先日、私の部屋のCDプレイヤーで、うちの息子がビートルズの『アンソロジー3』に収められている、「The Long And Winding Road」を再生したら、音飛びが起こりました。それ以来、どうも調子が良くないのです。CDを入れると、ボコボコと変な音がするし、途中のトラックから再生しようとすると、音飛びが激しく聴ける状態ではないのです。困りました。早めに修理に持っていけばいいのですがねえ。それもけっこう邪魔くさいのでだましだまし使っているのが現状です。酷使しすぎたのでしょうかねえ。どうしたもんでしょうか。修理しなければいけませんかね。
それはさておき、今回はモーツァルト。ジェームス・レヴァインとVPOによる交響曲であります。この録音は、1991年のモーツァルト没後200年に向けて、DGによるVPOの交響曲全集として企画されたもの。指揮者を誰にするかということで、VPOはレヴァインを選んだそうです。確かに、当時気鋭の第一人者だったですね。そして、これはVPOによる最初のモーツァルトの全集となりました。いやいや、唯一の全集ですかねえ。後期の曲にはバーンスタインやベームの演奏がありますが、全集となるとねえ。ベームの少し前の全集も当時はVPOがデッカ専属だったからかして、BPOとのものですからね。貴重です。近年はモーツァルトの交響曲も古楽器の演奏が主流なんでしょうかねえ。モダン楽器での全集となると、ジェフリー・テイトとイギリス室内管弦楽団のものと、このレヴァインのものが最近の録音でしょうか。
それで、今回はこのシリーズの第一枚目として出された、交響曲第25番ト短調K.183であります。1985年6月にウィーン・ムジークフェラインで録音されたものです。この25番、モーツァルトの交響曲の中では、40番とならんで短調で書かれたもの、小ト短調と呼ばれています。また、第1楽章の冒頭が映画『アマデウス』で用いられたことでも有名になりました。レヴァインの演奏は、近年ほとんど話題にならなくなりましたが、なかなかの優れた、捨てがたい魅力たっぷりの演奏だと思います。まず、特筆すべきはVPOの魅力であります。やはり、こういった曲になると、VPOの美しく、かつ柔らかく輝きに満ちた音色は、ほんとにいいですねえ。これだけでも満足満足です。加えて、レヴァインが正攻法で、VPOの美しさを存分に引き出し、それをアピールするような演奏を展開しています。ほぼ同時期のバーンスタインの録音に比べても、それは顕著であると思います。レヴァインは、このVPOの各楽器からたいそうふくよかな音色を引き出し、スケールの大きなモーツァルトを聴かせてくれています。第1楽章、冒頭から恰幅のよい主題がVPOの美音によって輝かしく鳴り響きます。それからの演奏は、この輝かしい旋律を散りばめながら、たっぷり聴かせてくれます。まあ、それほどモーツァルトの『ト短調』は意識することないのが…、という意見もあるでしょうが、この演奏は、あまりそれを意識させないよさがあります。第2楽章アンダンテ。最初から弦の美しさが印象的です。モーツァルトらしい援徐楽章。低音の木管もしっかりと曲を支えています。弦による優美な旋律に何時までも浸っていたくなります。第3楽章メヌエット。まずユニゾンによるメヌエットが完璧な響きで鳴り響きます。ここのVPOはさすがです、またトリオでは木管の美しい競演も素晴らしい。そして、第4楽章、ここでのふたつの主題の対位法的なところの透明感あふれる演奏は、この演奏での聴かせどころでしょう。弦を中心として惚れ惚れする音色が息をつかせず展開していく、その美しさは特筆しべきでしょうねえ。ただ、モーツァルトの心情とか内面的なところの表現などには、あまり多くを求めるべきでない演奏かもしれません。
この全集が録音された1980年代後半、時代は、まさにバブル全盛、レヴァインも絶好調、私も就職したての若造でありました。1988年4月23日、当時土曜日の半ドンで職場の尼崎から大阪ミナミまで足を伸ばし、難波のワルツ堂で買ったという記録が残っていました。しかし、この全集は、いくつかの曲は今でも入手できますが、ほとんどは無理のようです。VPOによる全集としては、貴重なものだけにセットで販売してほしいものであります。
(DG 419 234-2 1986年 輸入盤)
それはさておき、今回はモーツァルト。ジェームス・レヴァインとVPOによる交響曲であります。この録音は、1991年のモーツァルト没後200年に向けて、DGによるVPOの交響曲全集として企画されたもの。指揮者を誰にするかということで、VPOはレヴァインを選んだそうです。確かに、当時気鋭の第一人者だったですね。そして、これはVPOによる最初のモーツァルトの全集となりました。いやいや、唯一の全集ですかねえ。後期の曲にはバーンスタインやベームの演奏がありますが、全集となるとねえ。ベームの少し前の全集も当時はVPOがデッカ専属だったからかして、BPOとのものですからね。貴重です。近年はモーツァルトの交響曲も古楽器の演奏が主流なんでしょうかねえ。モダン楽器での全集となると、ジェフリー・テイトとイギリス室内管弦楽団のものと、このレヴァインのものが最近の録音でしょうか。
それで、今回はこのシリーズの第一枚目として出された、交響曲第25番ト短調K.183であります。1985年6月にウィーン・ムジークフェラインで録音されたものです。この25番、モーツァルトの交響曲の中では、40番とならんで短調で書かれたもの、小ト短調と呼ばれています。また、第1楽章の冒頭が映画『アマデウス』で用いられたことでも有名になりました。レヴァインの演奏は、近年ほとんど話題にならなくなりましたが、なかなかの優れた、捨てがたい魅力たっぷりの演奏だと思います。まず、特筆すべきはVPOの魅力であります。やはり、こういった曲になると、VPOの美しく、かつ柔らかく輝きに満ちた音色は、ほんとにいいですねえ。これだけでも満足満足です。加えて、レヴァインが正攻法で、VPOの美しさを存分に引き出し、それをアピールするような演奏を展開しています。ほぼ同時期のバーンスタインの録音に比べても、それは顕著であると思います。レヴァインは、このVPOの各楽器からたいそうふくよかな音色を引き出し、スケールの大きなモーツァルトを聴かせてくれています。第1楽章、冒頭から恰幅のよい主題がVPOの美音によって輝かしく鳴り響きます。それからの演奏は、この輝かしい旋律を散りばめながら、たっぷり聴かせてくれます。まあ、それほどモーツァルトの『ト短調』は意識することないのが…、という意見もあるでしょうが、この演奏は、あまりそれを意識させないよさがあります。第2楽章アンダンテ。最初から弦の美しさが印象的です。モーツァルトらしい援徐楽章。低音の木管もしっかりと曲を支えています。弦による優美な旋律に何時までも浸っていたくなります。第3楽章メヌエット。まずユニゾンによるメヌエットが完璧な響きで鳴り響きます。ここのVPOはさすがです、またトリオでは木管の美しい競演も素晴らしい。そして、第4楽章、ここでのふたつの主題の対位法的なところの透明感あふれる演奏は、この演奏での聴かせどころでしょう。弦を中心として惚れ惚れする音色が息をつかせず展開していく、その美しさは特筆しべきでしょうねえ。ただ、モーツァルトの心情とか内面的なところの表現などには、あまり多くを求めるべきでない演奏かもしれません。
この全集が録音された1980年代後半、時代は、まさにバブル全盛、レヴァインも絶好調、私も就職したての若造でありました。1988年4月23日、当時土曜日の半ドンで職場の尼崎から大阪ミナミまで足を伸ばし、難波のワルツ堂で買ったという記録が残っていました。しかし、この全集は、いくつかの曲は今でも入手できますが、ほとんどは無理のようです。VPOによる全集としては、貴重なものだけにセットで販売してほしいものであります。
(DG 419 234-2 1986年 輸入盤)
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