走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

司法か医療か?大きな変革

2022年06月02日 | 仕事
あら、まあ、ついに、ですね。先日アナウンスメントがありました。カナダBC州で少量の麻薬、覚醒剤などの違法薬物の所持がトライアル的に合法化されました。

合法化された、と書くと誤解を招くかも。違法とされず処罰を受けない、が本当のところ。来年の1月31日から2026年の1月31日まで。2.5g までの個人的な使用目的の所持が許されているだけで、販売目的では許されない。学校やデイケア、空港での所持は今まで通り許されない。

何故、このような運びになったのか?

法的処罰は司法によるもの。罰とは言うものは違法行為の抑止力がある。しかし違法薬物の使用は依存という医療的な理由が関わっている。その疾患を治療しなければ罰があろうと人は違法薬物を使い続ける。その医療を受けるかどうかが大事なのだが、罰せられることを恐れて治療に来ない。そこを改善するために今回の改訂になったのだ。カナダの中でもBC州だけの特別措置。ずっとBC州はこのことをカナダ政府に訴え続けていたから。

翌日の国会審議では、何故BC州だけ、カナダ全土にするべきだと野党は話していましたが、受け皿があるのか?と首相は言ってたなあ、、、

さあ、この効果どう出るでしょうか?


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2 コメント

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薬物自己使用は、 (舶匝)
2022-06-02 09:43:20
処罰より治療。
これは、刑事学での常識です。
薬物自己使用に対して厳罰で臨んでも、処罰される者にとっては「運が悪かったから処罰される」と。
これでは、刑罰の存在意義(一般予防・特別予防・報復)が、破綻。
薬物自己使用は、被害者のいない行為類型。だから、処罰より治療にシフトしても不都合が小さい。
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Unknown (missy0806)
2022-06-03 10:12:17
では何故、司法でまず処罰対象にして、その中で治療をしていくのですか?
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