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米国ですら、デジタル分野の取り組みではインドに一歩遅れている

これ 日本は はるかに 後進国ですぞ!

インド政府はそれと並行して、決済のみの機能を有し、口座維持手数料のいらない決済銀行を設立。これに国民の参加を呼びかけ、3年間で約2億7000万件の新規口座が設立されるという成果

小林 啓倫

シンガポールで体感した「止めようのないフィンテックの波」の衝撃

生活を一変させる衝撃を持っている

インドネシアのバイク文化をサポートするサービスが、「Go-Jek(ゴジェック)」である。 インドネシアにはバイク版のタクシー(Ojekと呼ばれる)が存在するのだが、その配車をしてくれるのが同サービス。スマートフォンのアプリ上から、バイクタクシーの手配、事前の料金確認、担当するドライバーの確認、利用後のドライバーの評価まで行えるようになっている

2010年に登場したばかりのサービスだが、そのわかりやすさと便利さでたちまち人気を博し、現在では同じバイクタクシーを利用した宅配サービスや、出前サービス、医薬品配送サービスなどにまでビジネスを拡大している。

フィンテック(FinTech)」という言葉 「ファイナンス(金融)」と「テクノロジー」を合体させた言葉で、文字通り「テクノロジーの力で進化した金融(サービスや商品)」

トランスファーワイズ(TransferWise

これは海外送金を低料金で行ってくれるサービスで、英国に拠点を置いているが、既に日本をはじめとした世界各国に進出しており、毎月の送金額合計は5億英ポンド(約750億円)以上に達している。

さぞかし最先端のテクノロジーを駆使しているのだろうと思いきや、何のことはない。送金元の国と送金先の国、双方にトランスファーワイズが口座を設けておき、そこに現金をプールして、送金元の国からリクエストがあったのと同じ額(を送金先の国の通貨に換算した額)を送金先の国の口座から引き出し、指定された相手に渡すのである

アジアの生活を激変させた、最新フィンテックの「破壊力」

リープフロッグ」という言葉 「蛙飛び」、「ある分野で遅れていた国や地域が、その分野の最新手法を取り入れることで、一気に最前線へと躍り出ること」を意味する

アジア地域では、銀行口座を持っていない人々の方が主流派、という国も珍しくない

Wave Money  2015年に民主化された ミャンマー。

ノルウェーのテレコム会社であるTelenorと、ミャンマーのYoma Bankが立ち上げた企業で、携帯電話を通じて貯金や送金ができるというサービスを展開している。

ミャンマーで1つでも金融サービスを利用したことのある人々は、人口全体のたった6パーセントでしかない。 一方で携帯電話は広く普及しており、人口全体の90パーセントが、インターネットに接続可能な携帯電話へのアクセスを有している

利用は簡単で、Telenorがミャンマーで展開している携帯電話サービスの番号を持っているだけでよい(この番号がWave Moneyのアカウントとなる)

そして「Wave Shop」と呼ばれる近くの代理店(雑貨屋のような小さな店舗も多い)に行き、そこで現金を支払う。するとアカウントに電子マネーがチャージされたような状態になるため、あとはこれを他の携帯電話に送金してやればOK。

2016年10月に、同国初のモバイル金融サービス提供者として認可されたばかりだが、Wave Moneyの代理店は、既にミャンマー全土に約2万ヵ所存在している早くも約130万人のユーザーを獲得している

マレーシアでも見られる。同国で人気を博しているタクシー配車アプリ「Grab」が、独自の決済サービス「GrabPay」を開始したのだ。

参入したのが決済の分野で、はじめは同社による配車サービス時の支払いに限定されていたが、既に小売店での支払い等にも使用できるようになっている。

非金融機関による決済サービスへの参入は、アジア地域におけるトレンドのひとつとなっている。

既に多くの顧客を獲得している消費者向けサービス企業が、顧客基盤の活用とサービスの差別化を目指して決済サービス提供に踏み切る

Big PayはMoney 20/20 Asiaで公式発表がなされるという、まさに真新しい決済サービスなのだが、展開している企業は格安航空会社(LCC)のエアアジア

アジアのLCCとして最大手で、年間乗客数は約5700万人に達する。この顧客基盤を活かし、金融分野にまでサービスを拡大し、顧客の囲い込みを図ろうというわけ

アジア諸国の住民の中には、医療機関や公的サービスの不備によって出生時の証明が得られなかった人々もいる いくら金融サービスが高度化しても、それに参加できないのであれば意味がない。 これを大規模な国家プロジェクトで解決しようとしている国 インド

インド政府が最初に行った取り組みが、2009年に開始されたアドハーである。これは指紋と網膜という、2つの生体情報に基づく認証技術を使って、国民にデジタルIDを付与するプロジェクト

総人口13億人のインドで、既に約11億人にIDを発行することに成功

この成功を受けて、インド政府がさらに立ち上げたのが、2016年のインディア・スタックだ。これは複数のシステムを統合させた情報インフラで、アドハーのIDを使ってログインすることができる。

そこに保管されているのは、ありとあらゆる種類の個人情報だ。住所や職歴など基本的なものから始まり、納税情報や公共料金の支払いといった公的なもの、さらには医療情報や銀行の取引明細に至るまで、多種多様なデータが集まっている。

インド国民はこの中から、特定の相手に対して情報を開示することができる。融資を受けたければ、納税情報や各種の支払い情報を共有することで、自分の信用力を証明することができるというわけだ。

インド政府はそれと並行して、決済のみの機能を有し、口座維持手数料のいらない決済銀行を設立。これに国民の参加を呼びかけ、3年間で約2億7000万件の新規口座が設立されるという成果を残している

ジョセフ・スティグリッツは、「米国もインドにならい、デジタル経済への移行を進めるべき」という趣旨の発言をしている。

先進国である米国ですら、デジタル分野の取り組みではインドに一歩遅れている――これぞ最大級の「リープフロッグ」と言えるだろう。

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