ミニチュア&ドールハウス みにあーき

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建築士の呼ばれ方

2011年11月03日 | その他建築関連(オープンハウス・古建築巡りなど)

建築士は一般に、設計士・建築家などと呼ばれることが多いと思います。

(中には先生と呼ぶ方もいらっしゃいますが)

印象としては、建主側の方は設計士と呼び、建築士自らは建築家と表現することが多いように思います。

なぜでしょうか。

お話を伺うと、建築家はデザインとか見た目を重要視しそうで、一般的な家を建てるのは設計士というような印象のようでした。

しかし、このイメージは実際とはちょっと違っていると思うのです。

実は、建築士法ができた頃は、その内容が建設業界よりだった為、それに納得しなかった建築士達が建築家と名乗った、ということなのです。

これは、当時の建築士が海外のアーキテクト(抽象的概念を体現化する人)を目指しており、『アーキテクトは建主の代理人であって、建設業界の利益に奉仕するものではない』という考え方だった為のようです。

現在でも、建主さんの抽象的概念を具現化し、建主さんの代理人として建設業界の利益に奉仕しない、という建築士は建築家と名乗ることが多いように思います。

 

(アーキテクトには『芸術・技術の両方の役割を担い、自己利益だけではなく、市民・社会に貢献する』というニュアンスが含まれるそうですが、それまでの日本では住宅に芸術という概念がなかったので、芸術の部分が印象に残ってデザイン重視のイメージが強くなったのかもしれません。)

ちなみに、建築家は建築士の資格がなくても名乗れます。