ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

海洋天堂

2011-08-01 | 日記
夏にふさわしい題名だと思い、何の前情報もなく見た映画。

最近、中国に行っても何となく楽しくないので、今年の冬で行くのをもうやめようと決めた。
それで、旅行の最後に残った人民元を一緒に行った語学友に飛行機の中で全部渡してきた。全然たいした額ではないが、友人は、「え~!もう要らないの?」と驚いていた。

でもこの映画を見たら、そしてこの映画に出てくるような人達がいるのなら、また行きたいなと思った。
主人公は、自閉症の息子を持つ父親。自分が余命わずかだと知らされて、自分の死後に息子が困らないように、いろいろなことを教えこもうとする。
生活上の諸々のことを悪戦苦闘の末、何とか教え終わって、最後に教えようとしたことが題名の「海洋天堂」だ。
日本語にしたら「海の中の天国」という意味だろうか。自分が天国に行く前に、息子にこの世の「天国」とは何か、ということを教えようとする。息子の大好きな水族館の「海」の中で、自分が大きな亀になって、その亀がいつも息子を守っているということを知らせるために、様々な工夫をこらす場面が、この映画の山場だ。

映画を見終わって、自分が中国語を選択的に聞いているのに気がつく。主人公の俳優のセリフが一番聞き取れたのは、見ていてすっかり彼に感情移入してたからだと後で気づいた。
ひょっとしたら、聞く前から彼の言うことは何でも理解しようと思ってしまっていたのかもしれない。