~いよいよ本格始動特車二課第二小隊。驚きの特車二課のしきたりとトラブル!~
あらすじ
訓練を終えて、いよいよ地の果て特車二課に配置された泉野明。そこは周囲に何もない地の果てと呼ばれる埋立地であった。
草刈や食事づくり、釣りなど警察らしからぬ活動だらけで戸惑う野明。そんな中、猟に出かけた高速艇が座礁してしまい、それを救出することに。
ところが先に帰ったおやっさんが帰ってきてしまった。さて、整備班と第二小隊は無事おやっさんにバレずに高速艇を救出できるのか?
ここは地の果て特車二課。青空の下に渋いおやっさんこと榊整備班長が立っている。
そこで一句、「行く空に、皆も思うかいわし雲。」。その姿を隊長室から眺める後藤隊長が「すぎゆく影に、首都の秋を知る」字余り。と付け加える。何だこの連係プレー。でもこういう演出好き。何かと馬の合う後藤・榊コンビ。
どうやら時刻は12:00だったらしく、南雲さんが後藤隊長に待機任務を引き継ぎをすることに。
無事、引き継ぎを済ますとそそくさと帰り支度を始める南雲さん。明日から第一小隊のオーバーオールが始まり、昨日は誤報に引きづり回され疲れたらしく早く帰りたいらしい。
車から顔を出し、「後よろしくね。」というセリフを残して去っていくしのぶさんを見て後藤隊長が「かわいい」と本音を漏らす。うんそう思うよ。まったくもって同感です。
一方ハンガーでは入隊儀式が行われていた。誘導装置なし、すなわちマニュアル操作でレイバーキャリアにデッキアップせねばならないらしい。
太田は乱暴にやってのけるが、問題は野明の方。ひろみちゃんのアドバイスを聞きながら、思い切って踏込んでバランスを崩しながらもなんとか成功。賭けをやってた遊馬はひと儲けしております。
おやっさんによると「根っから機械と相性が良い」と野明を評し、香貫花は「ぎりぎり合格」と評して、出だしはまあまあといったところでしょうか。
事務所でデスクに座る野明。何やら落ち着かないようで、ひろみちゃんのことを「山崎さん」と呼ぶなどまだ慣れてない様子。「ひろみでいいですよ」と言われ、ぎこちなくちろみちゃんと呼ぶ野明。これが最初で最後の野明が「山崎さん」と呼ぶ貴重なシーンです。以後はひろみちゃんとしか呼びません。
特車二課の業務は基本的に待機だと伝えられ、おまけにやらなきゃいかんことが結構あるらしい。早速、アナウンスが流れ「606用意。装備03にてハンガーに集合」とのこと。
何のことかといえば、草刈の任務。要は草刈のことをかっこよく言いたいのね。
草刈をする整備班の面々をしり目に、シゲと遊馬は草相撲でお遊びに夢中。シゲが192連敗らしい。どんだけ負けるんだよ。それに192回も遊んでんのかよ。飽きないやつだなぁ。
んで香貫花と太田は訓練中。それをうらやましそうな目で見る野明。
遊馬に明日やるといわれてもすぐにやりたい野明。太田の訓練を観ながらイメージトレーニングを開始して、カマを銃に見立てて撃つ真似をする野明。カマが吹っ飛んでくると思ってビビるシゲと遊馬。あれまぁ、と野明。かわいいよ野明。
んで、釣りをしている野明と遊馬と整備員たち。野明がこんなことしている場合かと問うも、これは遊びではなく、立派な仕事と遊馬が力説。昼は上海亭の出前で何とかなるが、朝夜の食事は自力でどうにかせねばならん。コンビニじゃレディーメイドの食事は士気に影響する。
米など主食は保存がきくが、タンパクやミネラル源は不足気味。鶏の卵じゃ不足するんで釣りをするとのこと。食の確保は特車二課のメインテーマらしい。それを聞いて若干引いている野明。ひきつった顔もかわいい。
するとボートが走って行った。何かといえば沿岸漁業に向かうのだという。ずっこける野明。
そりゃそうだ。なんで警察が漁をするんだよwww。高速艇しおかぜはただの漁船。いったい漁業権はどうなっているのやら。それ以前になぜこんな装備を保有することを許されているのか?まったくを持って謎です。
いよいよ後半戦。
整備班員が直立不動で立っているのを横目に、おやっさんがご帰宅なさることに。
全員でおやっさんが愛車のコブラに乗り込んで、帰路につかれる姿を「お疲れ様でした」と声を張り上げお見送り。どこの組だよ、これ(苦笑)。
寝泊まりする宿直部屋にてテレビを見ながらゆっくりしている第二小隊の愉快な仲間たち。
野明はすっかり疲れたようで、あとこれが6日も続くのか・・・と弱音を吐く。
「野犬の群れですねぇ」と核心をつくコメントをする進士をさておき、ウーロン茶(炭酸入り)を飲む遊馬。すると食事ができたようで野明以外の全員が走って向かう中、野明は燃えるごみの中にアルコール炭酸入りウーロン茶の空き缶を発見。一方後藤隊長は冷蔵庫を開けて一言、「ない!」。そう、遊馬はくすねていたのでした。隊長のビールをくすねる遊馬はなかなか度胸がある。
食堂はというと、戦場状態。修学旅行の夕飯か!というツッコミはさておき、元気のいい整備班と第二小隊が仲良く食事をしているととんでもないニュースが飛び込んだ。
「高速艇が座礁したぞ~」
唖然とする二課の面々。現場に行くと、見事に座礁した「しおかぜ」がそこに。
積み込み過ぎってなぁ~。ちゃんと考えろよ。
結局イングラムを使って回収することに。しかもそれが太田がやることに。
乗務250時間のベテランなのにずっこけて、助けるどころかお荷物に。
結局、1号機を使って回収することに。サングラスをかけ「お前ら全員海に叩き込んでくれるぞ」とおやっさんのモノマネをして笑いを取っている遊馬とそれを見て大笑いする整備班。
その罰が当たったか、おやっさんが帰ってきてしまう。本庁に提出する書類を忘れたらしいが、今入ってこられちゃばれてしまう。シゲさんがひきつり笑いでごまかし何とか帰ってもらうことに成功。
しかし、喜びもつかの間、何かおかしいと気づいたおやっさん。高架道路から照明で明るくなった特車二課棟を見て、二課に戻ることに。
おやっさんに尾行をつけるという保険のおかげで、危険を察知したシゲと遊馬など一味は飲酒運転の検問をしておやっさん到着を遅らせることに。
何という職権乱用だよwwww。こんなことのために開かれた飲酒運転検査に巻き込まれるトラックの運ちゃんも気の毒。
そのおかげで、おやっさんは大回りして二課に向かう羽目に。
その頃、事故現場といえば野明がいやいやながらも救出作戦をスタート。
バランスを崩し、太田の二の舞になる寸前で香貫花がフォロー。さすが香貫花。
無事、クレーンで「しおかぜ」を引き揚げ、各レイバーも引き揚げて定位置に。
そこ妨害工作を終えた遊馬もやって来て、推定十分後におやっさん来襲と叫ぶ。
おやっさんを使徒みたいに言うなよwwwというツッコミはさておき、任務は完了。あとはだんまり決め込むだけだ。
おやっさんが到着し、難しい顔して調べまわることに。触ってみて確かめる中、ぽたりと水滴が落ち、それに気づき、その水をなめるおやっさん。絶体絶命の大ピンチ!
ばれてるよ、絶対ばれてるよ。どうする?と内心ハラハラなシゲさんをはじめとする整備班と第二小隊の面々。
すると夜に昼行燈後藤喜一が登場。知ってるくせに、何かあったんですか?とおやっさんが問いかける。見つめあう後藤と榊。しばしの沈黙があったのちに、「いやぁ。なんでもねぇ」と榊。
証拠もないし、後藤隊長の顔に免じてお許しが出たってことですかね。今回は手際良く片付けたシゲたちの勝ちですね。
すると電話が鳴り、出動要請が。一声に整備班員が飛び出し、おやっさんの決め台詞「だらだらしてる奴は海に叩き込むぞ」と檄が飛び、準備する特車二課の面々。
最後に野明と遊馬がこう会話して締めくくる。
遊馬「どうだ野明。ここがどういうことかわかったか?」
野明「わかった」
いやぁ見事なストーリー展開でした。まさに「こちら特車二課」はパトレイバーのエッセンスが凝縮されている回でした。草刈・釣り・座礁した高速艇の救出というイベントを通して多くの経験を積み、特車二課の一員として第一歩を踏み出した野明の姿を見て、本日のお話は終わり。
脚本はあのギャグを書かせれば右に出るものはない押井守氏。
食料は自前で調達し、おやっさんが絶対的権力を誇る野犬の群れが集う地の果て、それが特車二課のすべて。生活感があふれ、警察というより庶民的な正義の味方集団。
まるで『天体戦士サンレッド』のフロシャイムのような特車二課の生活感あふれる日常。
このありえそうでありえない特車二課が本格的に 事件解決するため動き始めるのは次回第4話『魔の山へ行け』です。