天皇の地位は神様によって定められている

陳胡痒

▼女系継承を否定するだけでは不十分（斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」）

私ははっきりいうと、小林よしのり氏みたいに女系を認めないと天皇制が絶えるとか、染色体まで持ち出して男系を守るべきとかいう議論に全く関心がありません。
天皇の地位は憲法第一条によって、「主権の存する日本国民の総意に基く」と書かれています。
要するに、天皇制を煮て食おうが焼いて食おうが国民の意志次第というのが戦後民主主義体制というものなのです。
要するに、今の日本の国体では、今のところ選挙のない大統領と同じ扱いというのが天皇制です。
しかし天皇はなぜ天皇なのでしょうか？
それは天照太御神が「葦原千五百秋瑞穂の国は、是、吾が子孫の王たるべき地なり。爾皇孫、就でまして治らせ。行矣。宝祚の隆えまさむこと、当に天壌と窮り無けむ。」と定められたからで、宝鏡奉斎の神勅とあわせもって、神道の祭祀王としての天皇の地位は神様によって定められているわけです。
ですから、女系天皇も認めろうんぬん、いや認めないうんたんという議論は、天皇制の破壊を目指す左翼はいいとしても、保守派はそもそもその根本となる土台を理解していません。なぜならば、女系天皇に反対する議論そのものが天皇の地位は神様が定めたものではなく、国民が定めるものであるという戦後憲法の枠組みに乗っかったものであるからです。
ですから、はっきりいうと、小林よしのり氏は女系天皇を認めないと皇統が絶えるなどと心配する必要はないのです。
神が定めた秩序なら神が面倒を見るでしょう。
仮に皇室が神様の定めたシステムであるなら、人間が努力しようがしまいがそれは絶対に絶えることはないのです。仮に絶えたとするなら、天皇に日本の統治権を委ねた天照太御神が存在しない、あるいは嘘をついた、またあるいは日本という国を見捨てたということですから、何をしても無駄です。いや、そのときはいっそうのこと大統領制にしてしまえばよろしい。