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クリュイタンスの『運命』

2020年10月25日 23時51分00秒 | ベートーヴェン
マリーンズ、どん底の6連敗。一時は1位もあるかと思われましたが、2位どころかCS進出も危うい状況。コロナ禍が不調のきっかけでしょうが、根はもっと深い。というのも打撃陣の非力さと層の薄さが深刻。安田の四番抜擢も、他に四番を打てる打者がいないだけ。やはりこの数年、打者が成長していないですねえ。対策としては4番候補の外人獲得とドラフトでの即戦力指名でしょうが、後者は早々に早大早川投手指名を公言してます。うーんどうなるでしょうねえ。

そんなことで元気がでませんが、今回はベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調『運命』作品57であります。演奏はアンドレ・クリュイタンス指揮BPO。1958年3月の録音です。まあBPOの最初のベートーヴェン交響曲全集として有名ですし、カラヤン色に染まる以前のBPOによるなどとも言われてます。もう60年以上の前の録音になりますし、CDの出はじめのころからも、全集がけっこう安価で入手でき、現在では1000円台でも見ることができます。

クリュイタンスの演奏は、その昔1970年代東芝からの廉価盤のセラフィム盤で出てまして、私もそれを買ってこの演奏を聴いたのでした。おそらく4.5.8番などは、この演奏ではじめて曲を聴いたと記憶しています。5番はシューベルトの未完成と表裏だったように思います。それで、5番はこのクリュイタンスの演奏を聴いて、曲によさを知ることができたのでした。ですので、今でもその演奏を聴くと、この演奏について刷り込まれていることに気がつくのでした。

さて、このクリュイタンスの演奏、通常のCD(最新のものは2017年リマスター盤)とタワーさんからのSACD盤がありますが、他にもOTAKENからの鏡面復刻CD盤があります。これは「CDの信号面のポリカーボネートを取り払ったCD」の音を音源にしているもの、だそうです。比較してみると鏡面復刻は,確かに通常盤よりもいい音でなりますが、やはりSACDの音の余裕と音の響きの深さにはかなわないかな、と思うのでありました。

ということで、この演奏であります。まずBPOですが、かのフルトヴェングラーのころとは随分違いますねえ。クリュイタンスによると、BPOは明るく澄んだ音であり、たいそうな純なのでありました。軽い音とも言えるかも知れませんが、やはりドイツの響きとは異なるな、って感じですねえ。しかしながら、それがベートーヴェンに似つかわしくないということでもない。そしてやはりBPOの各楽器がいい音ですね。特に木管は見事です。クリュイタンスはこの時期にバイロイトでもワーグナーを振ってますし、ベートーヴェンも得意でした。オケは多少の違いがありますが、クリュイタンスは「これこそがベートーヴェン」と堂々と威厳に満ちた、そして力が籠もった演奏です。また細部にまで丁寧。それで非常に見通しもよくスタイリッシュであり、端正さが際立っております。

第一楽章、SACDになっての効果か、演奏の熱気を多く感じる。以前の端正な演奏に熱気が加わり、この楽章もそれが推進力となって壮絶な演奏になっています。これに木管のソロなどの美しさが際立っております。第2楽章でも、力強さは健在で、もはや勝利の凱歌のような勢いや高揚感すらをここでも感じる。苦悩もしみじみと浮き上がってくるが、それよりも明るさと喜びもが優っているようです。そして、その背後では、BPOの合奏力の緻密さや弦の充実振りが実に素晴らしい。第三楽章でも個々の楽器に力量が音楽の力に繋がり、張り詰めた緊張感の中に主題が高らかに歌われる。BPOもくすんだような音は聞こえず、明朗な音色がとても心地よい。そして、第4楽章。曲のもつ力に個々の楽器の素晴らしい演奏の力が加わる。フルトヴェングラーばりの熱狂とは異なるが、素直で明朗な高まりに終始するが、演奏が爆発し大きな力に発展していくところには心が動かされますねえ。

絶不調のマリーンズ、コロナ禍での一筋の光明として、藤原の活躍があります。打撃が好調で3割を維持しています。2軍では2割そこそこでしたが、やはりものが違うんですかね。来年が楽しみです。そして、明日はドラフト。明言している選手を獲得してもらいたいものですねえ。
(Warner TDSA-1/5 2015年)

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4 コメント

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Unknown (ヒロノミン)
2020-10-26 22:56:14
 こんばんは。僕も、最近岡山のラジオで紹介されたことがきっかけになって、クリュイタンス&ベルリン・フィルのベートーヴェンに再びはまっています。
 この演奏のベルリン・フィルの音は本当に魅力的で、たしかにフルトヴェングラーに比べると軽量級かも知れませんが、最近の録音に比べると充分に分厚く鳴っていて、僕には丁度よい重さと質感です。
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2020-10-28 21:56:40
ヒロノミン 様、コメントありがとうございます。私は密かに(笑)、ベートーヴェンの交響曲全種の三本の指に入るものと確信しております。これからも聴き続けていく演奏であります。ところで、岡山フィル、春の『英雄』は、ぜひ行こうと思っています。なんとか無事に開催してほしいですね。また、ご教示ください。
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Unknown (クレモナ)
2020-10-31 21:31:45
セ・パ共に、優勝が決まりました。ロッテは何とか、2位の座を、死守していますね。西武もたたみ掛けるような、勝ち方が、なかなか出来ないようです。2位になるのは、難しいようですね。
さて、クリュイタンスのベートーヴェン/交響曲第5番ですが、私も、最初は東芝のLPで、表が緑色のデザインでした。CDでは、第6番との組み合わせの盤を持っています。その後、全集のBOXを購入しました。オタケンの鏡面研磨復刻盤も、持っています。SACDは持っていません。そこまで、高音質を追求するまではないと、思っていますので。
クリュイタンスは、フランス物のスペシャリストのような印象が、ありますが、ベルギー生まれで、ドイツ物も得意にしています。この、第5番も、BPOを振って、カラヤンほど、重量感はありませんが、造形がしっかりしていて、各奏者の良いところを、引き出していると思います。演奏は、末尾を長く伸ばし、ゆうたりとしていますが、現代の演奏と違い、心が落ち着く演奏です。若干、明るいところが、フランスの香りなのでしょうか。LPの時代から、常に、廉価盤の扱いを受けており、あまり、高い評価を得られていないのが、残炎ですが、素晴らしい全集だと、思います。
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2020-11-03 09:06:04
クレモナ 様、コメントありがとうございます。
マリーンズ、2位は難しいでしょうねえ。あまりに打てない。現在ライオンズと1ゲーム差ですから。まあそろそろどん底から上がってくるかな、という期待はないわけではないですがねえ。実に困ったものであります。
加えて、クリュイタンスですが、このころのベートーヴェン全集、コンヴィチュニー、イッセルシュテットなどと並んで、歴史を感じさせますが、現在では聴けない演奏であり、名演奏ですね。またご教示ください。
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