水川青話 by Yuko Kato

時事ネタやエンタテインメントなどの話題を。タイトルは勝海舟の「氷川清話」のもじりです。

・「ハミルトン」のこと (4)

2017-04-08 17:54:42 | Hamilton

(3から続き)

(NYに上陸したハミルトンは大学で学び始め、早く卒業して戦争に行きたいからと、同じように早く卒業したアーロン・バーに会いにいく。それが2曲目の「Aaron Burr, Sir」。NYで最初の友人だと思ったら、こいつとは絶対に気が合わないと分かったという内容。そのバーに「立ち話もなんだから、いっぱいおごらせてくれ」と連れていかれた酒場で、革命を志す若者たちにバーが「冷静になりたまへよ君たち」と嫌味を言うので、やる気と勝ち気の固まりのハミルトンはつい口を出し……)

3.「My Shot」

(ニューヨークの酒場で。ハミルトンの仲間になるローレンス、マリガン、ラファイエット)

おーいお前は誰だ?

おーいお前は誰だ?

このガキは誰だ

こいつは何するつもりだ

 

(ハミルトン)

俺は自分の一発を無駄にしない

自分の一発を無駄にしない

ヘイヨー俺はこの国と一緒だ

若くて荒っぽくてハングリー

自分の一発を無駄にしない!

 

キングスカレッジの奨学金を手に入れる

自慢はよくないけど俺にはみんなびっくりするよ

ただ問題は俺は頭はいいけど洗練されてない

ダイヤの原石 ピカピカの石炭だ

目指すところにたどりつきたい

俺の言葉の力は抗いがたいよ

たった19だけど頭は老練

ニューヨークの道は寒いし

あらゆる重荷とハンデを背負ってる

なんとか生き延びる術は覚えた

手にする銃もない

腹ぺこでそこらを歩きながら

この火花を炎にするのがねらいだ

でもくそう、暗くなってきたから

名前をはっきり言うよ

俺は……

 

(全員)

A L E X A N D E R 俺たちの運命は…… 

 

(ハミルトン)

独立した植民地になることだ

なのにイギリスは果てしなく俺たちをクソ扱い

要するに連中は俺らに果てしなく課税するのに

国王ジョージ3世はくるりと回って直ちに浪費だ

子孫を自由にするつもりなんかない

だから今世紀中に革命が起きる

俺の中に入れ! 

(independently/endlessly/essentially/relentlessly/spending spree/descendants free/century/enter me――のすべての韻!)


(ラファイエット、マリガン、ローレンス)

と、彼はかっこつきで言う

 

(ハミルトン)

歴史の本に俺が出てきてもびっくりするな

みんなが自由になるなら自分の命を捧げるよ

要するに俺の台頭を目にすることになるぜ

 

俺は自分の一発を無駄にしない

一発を無駄にしない

ヘイヨー俺はこの国と一緒だ

若くて荒っぽくてハングリー

自分の一発を無駄にしない!

(略)

(全員)

この植民地はいつになったら

立ち上がるんだ

この植民地はいつになったら

立ち上がるんだ

立ち上がれ!

立ち上がれ!

 

(ハミルトン)

あまりに死を想像しすぎて

もはや死は思い出のような気さえする

つかまるのはいつだ?

寝てるとき? 自分の7フィート先?

逃げるのかあるがままにするのか

メロディーのないビートのようなものか

だってね、自分が20過ぎまで生きてるなんて

まったく思わなかったから

俺の地元じゃその半分も生きられない連中もいて

どうして生き急ぐのか訪ねればみんな笑って

酒瓶に手を伸ばす

今のこの瞬間をできるだけ味わわないと

それでたくさんだ

 

そうじゃなくて

これは一瞬のことじゃなくて、これは運動だ

自分の価値を示したい、おなかをすかせた連中が

みんなして向かったところ

敵がはだかる前に素直に立ち向かって

モーゼのように約束された地に向かっていく

それで? 独立を獲得したら?

そうすれば子孫の自由は保証される?

それか自分たちが流した血のせいで

果てしない報復と守る者もいない死の連鎖が始まるのか

通りで走り回るのは確かにわくわくする

でも勘弁してくれ、血が流れて戦って

その間に俺は読んで読んで書いて書き続けてきた

自分たちの財政をなんとかしないと

俺たちは州(states)が集まった国(nation)なのか

この国の状態(state)はどうなってるのか

もうこれ以上おとなしく待ってられない

情熱をこめてあらゆる期待をぶちこわしてまわってる

すべての行動は創造の行為だ!

大勢が犠牲になって悲しんでいる前で

俺は笑ってる

生まれて初めて明日の先のことを考えてるんだ

 

俺は自分の一発を無駄にしない

一発を無駄にしない

ヘイヨー俺はこの国と一緒だ

若くて荒っぽくてハングリー

自分の一発を無駄にしない!

 

(全員)

立ち上がるんだ

立ち上がれ!

立ち上がれ!

 

一発を決めるときだ

一発を決めるときだ

 

自分の一発を無駄にしない

一発を無駄にしない!

(Not throwin’ away my shot!)

 

 

5.「The Schuyler Sisters」

(バー)

金持ちが何より好きなのが

下町に下りて貧乏人と袖ふれあうこと

馬車で乗り付けて広場の学生をジロジロ

しゃべってる様子を眺めるそれだけ

たとえばフィリップ・スカイラー

あの男は金でうなってる

でもおっとパパはご存じない

ペギー、アンジェリカ、イライザの三人娘が

町にこっそりでかけて男たちを眺めてるのを

 

(コーラス)

仕事! 仕事!

 

 (アンジェリカ)

アンジェリカ!

 

(イライザ)

イライザ!

 

(ペギー)

それとペギー

 

(三姉妹)

スカイラー姉妹!

 

 (アンジェリカ)

アンジェリカ! 

 

(ペギー)

ペギー

 

(イライザ)

イライザ!

 

(コーラス)

仕事!

 

(ペギー)

日が暮れるまでに帰ってこいってパパが

 

(アンジェリカ)

パパは知らなくてもいいの

 

(ペギー)

下町には行くなってパパが

 

(イライザ)

言ったようにあなたは帰っていいのよ

 

(アンジェリカ)

でもまわりを見渡して、まわりを見渡して

ここニューヨークで革命が起きてるの

 

(イライザ&ペギー)

ニューヨーク!

 

(コーラス)

アンジェリカ! 

 

(全員)

仕事!

 

(ペギー)

パパが戦争に行きたがってる

それだけでもいやなのに 

 

(イライザ)

広場で大勢が叫んでる

 

(ペギー)

この近くで暴力沙汰になる

それだけでもいやなのに

 

(アンジェリカ)

そこら中に新しい考え

 

(アンジェリカと男性コーラス)

まわりを見渡して

まわりを見渡して

 

(イライザ)

アンジェリカ、私たち何を探してるんだっけ?

 

(男性陣)

僕のこと!

 

(アンジェリカ)

イライザ、私は

働く頭を探してるの

働く頭を探してるの

働く頭を探してるの

 

(三姉妹)

うーーー、仕事!

 

(バー)

これはまた! 都会の夏はまたとないですな

急いでる人の隣にきれいな人

失礼しますお嬢さん、おかしくないでしょうが

あなたの香水、お父さんはお金持ちですね?

きれいなヒール靴でなんでまたこんなところで

下々と交わってるんです?

考え方を教えてくれる小僧でもお探しで?

 

(アンジェリカ)

バー、あんた最低

 

(バー)

あー、僕のことを話して?

僕は信頼できる信託ですよベイビー

 

(アンジェリカ)

トマス・ペインの「コモン・センス」を読んでたの

だから男たちは私を過剰だって

じゃなきゃ狂ってるって

革命が欲しいの? 私は啓示が欲しいの

だから私の宣言をお聴きなさいな

(You want a revolution? I want a revelation. So listen to my declarationの韻の気持ちよさ!)

 

(三姉妹)

「我々はこれを自明の真理と考える

すべての男は平等に創られていると」

 

(アンジェリカ)

トマス・ジェファーソンと会ったら

この続編には女を入れるよう説得してやる

  

(女性陣)

仕事!

 

(イライザ)

まわりを見渡して まわりを見渡して

ちょうどいま生きているのがなんて幸運か

(look around, look around at how

  lucky we are to be alive right now) 

 

(アンジェリカ&ペギー)

まわりを見渡して まわりを見渡して

ちょうどいま生きているのがなんて幸運か

 

(三人姉妹)

歴史がいまマンハッタンで起きてる

私たちはたまたま

世界で最高の町にいるの!

世界で最高の町に!

(以下略)

 

7.「You’ll Be Back」

(英国王ジョージ3世)

汝らは言う

朕の愛情の代金を払うつもりはないと

汝らは泣く

朕が通過するのを見ると海に放り込むお茶の中に

なぜそのように悲しむのじゃ?

汝らが去るときに合意したはずではないか

おかげで朕はそろそろご立腹じゃ

忘れるな 離れたとはいえ今でも朕が

汝らの君主ぞ

戻ってくるから

絶対そのうち

自分は朕のものだと思い出すから

戻ってくるから

時がたてば分かる

朕は良い為政者であったと思い出すから

海はうねり帝国は滅びる

苦楽をすべて共にしてきたではないか

しかるにいよいよいざとなれば

完全武装の大隊を派遣して

朕の愛を思い出させてやるのでな

 

ダダダダッダーダッダダダ、ダイヤーダー

ダダッダッダッダイヤーダ

ダダダダッダーダッダダダ、ダイヤーダー

ダダッダッダッダイヤーダ

 

汝らはこの愛がつらくてもう無理だと言う

しかし朕がいなくなって文句を言うのは汝らぞ

なのでだめだ、話題(subject)を変えるな

汝らが朕のお気に入りのしもべ(subject)なのだから

すてきで従順なしもべ

忠実な、王のしもべなのだから

永遠にいつまでもいつまでもいつまでも……

 

汝らは戻ってくる

前と一緒だ

朕は戦うだけ戦っていくさに勝つぞ

汝らの愛のため

汝らの賞賛のため

朕の息のつきる暇で汝らを愛するぞ

汝らがいなくれば

朕は狂ってしまう

なのでせっかく手にしたこれを放り出さないでくれ

 

なぜならいよいよいざとなれば

汝らの友達と家族を全員皆殺しにして

朕の愛を思い出させてやるのでな

 

ダダダダッダーダッダダダ、ダイヤーダー

ダダッダッダッダイヤーダ

ダダダダッダーダッダダダ、ダイヤーダー

ダダッダッダッダイヤーダ

 

(10曲目「Helpless」でハミルトンとイライザが革命軍の兵士たちを歓待する舞踏会で出会い、恋に落ちて結婚が決まった次……)

 

11. 「Satisfied」

(ローレンス)

よーしよしよし、そういうことだよ!

じゃあみんな、ブライズメイドに乾杯!

アンジェリカ・スカイラー!

 

(アンジェリカ)

花婿に乾杯!

花嫁に!

あなたのお姉さんから

いつもあなたちのそばにいる私から

お二人の結びつきに

そしてお二人が生み出す希望に

お二人がいつでも……

満ち足りていますように(be satisfied)

 

(コーラス)

巻き戻し

巻き戻し

巻き戻し

(実際に音楽も舞台上の動きも「巻き戻される」)

 

(アンジェリカ)

あの晩を覚えてる

あの晩のことを死ぬまで後悔するかも

 

若い兵隊さんたちを覚えてる

私たちにほめてもらいたくて必死だった

 

夢見るようなろうそくの灯りを覚えてる

何を見てるのかはっきりしない夢のような

 

でもアレクサンダー

あなたを初めて見たときのこと

私は決して忘れない

 

私はもうもとに戻れない

飢えてやせこけた体の中に

知的な瞳

あなたに「やあ」って言われて

私はもう自分の名前を馬鹿みたいに忘れて

心が燃え上がって

体のすべてが燃え上がった

 

(全員)

これは遊びじゃない

 

(ハミルトン)

察するに決して満足したことなどない

ご婦人とお見受けします

 

(アンジェリカ)

何をおっしゃっているのか分かりませんわ

ぶしつけですね

 

(ハミルトン)

あなたは僕と一緒です

僕は決して満足しないので

 

(アンジェリカ)

あらそう?

 

(ハミルトン)

一度も満足したことなどありません

 

(アンジェリカ)

私はアンジェリカ・スカイラー

 

(ハミルトン)

アレクサンダー・ハミルトンです

 

(アンジェリカ)

ご家族はどちらから?

 

(ハミルトン)

それはどうでもいいことで

まだやっていないことが100万もあります

でも今に見ていて、見ていてください

 

(アンジェリカ)

そうそうそう

そうだからこれが

自分と同じレベルの相手と渡り合うってことね!

どこがいいの?

これが自由ってことね、光を見た感じ

鍵と凧を手にしたベン・フランクリンよ、つまり

分かるでしょ?

話してたのは2分、せいぜいが3分

何もかもそっくり同じ意見で

夢みたいでちょっとした踊りみたいで

ちょっとした虚勢とちょっとしたポーズと

彼はちょっとした色仕掛けで

でも私はそれでも良くて

家族について聞いたらなんて答えたか聞いた?

そわそわしちゃって目をそらして

文無しなのよ

その日暮らしの

 

ハンサムで 本人もそれはもう自覚してて

産毛みたいなヒゲで それもろくにはえてなくて!

どこか遠いところに連れ去りたい

でも振り向いたら妹の顔が見えて彼女は……

 

(イライザ)

もうどうしようもなくて

 

(アンジェリカ)

分かってしまって彼女はもう

 

(イライザ)

どうしようもない

 

(アンジェリカ)

あの子の目はもうひたすら

 

(イライザ)

どうしようもない

 

(アンジェリカ)

そして私は気づくの

 

(アンジェリカ、コーラス)

3つの根本的な真実に

まったく同時に

 

(ハミルトン)

僕をどこに連れて行くの?

 

(アンジェリカ)

これからあなたの人生をすっかり変えてあげる

 

(ハミルトン)

ならばぜひ、どうぞ連れて行って

 

(コーラス)

その一!

 

(アンジェリカ)

今のこの世界で女子の私の仕事といえば

金持ちと結婚する ただそれだけ

父には息子がいないから私が

結婚で成り上がらないと

私が一番年上だし一番快活だし

ニューヨークのゴシップはすさまじいし

 (I’m the oldest and the wittiest and the gossip in New York City is insidious ―ここの乱調リズムと韻の見事なこと! 特にwittiestとCity is とinsidiousが(アメリカ発音だと)こんなに似た音だとは)

 

アレクサンダーは無一文

ははっ! だからって彼が欲しいのは変わらない

 

(イライザ)

エリザベス・スカイラーです

お会いできてうれしいです

 

(ハミルトン)

スカイラー?

 

(アンジェリカ)

妹です

 

(コーラス)

その二!

 

(アンジェリカ)

彼が私を狙うのは私がスカイラー姉妹のひとりだから

手に入れれば彼は地位が上がる

それを無視するほど私もウブじゃない

もしかしたらだからこそ

イライザを紹介したのかも

彼女こそあの人の花嫁にふさわしいから

ごくろうさまアンジェリカ

あの人の言う通り

あなたは絶対満足しないのよ

 

(イライザ)

お働きに感謝します

 

(ハミルトン)

いくさに参加しなくてはあなたにお会いできなかったのなら

その甲斐がありました

 

(アンジェリカ)

あとはお二人でごゆっくり

 

(コーラス)

その三!

 

(アンジェリカ)

妹のことは自分の頭の中のように理解してる

あれほど人を信じる、あれほど優しい人はほかにいない

彼を愛してるって私が言えば

妹は黙って身を引く

彼は私のものになる

妹は「私は大丈夫」って言うわ

 

(アンジェリカとコーラス)

それは嘘なのに

 

(アンジェリカ)

でも夜中に私が思い描くのは

アレクサンダーの瞳

彼とどうなっていたか想像するの

自分があれほど一瞬にして

彼を見定めていなければ

二人はどうなってたか

 

でも少なくとも

大事なイライザが彼の奥さんになって

でも少なくとも

彼の瞳はこれからも私を見てくれる……

 

 

(アンジェリカとコーラス)

花婿に!

花嫁に!

あなたたちのお姉さんから!

いつもあなたたちのそばにいる私から

お二人の結びつきに

そしてお二人が生み出す希望に

お二人がいつでも……

満ち足りていますように

 

分かってるの

妹は彼の花嫁として幸せになる

そして分かってるの

彼は絶対に満足しない

私は絶対に満足しない

 

(12曲目以降、独立戦争の苦しみと勝利)

 

15. 「Ten Duel Commandments」

(訳さないけど、ここで初めて決闘の決まり事を説明する。この歌詞とメロディーのバリエーションが、このあと2回でてくる)

  

17. 「That Would Be Enough」

(ハミルトンはワシントンの副官。前線指揮を任せてもらえないことに激しく苛立つハミルトン、戦場で華々しく散るか、軍功を上げて名を上げ、独立後の生活に備えたいのだと主張し、ワシントンと激しく対立するも、ワシントンに「お前を死なせるわけにはいかない。お前の妻がお前を必要としている。私もお前も必要だ。家に帰りなさい。命令だ」と言われ、なぜ「妻のもとに帰れ」としきりに言われるのか、やっと理解する)

 

(イライザ)

まわりを見渡して まわりを見渡して

ちょうどいま生きているのがなんて幸運か

まわりを見渡して まわりを見渡して

 

(ハミルトン)

いつから知ってたの?

 

(イライザ)

ひとつきくらい前に

 

(ハミルトン)

イライザ、言ってくれれば良かったのに

 

(イライザ)

将軍に手紙を書いたわ ひとつき前

 

(ハミルトン)

そんな

 

(イライザ)

お願いだからあなたを家に帰してって

 

(ハミルトン)

言ってくれれば良かったのに

 

(イライザ)

後悔してない

戦争に勝つまで戦うって知ってたから

 

(ハミルトン)

戦争は終わってない

 

(イライザ)

でも自分の息子に会う機会は

当然の権利でしょう

まわりを見渡して まわりを見渡して

ちょうどいま生きているのがなんて幸運か

 

(ハミルトン)

貧乏人の妻になってもいいのか

君を養ってあげられないような

 

(イライザ)

私はあなたの妻でいたいの

まわりを見渡して まわりを見渡して

自分がどこにいるか見て

自分がどこから出発したか見て

あなたが生きてるのは奇跡

ただ生きてさえいれば それで十分

 

そしてもしこの子に

あなたの笑顔のほんの一部でもあれば

あなたの頭脳のかけらでもあれば

世界はほら!

もうそれで十分なの

 

分かってるふりなんかしない

あなたが何に直面してるか

あなたが頭の中で

消しては創り出している

色々な世界のことも

 

でも怖くないから

自分が誰と結婚したか分かってる

一日の終わりに帰ってきてくれさえすれば

それで十分なの

 

あとに残す遺産なんかいらない

お金もいらない

あなたが穏やかな気持ちになれるのなら

 

あなたの心の中に入れてくれるなら

私を物語の一部にしてください

いつの日か誰かが書くこの物語の

この瞬間がはじめの第一章になればいい

 

あなたはここに留まることにする

そして私で十分だと思ってくれる

お互いで十分満ちたりる

それで十分なの

 

18. 「Guns and Ships」

 

(バー)

ボロボロの寄せ集めで

シャワーを浴びた方がいい志願兵部隊が

いったいどうやって世界的超大国に

勝てるっていうんだ

 

泥沼からどうやって勝利するっていうんだ

ベッツィ・ロスの旗を高く掲げて戦場を離れるんだ

ヨー どうやらこちらには秘密兵器がいたらしい!

みなさんご存知で大好きな移民!

怖いもの無しで飛び込んできた移民!

いつでもイギリスの歩兵をこんがらがらせて

くるくるさせる

アメリカで一番人気の戦うフランス人に拍手!!

 

(カンパニー)

ラファイエット!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

この馬の手綱をとって

イギリス兵の赤い軍服を

ますます赤く血で染めてきた

 

(カンパニー)

ラファイエット!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

敵を倒して燃やして残骸をバラバラにするまで

止めたりしない

私は

 

(カンパニー)

ラファイエット!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

相手して逃げ出して

激怒させる

私は

 

(カンパニー)

ラファイエット!

 

(ラファイエット)

またフランスから軍資金を集めてくる

 

(カンパニー)

ラファイエット!

 

(ラファイエット)

もっと手に入れて戻ってくる

 

(ラファイエットとアンサンブル)

銃と

船と

そうすれば均衡は崩れる

 

(ワシントン)

ロシャンボー伯と落ち合い

提供の装備をまとめる

 

(ラファイエット)

ヨークタウンで戦争を終わらせる

それは可能です

海から包囲すれば

でもそれがうまくいくには

あの男が必要です

 

(ワシントン)

わかっている

 

(ワシントンとカンパニー)

ハミルトン!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

閣下、あの男は塹壕で何をすべきか承知してます

才気煥発でフランス語が流暢

つまり

 

(ワシントンとカンパニー)

ハミルトン!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

閣下、あの男をいつかは使わないとならないわけですから

ベンチ温存で何させるっていうんです

つまり

 

(ワシントンとカンパニー)

ハミルトン!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

あれほど強靭で

私と同じくらい実務的戦術的超人な

 

(ワシントンとカンパニー)

ハミルトン!

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

土地を奪い返したいんでしょ?

 

(カンパニー)

ハミルトン!

 

(ワシントン)

自分の右腕に復帰させねば

 

(ラファイエット)

(超高速ラップ)

そうそう

右腕を取り戻さないと

右腕を取り戻さないと

分かってるでしょ

 

つまり

確かに手紙は

じっくり書いた方がいいけど

要するに早い方がいいでしょ

右腕を取り戻さないと

 

(ワシントン)

アレクサンダー・ハミルトン

戦場で兵がお前を待っている

今こそ戻ってきてくれれば

一緒に潮目を変えられる

ああ、アレクサンダー・ハミルトン

敵の兵はお前に屈伏する

私たちがうまくやれば

向こうは早朝までには降伏する

 

そうすれば世界は二度と

もとには戻らない

アレクサンダー……

 

19. 「History Has Its Eyes On You」

 

(ワシントン)

今のお前より若かった頃

初の指揮を与えられたとき

私のせいで部下たちは虐殺された

部下の死を私は間近で目撃した

 

あらゆるミスを犯した

恥辱がこみ上げた

今でも夜中に

眠れずじっと横たわる

 

歴史が私を見つめている

歴史が私を見つめている

 

教えてあげよう

若くて栄光を夢見ていたころに

知っていれば良かったと思うことを

自分ではどうしようもできないんだ

 

誰が生きて

誰が死ぬか

誰が自分の物語を語るのか

 

我が軍は勝てる それは分かっている

お前は偉大になれる それはお前に備わっている

しかし覚えておけ これから先

 

歴史はお前を見つめている

 

(カンパニー全員)

歴史はお前を見つめている