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あさのあつこ「風を繍う 針と剣 縫箔屋事件帖」

2021年06月28日 | あ行の作家


実業之日本社文庫
2019年8月 初版第1刷発行
解説・青木千恵
309頁

時代は江戸・化政期、舞台は深川
主人公は三代続く縫箔屋「丸仙」の一人娘、おちえ16歳
祖父も父も優れた縫箔の腕の持ち主ですが、おちえは手先が不器用で針は苦手
しかし、別の才があり
護身用にと母に勧められて4年前から剣術を始めたところめきめきと上達し道場の高弟たちをしのぐ腕前になっていました
そんなある日、一人の若侍が父を訪ねてきます
名を吉澤一居、旗本の次男で驚くことに父の弟子になりたいと言います
なぜ、武士の身分を捨ててまで職人になりたいと望むのでしょう
剣術が得意な町娘と、職人になりたい武家の子が出会い物語が始まります

おちえの青春、成長、恋愛物語に若い娘が惨殺される事件をめぐるミステリー
遥か昔の人々を描きながらそこには根本的には変わらない人々がいます
藤沢周平さんをこよなく愛するあさのさん
藤沢さんが亡くなって24年が過ぎますが、あさのさんのように藤沢さんの心を受け継いだ作家さんが複数いらっしゃるのは嬉しいことです
本シリーズ、次作も出ています
文庫化されたら読みませう^^

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