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ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

水好むもの

2012-07-05 | 日記
今日は5時に起きて、いつも行く池の散歩に行きました。
今日締め切りの俳句のための吟行と、池の泰山木の定点観測のためです。


水好むもの数多なり半夏生

蓮池の濁りある処鯉の住む

泥吐いて鳴いているのか牛蛙

朝露の大粒なるも蓮の葉

雨粒を集めて落とす蓮の葉

着水の夏鳥残す水輪かな

天の水足りて紫陽花やはらかに



水際を歩いていると、今の時期は本当に水を好む植物が多いことがわかります。
半夏生、紫陽花、蔦、蓮、梔子、泰山木・・・・・
水をたっぷりたたえ、喜んでいるのがわかります。

蓮の花は、まだ一つ、二つ、というところでしょうか。
花のそばは、アマチュアカメラマンのおじさんたちがいつもカメラを据えているので近寄れません。そのせいもあり、
岸に近いところで、まだ咲いていない蓮を観測するのが日課になっています。
そこは鯉が集まる場所です。
鯉のいるところだけは、鯉が池をかき回すので、にごっています。
葉っぱを見ていると、葉に集まる水滴の美しさは、原初の宝石のように見えます。
勾玉の形あり、真珠型あり、いびつな涙のような形のもあります。

カメラマンはどうして皆、同じところばかり撮るのでしょうか。
みんな、同じところにレンズを向けてシャッターチャンスを捜しています。

雨が降ってきました。
蓮の葉の上に小さな雨粒が集まり、それが蓮の葉のいちばん低い部分に集まり、だんだん
大粒になり、それでも耐え切れないほど大粒になると、葉の上からスルッと雨粒が
落ちる瞬間が面白く、蓮の葉をしばらく観察していました。

葉の表面に細かい絨毛が生えているのでしょうか。表面張力のために、葉に水滴がしみこむことがありません。コロコロ集まる水滴も、ツルッと葉から落ちるその様も、生き物のように、リズムよく動いています。ときどき、池にすむ牛蛙が、低音で鳴くとおなかの底まで響きます。蓮池の泥でも吐いているかのような、濁った、それでいて、底の方ではせいせいしているような、感じの声で鳴きます。

定点観測の泰山木は、あまりに好きすぎて、なかなか句が作れません。
毎日見ているのに・・・・
泰山木の花の香りはグレープフルーツをもっと甘くした感じのものだと
いうことを初めて知りました。