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ヴァントの『英雄』

2022年08月28日 23時56分00秒 | ベートーヴェン
岸田さん、「検討使」と言われているらしいですね。検討する、ばかりで何ら実行しない、との意味らしいです。思わず笑ってしまいました。確かに、存在感は感じられないですかねえ。コロナの感染者報告も、都道府県の判断にするとか。これも責任転嫁かぁ、と思わず邪推してしまう。原発の推進は、珍しく指導力を発揮されましたねえ。あまり、して欲しくはなかったんですがね。安倍さんの国葬についても、決断は早かったですねえ。急いてはこと仕損じる?

まあということで、今回もギュンター・ヴァントの演奏です。ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団とのベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』であります。1989年12月10~12日ハンブルクのムジークハレでのライブ録音であります。また『レオノーレ』序曲第3番(1990年6月17~19日の録音)も収められています。

このCDが日本で発売されたころの前後から、ヴァントとNDRとの演奏がいろんなところで取り上げられ、そしてCDもいろいろと発売されるようになったんでしたかね。1990年にはNDRとの来日公演もありましたしねえ。はやりブルックナーの8、9番のCDがきっかけだったんでしょうか。この英雄の前後にブルックナーの4番、5番、6番、そしてモーツァルトのハフナーセレナードや交響曲第39~41番、ブルックナーの8,9番の再録音などもありましたよねえ。これらの演奏によってヴァントの人気も急上昇したんでしょうねえ。

そんな時期の英雄なんですが、ヴァントには、1985年の全集に含まれている演奏もありますし、その他にも、1956年5月ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、1994年2月15日ベルリン。ドイツ響などの演奏もあり、合計4種類の演奏が残されています。ベートーヴェンに関しては、これ以降、NDRとの演奏で、1,2,3,4,5,6番などのライブも登場することになります。ブルックナーに加えて、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの演奏がたくさん聴けることになります。

ヴァントの英雄は、全集の一枚である1985年の演奏がまずあげられますが、これは非常に整った演奏であり、緻密な印象を受けます。言い方を変えれば、あまり面白みのない印象も持つのでありました。これに対して、この1989年のライブは、1985年盤と基本的にはそれほどの違いはありません。演奏時間もほぼ同じくらい。しかし、ライブ録音だけあっての熱気、そして剛毅さが加わり、それが非常にいいですねえ。また、枠組みは非常に堅固で、まったく揺るぎがありません。一切の妥協のない姿勢で貫かれた演奏は、少々疲れるところもあったりしますが、次第にこれでなくてはならない、と思うようになりますねえ。NDRも派手さはないのですが、ヴァントに必死についていこうとするところなど、非常にまとまった力を感じる。硬いところもあるが、私はとても好きです。

第1楽章、まずはテンポは少々速め。そして聴き慣れた曲にも関わらず、新鮮な感銘を受ける。ヴァントの曲に込めた気持ちがしっかりと伝わってくる。緻密で綿密な演奏の中から、強固な意志や熱い感情が見えてきます。第2楽章、葬送行進曲。派手さも気持ちの揺れもそれほど感じず、曲は進んでいく。暗さよりも困難に打ち勝ったような表情すら感じられる、それでいて、適度な気持ちの高まりが心地よい。第三楽章スケルツォ。私はヴァントのスケルツォ、特にブルックナーのは大好き。ここでもこのリズム感がいい。迫力全開で心が揺れ動くそして細部に至るまで明瞭であります。そして、第4楽章。ここまでもそうだったが、それぞれの楽器の表情が非常に生き生きとして、これがこの演奏の魅力ともなっている。特にこの終楽章、オケの演奏に集中してしまう。それがこの演奏の最大の魅力なんでしょうかねえ。そして、言い忘れそうでしたが、『レオノーレ』序曲第3番、これも実にいい演奏でありました。

安倍さんの国葬、2億5000万ほどかかるそうですねえ。それで、弔意を強制しない、とのことですが、国民の多くが弔意をもってこその国葬だと思うのですがねえ。
(RCA 60755-2-RC 1991年 輸入盤)

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