若い頃は、相手に 要求ばかりしていた気がする。
自分の価値観ばかり 押し付けてきた気がする。
自分のことは棚にあげて、身の程知らずだった。
若い頃は、自分にエネルギーがあって、強かったから。
自分の未来を信じていたから。
もしかしたら、それが向上心につながっていたのかな。
だけど、それは続かないことを知る。
病気をしたり、歳を取る。挫折もする。 自分の弱さが見えてくる。 精神的にも 肉体的にも…。
見えなかった 自分の限界が見えてくる。
思い通りにいかないことが こんなにあるんだ…。
自分の限界を知ると、相手の弱さも受け入れられる。
求めるばかりの気持ちが、いたわりあう気持ちに変わっていく。
笑いあって、一日でも長く、一緒にいられることが、どんなに大切なことか
そんな当たり前なことにようやく気が付いて、
人は 優しくなれるのかも知れない。
考えてみれば 長い歴史の中で、同じ時代に生まれてきて、出会い、共に過ごすという偶然。
それは奇跡に近いことなんだ。
かけがえのない同志、出会った人たち。人間よりも短いサイクルで自分の歴史に登場する猫たちも。
みんな しっかり繋がって生きている気がして…。
「くろ」を描きました。
「くろ」も、私の人生の 大切な登場人物!?です。
不器用なところもあるけど、
猫は みんな 生きることに忠実です。 それを教えてくれます。