研究留学ブログ~ボストン~

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ディープインパクト失格

2006-11-19 03:57:20 | その他
フランス競馬統括団体のギャロから正式処分が下りました。凱旋門賞3着から失格という処分で、調教師に罰金ということで決着がつきました。

予想していたこととはいえ、残念です。かといって、これまでのディープの戦績に傷がつくわけでも無いですし、無敗の3冠馬という栄誉も失われるわけでもありません。

「咳をしたので、気管支拡張剤(イプラトロピウム)を投与した」ということで、現地で薬剤を購入、吸入装置(マスク)も現地の獣医師に借りたそうです。日本から薬剤を持っていっていなかったということは、今回だけの特別な投与ということが想像できますし、悪意を持って(競走能力の増強目的)投与したわけではないと思います。投与期間が守られたにも関わらず、イプラトロピウムが検出されたことに関しては、投与の際に馬が暴れて馬房内に飛散した薬物が馬房内に残存し、微量ではあれ、継続的に摂取する状態にあり、結果としてレース後の検査で陽性反応が出たとの結論でした。

http://www14.big.or.jp/~amble/b/eii/doping.htm
http://www.lrc.or.jp/dope/index2.html

1番目のサイトは今回の件ではなく、競走馬のドーピングに関して丁寧な解説がなされています。2番目のサイトは競走馬総合研究所のドーピング検査に関するサイトで、どのように検査が行われているかを解説してあります。

おそらく各国も同様の検査体制で、装置の違いこそあれ、似たような手法を取っていると思います。第一段階の迅速なスクリーニングで陽性(この段階では疑わしいというレベル)が出た場合、第二段階の詳細な分析に移り、原因薬物の特定にいたるそうです。この場合、検体内の濃度は問題にならず、0(検出限界未満)か0より大きいかによって白黒がつけられていると思われます。今回のディープインパクトの場合、ことがことだけに詳細な検出量まで算出され、飛散薬物うんぬんとう決着になったのだと思います。どれほど検査の精度が高いか分かりませんけど、一部の飼料の干草から缶コーヒーの缶の破砕断片が見つかったというだけで、調教師が出走予定馬を取り消した事例がばんえい競馬であったと思います毎日新聞(キャッシュ)。逆に言えば、これぐらいのことですら敏感に対処しなければならいほど検査精度が高いことも想像できます。

日本の場合は禁止薬物が検出されると刑事事件にまで発展しますし、このばんえい競馬の一件は厩舎サイドが非常に気をつかっていたことを示していると思います。そういった点からすると、今回の池江調教師の管理体制は甘かったと思われます。

JRAのディープ祭りに積極的に加担してきたわけで、冷や水をさされる格好になりましたが「いい薬」になったんじゃないでしょうか(←誰がうまいこと言えと)。年内残り2走、どちらの競走も売り上げが伸びるとは思えませんが、JCでハーツクライ以外の日本馬に敗戦ということになると、有馬の売り上げが伸びる可能性もあるかもしれませんね。

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