田中良紹:
改革の本丸は国会にあり(3)
審議時間が長いのも異常である。午前9時から夕方5時過ぎまで審議する委員会など世界にはない。座っているだけでも肉体的に苦痛である。会社の会議なら通常は1時間、長くても2,3時間だろう。それ以上は肉体的限界を越えて効率が悪い。むしろ短い方が濃密な議論が出来る。ところがわが国の国会は6時間も7時間も審議するのである。審議時間が長いのはまともな議論をしていない証拠だ
30分間なら忙しくとも全てを視聴できる。しかし1日中審議を見る国民などほとんどいない。
何故こんな事になったかと言えば、議席数に応じて機械的に質問時間を割り振るからである。
このバカバカしい長時間審議を変えようとすると、最も反対したのがかつての野党社会党だった
さらに世界でありえないのが国会への出席を最優先にする考えである
英国では国益は議会への出席よりも外交に力を尽くしてもらう事だと考える。野党は外相の外国行きを応援し、仮に外相の留守中に採決が行なわれる事になると、野党が自主的に1名を欠席させて公平を期す。さすがに紳士の国だと思う
秘密会のない国会の異常さ
ところがわが国の国会で「秘密会」は開かれたためしがない。ないと言う事は政治家に官僚の情報が知らされていない可能性がある
「脱官僚」の政治は政治家が官僚の人事権と官僚の持つ情報を全て把握する事から始まる。それがなければ政治はいつまでも官僚にコントロールされる事になる。その入り口の一つが国会に「秘密会」を設ける事だ