走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

落とし穴

2022年02月21日 | 仕事
昨年の夏に帯状疱疹を発症した彼女。しばらく痛み止めを処方していました。2ヶ月分処方して、2ヶ月後にまだ痛いから同じ薬が欲しいと言いました。その時の問診では神経系の痛みがあったので、さらに2ヶ月分。そしてまた処方をお願いします、と2ヶ月分。

習慣性のない薬だったので、私自身の慎重さが欠けていたかもしれません。電話診療だけで済ませました。そしてまた彼女はやってきます。皮膚の赤みは無くなったのに、同じように痛みます、と。

今回はじっくり問診をしました。そしてわかったのは、全く違った場所の痛みでした。帯状疱疹後に痛みが続く人は多くいます。しかし半年以上はおかしい、と疑問に思ったことで救われた私。危うく見逃すところでした。

患者本人は場所が変わろうと痛みは痛みで痛みの特徴なども関係ありません。痛いのが問題であって、理由は思い込んでいるのですから。薬さえ貰えれば満足するかもしれません。

しかし診断治療をするものにとってそれではダメなのです。やっぱり基本は大事。毎回、毎回しっかり問診からだわ、と反省したのでした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。