劇団どれみ

自称劇作家どれみ、夫はスイス人、NZ在住。3匹の猫の皆さんも作詞家等としてゆるく活躍中。その歌はラジオで流れたことも

ご出発

2009-09-25 | 世界の端っこで世界を想う
すこし前に遅ればせながら「おくりびと」を観たんですが
ええ、その少し前に国際映画祭でかかっていた際は見損なったんですよ。
おお、これだ!と思ってネットでチケット予約しようとした時点で
行ける日時は全て満員御礼みたいなね。

しかしながら、その後しばらくして、幾つかの選りすぐり系映画館で
ロードショーされることになりましてね
日本の映画が来ると、やっぱり嬉しいじゃないですか
で、早速夫と出かけることに致しました。

モックン、嫌いじゃないですしね。
っていうか、寧ろ好きだし。
シブガキ隊時代は、ヤックンのファンだったんですけれど
なんていうか、一番カッコ良いのはモックンだって頭では分かっていても
あそこまでカッコ良いと、相手にしてもらえないだろうみたいなね。
ええ、だって、ヤックンぐらいなら、付き合えそうじゃないですか。
って、実際には、ヤックンどころか、フックンとすら付き合ったことは
ないんですけれど。

で、今回、ネットで事前予約してから出かけることにしたんですが
なぜかスクリーンから前の3列しか予約できないようになってたんですよ。
そんなに前じゃ、見難いのではと懸念したんですけれど
当日行って完売ですって言われるのもイヤだしね
第一希望日なんてかなり離れた2席が空いてるのみだったしで
仕方なしに第二希望日に、前から三列目の並び二席やや下手よりを
確保したわけですな。

で、当日行ってびっくり。
なんと、その映画館のその劇場番号3は
本当に座席が三列だけの小部屋(?)でした。
全部で30席弱くらいでしょうかね。
アットホームで、良い感じではあったんですけれど。

で、ざっと見たところ、日本人は
というより東洋人はわたくし一人の模様。
これはいつにない優越感というかね
皆さん必死で字幕追わなきゃいけない時に
わたくし、字幕なしでも全然平気だし、みたいな。
まぁ、そんな優越感は、日本語映画の時にしか通用しないわけですが。
しかしながら、字幕を追う必要がないのに
そこに字幕があると追ってしまうのが人間の性というかね。

で、あれですよ。
「おくりびと」というタイトルからして
いきなり"Departures"ですよ。
って、そんなことは、映画が始まる前から知ってたわけですが
でも、本来「送る人」側がタイトルに来るべきところに
「ご出発」を持って来るってことは
主役自体が入れ替わってしまってるっていうかね。
意味は通じれど、能動態と受動態くらいニュアンスも違うわけじゃないですか。

直訳派のわたくしとしては、何とも歯痒いというかね。
ちなみに、この感情を英語圏の人に伝える場合、
わたくし「歯が痒い感じ」と言ってしまいます。
ええ、直訳派なんでね。
もちろん、その後日本ではそういう表現をするんですよと補足説明つき。

映画字幕の場合、補足説明もできなければ、文字数等制約が多いので
意訳になるのは致し方ないことなんでしょうけれど。

でも、例えばの話、山崎努とモックンがふぐの白子かなんか食べてるシーン。
美味しくて仕方ないという意味で「困ったことに」と山崎氏が言うわけですが
それを"I hate myself."って、どうなんでしょう。
フライドチキンを食べてる時も、モックンに「美味しいですか」と聞かれて
「困ったことに」と応える山崎氏の台詞が"I hate myself."ふたたびですよ。

英語圏の人は、死ぬほど美味しい物を食べてる時は
自分自身が嫌いになるんですかね?
それも分かるような、分からないような。

それとかね、それまで納棺師という職業に抵抗を感じていた妻が
「夫は納棺師なんです」という台詞が
"He is professional."ですよ。
まぁ、彼はプロフェッショナルなんですけれど
それが原因で実家にまで帰ったこだわりの職業名を敢えて口にしたことに
意味があるんじゃないかと、思ったり思わなかったり。

しかしながら、悲劇ではないのに、涙が止まらないという
この映画自体は最高でしたな。
吉行和子が幼少時代のだいちゃんについて語るシーン
銭湯で一人で背中を震わせて泣いてる小さなだいちゃんの姿なんて
映像として出て来たわけでもないのに、もう泣けて泣けて…
さらに山崎努氏の渋いことったら、ねぇ。

夫もいたく気に入った模様で、DVDが出たら即買いだそうです。
NZで出るかは、謎ですが。

でもって、夫のお気に入りのシーンが
ふぐの白子を食べながら山崎氏が言う"I hate myself."
だそうですよ。
ニュアンス自体伝わっているのかと懸念しておりましたが
実は妙訳だったようですな。
今や"I hate myself."が我が家の流行語大賞です。

さすがプルフェッショナル(字幕職人?)みたいなね。


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2009-09-10 | 世界の端っこで世界を想う
先日、日本から来た19歳の若者と話す機会があったんですけれども
19歳から見たら、わたくしのようなアラフォー世代なんて
立派な大人じゃないですか。

って、どの世代から見ても40歳前後なんて立派な大人なんですけれど。
しかしながら、この19歳の若者、大人の女相手に
(ええ、世間ではおばさんとも言いますな)
実に普通にお話できるんでね、わたくし大変感心したわけですよ。
ええ、上から目線ぽくて恐縮なんですが。

でもですね、若者は若者で、自分の留学先にいる日本人は
社会経験を積んだ27~28歳くらいの人が多いので
彼らとは、世代のギャップを感じているとのこと。

彼から見れば、27~28は立派な大人なんですな。
わたくしから見れば、19も27も同じじゃんって感じですが。

なのでね、わたくし、若者に言いました。
27~28歳なんて、あなたと同世代じゃないですかと。
プラス・マイナス10歳なんて、全然同世代ですよ、同世代と。

ええ、口にして初めて気付きましたが、かなりの極論ですな。
19歳を中心に上は29歳までは、何となく良いような気がしますが
下は9歳と思うと、やっぱり無理があるというかね。

しかしながら、27~28歳の、大人のはずの日本人でも
さらに大人のわたくしどもと
まともに会話が成立できないような輩だって
いないわけではないですからね。
それも、少なくないっていうかね。
日本語で話してるのに、返って来るのは単語だけ。
「それ」「あれ」「ちっが~う」って一体…
それだけで、心の中まで読んでくださいみたいなね。
まぁ、案外読めたりするんですけれどね、心の中。

なので、そういう人たちに比べて
いかに若者がしっかりしているかということを
わたくし、言葉にして褒め称えました。

すると若者は言いました。

日本人の少ないエリアに住んでいるので
自分の一挙手一投足が、日本人として見られていると思うと
下手なことはできないと。

すばらしいじゃないですか、この心意気!
若干19歳の若者にして、日本人代表意識があるというのは
やっぱり日本って捨てた国じゃないというかね。

単語だけで喋る人たちにしたって
大半は日本人相手には仏頂面で単語だけだとしても
外国人相手には、満面の笑みで単語だけだったりね。
一応外面は繕う、みたいな。

しかしながら、スマイルは無料な上に世界共通ですからな。
つけないよりは、つけた方が好かれるのも事実。

そういう皆さんの小さな努力のひとつひとつが功を奏した結果なのか
日本人、大変評判が宜しいようでございます。

「日本人って大好き、礼儀正しくてフレンドリーで」とか
「日本人の女の子って、本当にお化粧が上手で可愛い」
みたいなコメント、よくいただきます。

いえ、別に私自身が礼儀正しいだのお化粧が上手だのと
言われたわけじゃないですよ。
そういう礼儀正しい人や可愛い女の子を対応した後の職場のスタッフが
興奮して日本人であるわたくしに教えてくれるわけですな。
日本人のお客様は、大変愛らしいであるとか、すばらしいであるとか
日本人はお化粧が上手いというので、わたくしのことですかと聞いたら
そうじゃなくて、ええ、そうじゃなくてね
先ほどまるで女優のような日本人の女の子が来たとか、そんな感じ。

そんなこんなで、外国人からみて
こんなにスタンダードが高い国民も珍しいっていうかね。
エネルギッシュなアジア人というよりも
どことなく落ち着いたヨーロッパ人的な感じがするなんてことも
よく言われますなぁ。

てかね、日本人は、クレームつける時は日本語の通じる所(人)に
来るのが一般的なんでね、日本人以外の人には分かりにくい
陰湿な部分もあるとは思うんですよ。いや、あるな。はい、あります。
それも、連帯責任の名の下に、連想ゲームみたいな大胆な発想で
だから君が謝れみたいなね。

以前の職場では、そういう懸案が山のようにあったんで
ここに来て日本人を褒められても暫くは素直に受け取れなかった
部分がなきにしもあらずだったんですよ。
しかしながら、最近は本当に嫌な目にあっていないというかね
わたくしもわたくしで、稀に日本人のお客様を対応させていただくと
「本当、日本人て礼儀正しくて、なんてすてきなんでしょう」
と思うこともしばしば。

そんなこんなで、人気者の日本人!
これからも、すてきな日本人のままでいて欲しいと思う今日この頃。




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