「襟裳岬 エゾシカ、アザラシ見て、心なごむ」
カムイラビットの襟裳岬での植物撮影旅行では、いつも「えりも観光館」に泊まります。襟裳岬で野生の動物を見たのは数がまったく少ないのですが、ある日ある朝、泊まっている部屋の窓の外にエゾシカが7・8頭通りました。長い事泊まっているのに鹿を見たのは始めてでした。
あっという間に鹿が通り過ぎましたが、襟裳岬にも鹿がいるのだと面白がりました。この鹿を見た話をえりもの人に話しましたら「襟裳には鹿が沢山居て、何度も車にぶつかっている」と言います。ぶつかるのは夜の時間とか、早朝の時間だと言います。けっこういるらしいのです。
観光客は「あれあそこに鹿が居る。」「鹿を見つけたよ」と喜んでいますが、被害にあう人には鹿も有難迷惑の話です。
夜間には、鹿の眼が光り、道路わきに鹿が居ることが分かると、車のスピードを落として走行しないと鹿が飛び込んできて、事故になるそうです。鹿とぶつかる人の話はよく聞きますが、幸いに私は事故にあっていません。
エゾシカを見る事は観光客の心をなごませるのですが、地域の人にとっては鹿も迷惑な時があるのです。いつも泊まるホテルでは、時に夕食にエゾシカの肉が料理に出てきます。狩猟した後の処理が肉のうまさに関係するのですが、近年は肉の処理が研究され、美味しい肉になっていると常連客に人気です。
「風の館の売り物はゼニガタアザラシです」
ゼニガタアザラシは定置網の鮭を食い荒らすので、漁師たちに困った存在となっています。アザラシは絶滅危惧種に指定されているので、捕獲することも射殺することもできず襟裳岬の漁師の人たちには喜ばれていません。えりもの生活者は大半が漁師だからです。
ところが襟裳岬観光のメインの「風の館」では、入場し展望室に入ると、所員が望遠鏡であの岩あたりを見るとアザラシが見れますと教えています。
風の館から襟裳岬を見る。この岩場にオットセイが多くいる。
えりもで問題となっているオットセイ、一方では困っているのに、オットセイは観光客を喜ばせる存在になっているのです。オットセイの存在はいたしかゆしのなのです。
観光客は裏話を知らず、「オットセイを見たよと」心なごませています。
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