを願ってます。

日記@BlogRanking←松坂投手のRed Sox入りを願ってクリックしてください

世界史必修漏れ問題

2006-11-01 09:27:34 | その他
学習指導要領で必修の世界史を、一部高校が「受験に不要」ということで履修していない問題が日本のホット・トピックのようですね。「偽装」という目で見ると、どこからか火の手が上がり芋づる式に発覚するのは「耐震偽装」と同じ構図でしょうか。

自分自身がどうだったかというと、確かに2年生で必修の世界史を履修した気がしますけど、あまりはっきり覚えていません。平成元年度告示学習指導要領から世界史が必修になったそうですので、今から18年前ですか、現在30代半ばぐらいの人からの導入になるのでしょうか。過去に遡って高校卒業資格の取り消しだとか、そういったナンセンスな議論も持ち上がっていますが、単位を「偽装認定」した高校が悪いのであって、生徒個人のせいではないと思います。仮に一生徒が「世界史を学びたい」と高校に訴えていても、教師が決める時間割に生徒の意見が反映されることなどなかったはずです。

損をしたのは未履修高校にいる今年の受験生でしょうか。いや、そもそもこれまでに受けるべき授業を受けていなかったのですから、単位認定のためにきちんと補修をするべきじゃないでしょうか。救済のために時間を減らしての補修でも認定するという議論もありますけど、今までまじめに世界史を履修していた高校の学生との不公平感が拭えません。

あと「世界史を知らない人間が社会に出ているのが問題だ」という論調もありますけど、これには真っ向から反対します。まず高校で習った知識だけで社会に通用するものではないということが一つ。それから「世界史を知る人間」を採用したいのであればそこに関門を設けるのが入社試験のはず。そのための就職活動で勉強しても遅くはないと思います。高校での知識なんてほとんど役に立たないんじゃないですか。それだったらまず「医学部受験者は生物必修」にするのが先なんじゃないですかねぇ。それとも国公私立問わず既にそうなっているのでしょうか?

高校での授業で印象に残っているのはカンボジア内戦(現代社会)、夏目漱石の「夢十夜」、安倍公房の「赤い繭」(共に現代国語)、漢文の史記とかも興味深かった記憶があります。とまぁ見事に現職とは全く関係の無い授業しか印象に残っていません。英語は河合塾のT先生にみっちり2年間、ストーカーのように付きまとったおかげですし、生物はどちらかというと独学の要素が大きいです。化学は1,2年の頃は全く面白くなかったですけど、3年の河合塾のO先生の授業が面白かったのと、改めて自分の高校の化学を振り返ると捨てたもんじゃないなと思って3年は真面目に授業を受けてました。なんて生意気な高校生だ(笑)。日本史は忘却の彼方ですけど、「日本史講義の実況中継」でマニアックな知識を入れていました。

高校でやったのはあくまでも「受験勉強」だったと思います。それでも大学に入ってから安倍公房の本を読んだり、史記をもとにした宮城谷昌光の本を読んだり、理系にも関わらず「日本の政治」という講義を取ったり、何らかの形で次へとつながっていきました。そう考えると「世界史」に触れないで大学に来てしまった人たちは不幸かもしれません。僕はあまり世界史に興味を持たなかったですけど、世界史が専門でない人でも趣味として世界史を知りくなったという人がいたかもしれません。そういう機会を奪ったのは罪なことなのかなぁと思います。

日記@BlogRanking←クリック募集中

ディープインパクトとイプラトロピウム

2006-10-20 09:45:01 | その他
今日のニュースで一番驚いたのが、ディープインパクトが凱旋門賞前に気管支拡張剤であるイプラトロピウムを投与されていたことが、レース後の尿検査検体から明らかになったことです。A検体、B検体ともに陽性ということで、この薬物が投与された事実は否定できないでしょう。

うやむやな決着になる可能性も否定できないですけど、いくつか感じたことを。

まず、大前提になるのは出走馬は開催国の規定に従って競走を行うというものです。何も薬物に限ったことではないですけど、アメリカ、欧米、日本で規定が異なるのは常識。アメリカではスパイク鉄(蹄鉄の一種)が使用されているそうですが、日本では禁止されていますし、アメリカで使用可能なブタゾリジンやラシックスも日本の競馬では禁止されています。ジャパンCに出走する馬は日本の競馬規定に沿って出走しているわけです。フランス競馬の規定では「自然界に無いものはダメ」と、一切の薬物を禁止している反面、日本では禁止薬物のリストには入っていないとのことです。失格という最悪の事態になっても、フランス競馬統括団体ギャロを非難することはできません。彼らの規定に従うと明らかな違反になるわけですから。

そうなると陣営(馬主、調教師)の認識が甘かったということでしょうか。日本で禁止されていない薬物だからという理由で、処方を受けたとは考えにくいです。日本国中から注目されているわけですし、欧州のメディアも注目していたわけですから、体調管理だけでなく食餌として与えるものにも細心の注意を払って凱旋門賞に臨んだと思います。しかしフランス人獣医師の証言によると、禁止薬物であることを説明して処方したとあります。ではJRAが「今日のディープインパクト」で「万全の体調」を通していたのは嘘だったのでしょうか?ここが第一の疑問です。池江調教師も驚いているということを考えると、処方されたことすら知らなかったのではないかとも考えられます。

日本から獣医師が帯同したそうですけど、免許の関係で治療・処方はフランス人獣医師しかできなかったとのこと。とすると、そこで意思の疎通に問題があったのでしょうか?フランス人獣医師が「これは禁止薬物だが本当に投与するのか?」と確認したところ、日本の獣医師が「日本では禁止されていないから問題ないだろう」と判断して、関係者の承諾を得ないで投与を認めたのでしょうか?

疑問の種は尽きないもので、日本国内では家畜用のイプラトロピウムが存在しないそうです。家畜の場合は主にエフェドリンが使用されているようです。じゃあフランスに家畜用のイプラトロピウムがあるのでしょうか?それともヒト用のイプラトロピウムが処方されたのでしょうか?動物間で薬物代謝酵素の働きが異なるのは常識です。薬物が体内で代謝される速度も、ヒトと他の動物では大きく異なるわけで、ヒト用のイプラトロピウムをウマに投与するとヒトの場合よりも代謝速度が遅いかもしれません。レースまで間隔があるから大丈夫だという甘い認識だったのでしょうか?

薬物投与を陣営が承諾するような体調不備がディープにあったとしたら、JRAのディープ特集が嘘ばかりの「汚点」であり、陣営が投与された事実すら認知していないのであれば、誰がどこで投与したのかが問題でしょう。

それにしてもまたマスコミは叩き放題のようですね。

煽るほどに持ち上げる(楽観的報道)
  ↓
結果は敗退(事実)
  ↓
戦犯探しと批判的報道

この報道パターンから早く抜け出せないのでしょうか。WBCの場合は優勝したから問題無かったものの、あれで負けていたら城島や松井が悪者にされたり、スモールベースボールにこだわったメンバーを選んだ王監督が批判されていたのでしょうか。今回のディープ問題で、ある有名司会者が「日本の恥」とのたまわったそうで。お前は本当にディープインパクトを応援していたのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい(笑)

今回の件ではイプラトロピウムが競走能力に影響を及ぼすかどうかについては触れていません。影響がある=ダメ、影響がない=OKという図式ではないと思うからです。薬剤師らしい解説を期待されていた方はすいませんm(_ _)m

日記@BlogRanking←クリック募集中