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岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減

乾さんの解説はいつも分かりやすくていいですね

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減 大手町の片隅から 乾正人

数字は美しく、残酷である。

昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回にわたって選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さにうならされる。

衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。

平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた「岩盤保守層」のかなりの部分が、自民党を見放した、とみるべきだろう。衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、あわせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。

立憲比例票は横ばいだった

というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。

3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票とわずか7万票しか増えていない。

つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。

政権交代できるだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。

比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。公明、共産の両党も重症だ。

公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。

 

15年で200万票以上が削(そ)げ落ちてしまったのである。支持基盤である創価学会員の高齢化とともに、公明党を創設した池田大作氏が昨年死去した影響も見逃せない。

最盛期から半減した共産党

共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。

だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落(ちょうらく)ぶりだ。お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよくみている。

さて、自民党である。

今回の敗因は、表面的には「政治とカネ」への国民の怒りが爆発した結果とみえる。それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。「岩盤保守層」のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、「岩盤保守層」はますます離反するはずだ。

日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。(コラムニスト)

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