走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

変革

2018年07月31日 | 仕事
シリーズはお休み。

先週、大きなミーティングがありました。mental health redesign についてです。 リデザインというぐらいですからデザインをやり直すという事です。

今のメンタルヘルスのシステムが出来たのは40-50年前と言われています。最近はどこのプログラムでも患者と家族中心のケアを謳っているので、患者と家族の声をケアだけではなくシステム作りに活かすのがトレンドです。その結果、この昔に作られたシステムは機能していないと患者と家族に指摘を受け各市のメンタルヘルスセンターを根本的に作り直す事が州の定めとなりました。

縦割り、迷路のような今のシステム。シンプル化してナビゲートしやすく。たらい回しされた末システムから溢れるような事が起こらないようになどなど、大きな変革です。

人間は変化を嫌います。自分の仕事がなくなるのか?仕事が多くなるのでは?難しくなるのか?不安の声は絶えません。大きな保険機構で働いているので、その辺りはバッチリです。こういう大きなプロジェクトには必ずプロジェクトのリーダーが雇われます(そういうプロが北米にはいます)。リーダーはプロジェクトグループを作り策を練ります。

パイロットとして小規模の都市で試しをしてみます。上手くいけば同じ変革を他の都市で行なっていくと言う具合に。

私が働く街は第二陣のスタートです。 なので会議にはお偉いさんやプロジェクトリーダーの他にパイロットを1年前から始めた隣の市のセンターからスタッフが来てプレゼンをします。スタッフレベルで話を聞くとスタッフも不安が減少します。

この会議に呼ばれたのはステーキホルダーです。センターの改革だからセンターのスタッフが集まれば良いと思いますか?

いえいえ関係する皆が呼ばれやってくるのです。精神科医、病院の精神科のスタッフ、地元の医師会、そしてもちろん患者と家族会の代表。活発な質疑応答の時間でした。

医療者中心の医療から患者と家族が中心の医療へ。素晴らしい事を素晴らしいやり方でできる職場。 文句を言うこともありますが、こう言う時はなんて素晴らしい職場で働いているんだ!と誇らしく思えます。

日本も古いやり方を見直してはいかがですか?



黒い羽を持ったトンボみっけ!

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