当たり前ですが、建築模型を作るには
図面がないとできません。
一般的に個人で設計する方は、他の建築士の設計図を
細かく見る機会は少ないを思いますが
私の場合、模型のみの注文も受けている関係で
様々な図面を目にします。
設計図は描く人によってクセがあり
かなり個性的な方もいらっしゃって、
意外に思われるかもしれませんが
収まりの決まっていない図面というが割と多いのです。
これは、大工さんがベテランで
しっかりした仕事をしてくれる、おまかせできる方達だからです。
(むしろ大工さんの方が詳しい事も沢山あります。)
しかし、建築模型は
大工さんにお任せするより前に必要なものなので
収まりが曖昧な図面から模型を製作するのは、
大工さんと同じくらい収まりを理解していないと
できないところもあります。
設計者自身もあいまいで
意図を探るのも難しいような事も時にはあるので、
経験を積んでいても手が止まることがあります。
そのせいか私は、
大工さんにわかりやすいようにとつい考えすぎて
図面を描く手が止まってしまいます。
大規模建築を作るときのポイント(作り方)は
模型自体が大きくなりますから、全て作り込むと視線が散りがちなので
どこを目立たせるかということが大切です。
今回は、富良野のとみたメロンハウスさんが、リニューアルオープンのためメ
インのショップを新築なさるということで、
模型のご依頼を頂きましたので、目立たせる部分はもちろん新築部分です。
特にトラス部分に、力を入れて作りました。
屋根も取り外せるようになっています。
新築のショップには広いデッキが付いて、より開放的な空間になっていますので
そこの見え方も意識した作り方になっています。
来春のopenが楽しみです。
個人的にはメロンクリーム入りのメロンパンが気になります。
よく「坪いくらで出来ますか」というご質問がありますが、結論から言うと結果論なので建ててみないとわからない。
おそらく、総工費÷延べ床面積=坪単価と理解していらっしゃる方も多いので、このようなご質問が多くなるのではないかと思いますが、そもそもじつは坪単価にはコレと言った定義はないのです。
外構や屋外配線・配管や設備などをオプションにして(基本工費に入れない)も良いし、延べ床面積でなく施工面積を用いたりメーターモジュールを採用してもかまわないのです。
しかし、実際に生活するには、屋外配線・配管や設備は必要ですから、オプションは選んでも選ばなくても良いわけではなく必須になります。
本来、坪単価はすでに建築されたもの(マンションや建売住宅)を販売する際の発想だったのではないかと思います。
なぜなら、本当の坪単価は極端に言うと建ててみないとわからないからです。(実際は、実施設計後に詳細見積を決定しますからその時点で大体はわかります。)
どのような生活スタイルで(設備など)、どのくらいの広さで(延べ床面積)、どんなデザインで(建材など)・・・
なにもわからないうちに坪単価は算出しようがないのです。
ですから、建築費を比較なさりたい場合(相見積もりを取りたい場合)は、坪単価ではなく総工費でした方が予算オーバーになりにくいと思います。