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小暮写真館

2010-10-06 09:16:14 | 

宮部みゆきさんの作品です。

ジャンル的にはミステリーなのでしょうか。

何か心にじんわり染みてくるお話でした。

宮部さん小説に出てくる少年少女は子供っぽくなくて

大人な雰囲気がします。

それが何故かしっくり感情移入できる物語になっていて好きです。

あらすじとしては中古住宅として買った「小暮写真館」で

住み始めた花菱一家が不思議な現象に見舞われ、

それを主人公の高校生の男の子「花ちゃん」が

解き明かしていきます。

心霊写真バスターとでもいうのでしょうか。

厳密には心霊写真ではなくて人の想いが写りこんで

しまったということななのですが。

とにかく登場人物の一人一人が面白いです。

花ちゃんの同級生のコゲパンちゃんという女の子が

たんかをきるシーンはスカッとします。

そして四話めではちょっぴり悲しく、でも希望に満ちた旅立ちで

終わっています。

家族の物語でもあり、恋の物語でもあると思います。

花ちゃんはこの小暮写真館を仲介したST不動産に

勤める事務員垣本順子さんと

心霊写真バスターをしていて知り合いになります。

始めは読んでいてもこの彼女は嫌味な女だと思いました。

彼女にはやりきれない過去があってそこから逃げて逃げて

でも最後には逃げずに旅立って行きます。

恋ともいえない、でもきっと恋だったに違いない「花ちゃん」とは

別れがあります。

読んでいる時には泣くこともなかったのですが

あらためて思い返すと涙がこぼれました。

切ないです。

でもそれぞれに旅立ちはあるのです。

謎解きとしても面白いし、宮部ワールドにひたって読んだ1冊です。

 

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コメント (2)
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