走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

時間切れ質問回答 その2

2021年03月10日 | 仕事
さあ、今日も答えられなかった質問や意見の返答をしていきましょう。

・匿名希望者 10:50 AM
同感です。私も米国の病院を見学しました。日本では管理者も学士レベルではないし、看護部長、副部長クラスも修士号は義務付けられていない。コミュニュケーションが難しいと感じる。APNは所属によっては活動時間さえ保証されていない人も多い


・匿名希望者 10:50 AM
美加さんがおっしゃるとおり、日本でAPNの活用が進まないのは、修士を卒業している管理者が少ないことが課題なのだろうと思います。議論することが、驚異となる傾向があります。貴重なご発表をありがとうございました。

思考レベルが並ぶと会話、対話、議論は進みやすい。しかし2つ釘を打っておきます。

「人のせいにしないように」

Leads のフレームワークを読んで頂ければわかるように真のリーダーは職種や思考レベルが違うチームメンバーとも円滑に会話ができる技術を併せ持っています。相手方の思考レベルに合わせた話し方をその人が気づかないうちにできるのです。

もう一つの釘は

「自分の頭の中で修士号以上を持っている自負があっても、それをひけらかす、又は私は貴方より上ですよ、と態度や言葉に表さないように」

私はレベルと言う言葉を使い、あたかも貴方が上であると位置付けているように聞こえるかもしれません。しかしそれを振りかざせば必ず問題になります。

以下はTWで発信したシンポに参加されていない方のTWに対するメッセージのコピーです。


タイトルというのは中身があってこそ意味のある言葉。そしてタイトルを取るのが目的ではなく、医療者としてもっと大きな目的がありタイトルを取るのはそのうちの一つの過程であると思います。
リーダーシップをテーマにしたシンポに参加した人から派生したTW。参加されていない方は背景がわからないかも

こちらは他の方への返答。
序列は誤った訳だと思います。看護学のみでなく全ての職業において、学位によるポテンシャルを最大限にして働く義務があるからだと思います。そしてその教育と労働内容によって給与が違うのも当然です。
これはどうかしら?

あと大きな組織で働いている(4万人の大所帯)ので職種を超えて同じレベルで議論でき、創造性を生かし組織を活性化させる能力が重要な職場なので背景が違う?しかし職場だけでなく都道府県や日本全体などグローバルな視点で医療のあり方を考えた場合は同じではないでしょうか?2/

医療ケアを提供することももちろん重要な医療者の仕事です。しかしそれと同時に医療の質の向上やEquity を思慮し改革を進めていかなければ国民の健康を向上させる医療職全体の目標には到達しないから。しかし改革に関わるものは医療職全員ではなくて一部である(もちろん全員の意見をReflextionして)1/

一部って書くと、有能者主義的な意見と勘違いされるかも。そうではなくて、その一部がリーダーとなり医療界を(私が医療と言うときは全ての医療職を含む)牽引していく、と言う意味です。2/


これは日本の医師とのやりとり。他にもう一名アメリカ在住の医療系日本人の方は、序列、威張っている、給料が高い、などとアメリカの高学歴の看護師に対する野次的な言葉が書かれていました。

医療は患者中心の医療で患者を中心に考えた時、全ての医療職が学歴の違いにも全く関係なく同じ土俵に立っていると私は考えています。しかしこれは1患者に対するケアプランの構図で医療をシステムと捉えた時、リーダーが不在してしまうと前進が停滞してしまいます。この二つをごっちゃに考えてはいけません(ここでも医療をミクロとマクロで捉える事ができるかどうか)。

効率の良い活性化している組織では命令系統が明らかで、互いに尊敬する文化があります。それぞれのレベルでそれぞれの役割を果たしてこそ組織は動き発展するのです。そして全てが実力主義で選ばれたものがポジションについているので皆が納得いけるのかもしれません。年功序列でも媚でもない、選ばれた人がリーダーシップを発揮する組織。そしてそんなリーダーの元で働ける喜びを感じる事ができる組織。

以前私は大きな組織で働く事が嫌いでした。大きさによる痛みはどうしてもありますから。しかし今回のような未曾有の世界レベルのパンデミックの中、いかに素晴らしいリーダーがいる組織、そして州で働いているかを実感しました。前例がないことに対してもスピーディーに動いていける決断力、柔軟性、万人に対する気づかいなどを間近で経験したので今までの痛みは帳消しです。緊急事態だからこそ見えるリーダーシップ。脱帽したくなるほどの凄さをこの一年経験しました。このような組織が日本でも増えると良いですね。

冒頭写真: 今回のシンポ演者の紹介は経歴などには触れず(HPに出しており、休憩中に流れるスライドでも紹介していたので繰り返す必要はなし)、仕事以外の人柄を表すコラージュ作りを演者に依頼し、それに対しての紹介をする形態をとりました。楽しんでいただけたでしょうか?こちらは私のものです。



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