走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

OOだからXXを

2019年09月22日 | 仕事
看護師時代には気付かなかった、医師とのコミュニケーションについて。

以前にも書きましたが、カナダでは看護師は医師の目や手となりますから、観察と報告技術はとても高い。治療の示唆をする事も度々。その方が医師に重宝されるというポイントもあった。

休暇前に在宅看護師からファックスをもらう。下肢の血流不全がある彼は慢性的に皮膚感染を起こすために皮膚は象のようになり圧迫ドレッシングが欠かせない。感染すれば抗生物質を使わなければならないので抗生物質の耐性もあり非常に難しい患者。ファックスには感染専門医の診察を彼が希望していると。最近浸出液も増えて臭いが悪化したとも書いてあった。

忙しかった私は深く考えず、感染の専門医に診てもらうのは良い考えと紹介状を書き、その返事を返した。休暇1日目に診療所からプライベートのメールアカウントにメールが送られてきた。彼について在宅看護師からの返答について。休暇中のカバーをしてくれるNPはいるが、これに関しては私にと、、、

で、紹介先が車で30分の所で、行けないから地元の専門医に紹介してと。普段なら行けたと思うけど足が痛むし臭いも酷いし浸出液が多すぎて遠出は出来ないと。

はあ?!地元には感染専門医はいないし、一番近いのがその紹介先。それに30分先へ行けないぐらい足の状態が悪いなら入院しないといけない状態って事ではないの?!とかなりムッとした。だって休暇中にわざわざですよ!!!!それに今回は記念旅行だから絶対に仕事を持ってこないと旦那に釘を刺されPCも持ってきていない。今更オーダーだって出せません、、、、(正直言えばスマホからもアクセスはできるんですが、時差のある中、患者や看護師と繋がるのは難しい)。できることは救急室へ行ってください。必要があればそこから感染専門医に電話のコンサルタントでもしてもらえますから、、しか返信のメールに書けない。

で、自分でも今更気付く。最初にファックスをもらった時に経口の抗生物質(まだ耐性がないもので)を始めれば良かった。その為に状況を詳しく知る為に在宅看護師にファックスではなく電話をかければ色々質問できたはずなのに、、、、、と後悔。

もし最初のファックスに観察した事だけ書かれていたら上記の事をしていたはず。OOだからXXしてください、と書かれると反論する根拠がないとそのまま「言われたまま」指示出しをしてしまう、そんな自分に気づいたのだ。これは一番やばいケース。処方者の仕事は問診、所見、診断、治療計画、それらの過程が練ってあるべきなのに、過程がすっ飛ばしになっていた、、、、。

非常に反省しました。折しも患者の安全について書いていた時だから。「忙しい」は簡単に使える言い訳。いつでも深く状況を判断する姿勢を忘れてはいけない。看護師の言葉を鵜呑みにしてはいけない(役立つけど、もう一歩踏み込んで考えなければならないのは処方者である私) と反省。反対側になって見える事です。ため息



場所を移動してPulaへ。とても保存状態が良いと言われるコロシアムに来ました。中にも入れます。こんな大きな建物を大昔に作ったローマ帝国の知財と私財と権力って凄いわ。25000人の観衆がグラディエーターの戦いに歓喜していたのよ。



石を少なくする為に坂を利用して海側は4階建、坂の上は2階建と賢くすぎる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。