ニューヨーク・タイムズで東京支局長も務めたニコラス・クリストフ氏

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【産経抄】10月16日

 

この著名な記者に取材を申し込み、断られたのは24年も前になる。米紙ニューヨーク・タイムズで東京支局長も務めたニコラス・クリストフ氏が、西部オレゴン州知事選へ民主党から出馬する準備中だと、小紙ニュースサイトで知った。愉快でない記憶がよみがえる。

▼クリストフ氏は1997年、三重県在住の元日本兵が戦時中、中国北部で人肉を食べたと証言したとの記事を書いた。奇異に感じた抄子が電話で元日本兵に確かめると、「そんなことは言っていない」と否定する。ならば詳しい話を聞きたいと約束を取り自宅までうかがうと、玄関払いを食う。

▼理由を尋ねると村落の有力者から取材を受けるなといわれ、逆らうと村八分が怖いという。日本の名誉にかかわることだからと、手紙を送り再考を求めると、何と本人ではなく有力者から断りの返事が届く。クリストフ氏と気脈を通じていたのである。

▼そこでクリストフ氏自身にインタビューを申し込んだが、これも拒否された。ジャーナリストの高山正之氏がクリストフ氏に直接問いただしても、「ニューヨーク・タイムズに載ったものが真実だ」と繰り返すばかりで、ピュリツァー賞2度受賞の経歴が泣く

▼クリストフ氏は帰国後は尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「中国の領有権主張には揺るぎない根拠がある」と書き、日本の外交当局に抗議された。外務省幹部は、クリストフ氏に関し「取材の前に記事の構成ができている」と指摘していた。

▼自民党総裁選と岸田文雄内閣発足をめぐっては、あるがままに現実を伝えるというより、「(首相は)実力者の意向には逆らえない」など自分たちが思う定型に無理やりはめ込む〝クリストフ型〟報道も目立った。他山の石としたい。

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