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ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

宗教改革記念日

2013-11-02 | 日記
宗教改革記念日の展示がある大学の学内に飾ってあるというので、てくてく歩いて見に行きました。16世紀に使われていたグーテンベルグ聖書復刻版や、ルターの本が並んでいました。カルヴァンの本がなかったのが残念ですが、ルターの「キリスト者の自由」を借りてきました。
10月31日の宗教改革記念日は私にとって毎年思い出深い日です。ルターがカトリックに提案状を送った470年後の同じ日に私も洗礼を受けたからです。
1517年10月31日に、ルターはヴィッテンベルグ城教会の城門に公開質問状を貼りつけました。
95か条もあったそうです。カトリックが当時売り出していた「免罪符」をいうお札にまつわる抗議です。免罪符さえ買えば、天国に入ることができるのはおかしい、貨幣がさい銭箱に投げこまれ、そのひびきが聞こえれば、魂の救い完了!というのはおかしいんでないの、という主張です。


展示の解説を読んでいたら、興味深いことが書かれていました。グーテンベルグの印刷技術という当時の最先端をいく技術の使い方についての発見です。
高校の歴史の本には「グーテンベルグの印刷技術のおかげで聖書が庶民にいきわたった」というようなことが書いてありました。
当時、聖職者だけに許されていた聖書読解を、印刷技術の普及とともに、各個人のレベルにまで聖書が行き届くようにし、自らの目で何が書いてあるかを知ることができるようになった、それがルターの宗教改革につながった、と思っていました。
ところが、カトリックの方も負けていなかったのです。新しい印刷技術を利用したのはカトリックも同じで、なんと免罪符の発行に印刷技術を使っていたのでした。
免罪符とは「これがあれば天国にいける」という、お札のようなもので、これに対してルターが抵抗を示したのは知っていましたが、論理からいけば、印刷技術を先に使ったのはカトリックの方で、プロテスタントがそれに対抗して聖書をどんどん印刷したのかもしれないと思いました。よく調べてみないとわかりませんが。それともお互い競うように、免罪符、聖書を印刷し、それが印刷技術の発展に拍車をかけたことも考えられます。

21世紀の今、インターネットの登場で、知識の伝達方法が大きく変わりました。これが今後宗教にどんな影響を与えるのか、皆さん、考えて見ましょう、と解説は終わっていました。