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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ブルックナーをフルトヴェングラーで聴きましょう。

2013年03月04日 23時17分08秒 | ブルックナー
もう3月になりました。恒例の年度末のたいへんな時期になってきました。なかなか今年もハードです。転勤したので、去年までの仕事はなしと思っていたのですが、そうはいかない。加えて、新しい仕事も加わりまして、この三月の中旬までを何とか乗り切りたいですねえ。この週末も、岡山に行かねば、と思っていましたが、家でシコシコとパソコンに向かっております。これを乗りきらないと、新しい年度にはいけません。とほほ。

そんな状況なんで、なかなか音楽も聴いてはいるのですが、集中してとはなかなかいかないのが現状です。ぶつぶつ言わずに、今回でありますが、ブルックナーです。ちょうど『レコード芸術』3月号でも、ブルックナー特集をやってましたね。しかし、最近のこの雑誌の特集記事ってのは、どうも内容的に薄いですねえ。ブルックナーの特集は、1990年代に2回の分けてやったことがありましたが、この時の内容に比べると、今イチですかねえ。これが現代的な雑誌の有り様なのかも知れませんが…。CDの紹介でも、新しいものもあって、また、視点が目新しいもののあったりで、それはそれでおもしろかったのですが…。

ということで、今回はブルックナーの交響曲第5番変ロ長調です。ウイルヘルム・フルトヴェングラー指揮のBPOの演奏です。1942年10月25,28日ベルリンでのライブです。この演奏、演奏会のオリジナルマスターはソ連に没収され、その後行方知れずとなり、複製コピーからの様々なCDがリリースがされて来ました。 ①ソ連テープからのもの。②返還されたデジタル・コピーからのもの、③メロディアのLPからのもの。④ワルター協会のLPからのもの。⑤ベルリン・ブランデンブルク放送のアーカイヴからのもの、などがあります。私のCDは④ですが、③のオーパス蔵盤や最近発売された⑤のtestament盤などは、音質はいいのでしょうかねえ。

フルトヴェングラーのブルックナー、ベートーヴェンの演奏などほど、話題にならないように思います。それはその演奏の人間臭さにあるのでは、と思っています。壮大や崇高な伽藍建築にも比せられるこの曲には、フルトヴェングラーの描く熱く精神の煮えたぎるようなブルックナーは不似合いなのかもしれません。俗っぽい言い方をするなら、フルトヴェングラーの描く人間ドラマは、神々しく、人間を超越した世界であるブルックナーとはレベルが違うのでしょうか。

とはいえ、フルトヴェングラーのブルックナー、私は好きです。第1楽章、ゆったりとした演奏、またおとなしめやな、と思っていたら、いつの間にか汗がほとばしり、ピッチがあがり、一気呵成の雄叫びがあがる。まあ、これぞフルトヴェングラーってところなんでしょうが、これがやはりいいですねえ。かと思えば、旋律を慈しむように唱う、こんな演奏をブルックナーで聴かせてくれる、やはり私は好きですね。第2楽章アダージョ。ブルックナーの援徐楽章ですが、他の交響曲のに比べても、この楽章は独特の美しさがありますねえ。多少テンポは速めですが、ブルックナーの優美な旋律が心に突き刺さる。弦の音色が美しい。特にそのなまめかしい響きは。この楽章の主題によくあっています。第3楽章スケルツオ。この演奏で弱音が実に小さな音で演奏されている。この楽章でもそうで、それに対して、テンポを速めた強音が対比される。そのあたりの演奏は実に鮮やかであります。そして、第4楽章。第1楽章の序奏の再現ではじまり、第1楽章・第2楽章の主題が出て来た後、チェロのコントラバスによる主題からフーガが始まる。三つの主題が登場して、コラール風の主題、この毅然とした強奏、そして、一方では叙情的な旋律がうねるように奏でられる、これぞまさにフルトヴェングラーか、とおもいつつ、曲は疾走するように、フーガを聴かせてくれます。他を圧倒するような速さですすみ、それが心に爽快感をもたらせ、また圧倒的な存在感を誇示していくのでした。ある意味、独特の境地ですが、こんなブルックナーの表情もあると、異論をねじ伏せていくような終楽章でありました。

このCD、1985年にCDプレーヤーを買って,初めてCDを買ったのが、このCDとベームのブラームスの1番でした。勤めていた尼崎の職場から歩いて、阪急塚口駅の近くのミドリ電化で買いました。3500円だした。そして当時住んでいた上新庄のアパートに阪急で帰って聴いたのでした。懐かしいですねえ。ほんと。
(The Bruno Walter Society 35C37-7297 1982年)

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