Towards the Universe....

~Miyuki Ito-Composer's Life~

Doctor Atomic by John Adams/オペラ「ドクター・アトミック」

2010-08-31 09:34:18 | ♪event/世界の展覧会コンサートレビュー!
2008年にニューヨークのメトロポリタンオペラハウスで再演されたジョン・アダムスのオペラ「ドクター・アトミック」をテレビで見ました。今年の春にNHKでやっていたものの録画で、ずっと観るチャンスがなかったものです。





作曲は、アメリカ人ミニマルの作曲家、ジョン・アダムスなので、自分の好みではないので余り乗り気ではなく期待はせずに観ました。音楽は、ミニマルにストラヴィンスキーっぽい感じが入っている部分もありましたね。全体を通して、思った以上に音楽をうまくつかっていたかと思います。歌は、基本的に英語の会話をずっと歌ってるという感じで、ちょっと飽きがくるかなと思いましたが。舞台は、すごいですし、出演者の数も大勢です。

作品内容:タイトル「Doctor Atomic」とあるように原子爆弾誕生のストーリーです。全然、内容について知らずにみたら、かなり寒肌のたつ、日本人として複雑な気持ちになる作品です。原爆をつくったオッペンハイマー博士が主役で、マンハッタン計画が内容です。オペラの最初から、科学者たちがあれこれと原爆について語り合っている場面で、歌詞として「攻撃の第一候補、京都、福岡、横浜、名古屋、広島。。。。同時に複数地域を攻撃すれば効果的。。」と古い日本地図が舞台上に映し出されます。寒気がします。「放射能をあびたあとの後遺症」についても歌われ。。。日本人として観ていると恐怖が募ります。最後は、ニューメキシコでの原爆の始めての実験をした後の場面に、日本語のナレーション語りで、「水を下さい」とかながれて、
最後にこれってと滅入ってくる感じです。最後にいたる音楽のつくりはうまいと思いましたが。場面場面では、科学者達が化学式やら、原爆の迫力について専門的に語る場面やらもあります。

この写真にあるように丸い原爆(実物もそっくりのようです)も恐いですよね。

アメリカ人の作曲家が作りアメリカで初演をするのって? アメリカ人の観客はどのように反応したんでしょうね?
オペラハウスで実際に日本人がみたら気分がめちゃくちゃ滅入りそうな気がします。私はテレビで録画をみたので、3時間弱のオペラを3回くらいで見終えました。これを日本で上演したらどうでしょうね??? 多分、絶対にあり得ないだろうけど。

考えさせられるオペラという意味では、意義があるかな~。

そうそう、キノコ雲ってmushroom cloudって直訳なんだって始めて知りました。映像でも写真でもキノコ雲は、滅入りますよねえ? 

マンハッタン計画は、コロンビア大学のPrentis Hallで秘密に行われていたって、大学時代聞いたことがあります。その建物の3階が、コンピューターミュージックセンターで、学生の頃、よく通いました。窓が全然ない建物でした。薄暗くって不気味な雰囲気が漂ってましたね。でも、作品制作のためによく一人で制作してたよなあ~。歴史的なコンピューターミュージックセンターでもあったのですが。


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