伊賀上野の市街地には、
秋の「上野天神祭」に登場する各町のだんじり(山鉾)を格納している
「だんじり蔵」というものが点在しています。
上野の天神さんから上野東町の商店街を駅方向に歩いていると、
普段は固く閉められているはずの「だんじり蔵」の扉が開いており、
数人の男性が蔵の中を見ていました。
開けられていたのは東町のだんじり蔵です。
秋の祭まではまだ2ケ月以上あり、
この時期に町の人が集まっているのは尋常ではないと思って、
「すいません、何をなさっているのですか」と尋ねてみました。
聞いたところによると、
昨秋のだんじり巡行の際、車輪の調子がおかしいことに気付いたのですが、
曳きまわしを途中でやめるわけにもいかず、なんとか引いてきたそうです。
で、今秋に使う前に修理に出そうと、
役員さんらが集まって相談しているところに
私が通りかかった、ということです。
「修理とは、不具合のある部品を、大工さん等に頼んで
作り直してもらうのですか」
「いやいや、京都にある山車(だし)の専門業者に依頼します。
このだんじりは文化財なので、どこに頼んでも良いのではありません」
「こういう修理は毎年あるのですか」
「いや、こういうことは滅多にありません」
伊賀上野の各町内にある「だんじり蔵」
Cafe Kip`s(キップス)/伊賀市上野東町
ということで、
何年に一度もない場面に、私が通りかかったのですが、
扉の外にいた、若い役員さん2人が親切に教えてくださいました。
TVで、ウド鈴木(メーテレ「旅してゴメン」)が通りかかると、
土地の人が「今日はたまたま何々する日なので見ていきますか?」と
わざとらしく、そのイベントの場所に案内する場面があります。
私もそのノリで
「皆さん、何をされてるんですか」と尋ねてみましたけど、
今回のこれは本当に偶然でした。
(上野東町の商店街)
それにしても
地域の伝統を継承していくのって、
大変なことだと、改めて感じました。
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